国際電気通信基礎技術研究所(ATR)、KDDI、パナソニック、早稲田大学、京浜急行電鉄は10日、増加するインバウンドにより多くの利用が見込まれる国際空港の駅ホームにおいて、さらなる安全・安心やインバウンドの利便性向上をめざし、次世代移動通信システム「5G」を活用した応用実証に国内で初めて成功したと発表した。
「5G」を活用することで、既存のモバイル通信では実現が困難であった大容量データの伝送が可能となり、4Kの高精細映像をリアルタイムに伝送・収集・分析して早期に危険を検知することや、高精細映像による観光客への情報提供など、駅の安全・安心を向上させることが期待されている。
実証試験は昨年の11月21日から12月21日までの期間、京急電鉄の羽田空港国際線ターミナル駅にて実施。上り地下ホームに28GHz帯の実験エリアを構築し、5Gタブレットを使用した実証を行った。サムスン電子が提供する「5G エンドツーエンドソリューション」を用い、総務省の技術試験事務における「5G」総合実証試験として実施されている。
実証の内容として、「駅ホームに設置した固定カメラと駅ホームを見回りするロボットに搭載した4Kカメラの映像を、5Gを通じてモニタやVRゴーグルへの送信」「5Gで送信した4K映像をサーバにて収集・分析することによる、2K映像では発見できなかった刃物の検知や、不審者に対する見回りロボットの駆けつけ」「5Gタブレットを用いた同時翻訳や、4K画質による観光案内映像の配信」などを行ったとのこと。