俳優の徳重聡が、きょう10日に放送されるフジテレビ系番組『直撃!シンソウ坂上SP』(19:57~21:54)のドキュメンタリードラマで主演を務める。

  • 徳重聡=フジテレビ提供

今回は、30年前に「平成」という新元号を巡り、超極秘事項として秘密裏に選定を進める政府に対し、その分厚い壁を突き崩そうと熱いジャーナリズム魂を燃やして取材を続けた毎日新聞・政治部記者たちの奮闘ぶりを丹念に描き出したドキュメンタリードラマ「元号をとれ!」と放送。『下町ロケット』での演技が評価された徳重が演じるのは、実在の毎日新聞・政治部官邸キャップ(当時)の仮野忠男氏だ。

1989年1月7日、故・小渕恵三官房長官(当時)から発表された新元号「平成」の発表35分前に、毎日新聞では新元号が「平成」であることをつかんでいたが、そのスクープが政府の発表前に報じられることはなかった。その背景にあったのは、同紙(当時は東京日日新聞)がかつて世紀の“大誤報”として報道史に汚点を残してしまった「光文事件」だ。

この事件は、1926年12月25日に大正天皇が崩御した際、新元号を巡る激しい報道合戦が繰り広げられる中、東京日日新聞が他紙に先駆けて「新元号は光文」と誤った号外を出し、報道機関としての信頼を大きく失った事件。この事件があったからこそ、毎日新聞・政治部には今度こそスクープをとるという宿命とも言える熱い思いがある一方で、次に誤報を出したら会社がなくなるかもしないという危機感が相まった独特な緊張感があったという。

新元号発表の35分前に「平成」をつかんだのは、地方支局から本社政治部に配属されたばかりで、同僚からは押しが弱いと心配されていた仮野さんの部下の記者(渋谷謙人)。ドラマでは、なぜ彼が最高峰のスクープと言われる新元号を突き止めることができたのか、そして彼から新元号の報告を受けた本社がなぜ発表前に号外を出せなかったのかを、臨場感あふれる映像で描き切る。

徳重は「演じる仮野さんのセリフの出だしが自分のイメージより柔らかかったので、監督に了解を得て、台本のセリフよりもキツい言葉遣いに直させていただきました」と紹介。『下町ロケット』の反響は「個人的にはネットやSNSをやらないので、ピンと来ていなかったです。毎年お正月休みに、高校のサッカー部の連中と集まるのですが、普段は僕のことを“大したことない”とバカにしてくる連中が褒めてくれたので、そこで実感しました(笑)」といい、「実は、その中で一番毒舌なヤツが、『下町ロケット』で演じた軽部真樹男のモデルだったんです。そいつは自分がモデルだったことを知って照れていました(笑)。そいつの良さが分かるには、3年はかかるくらいにアクの強いヤツなので、彼と3年間、サッカーをやっていて良かったです(笑)」と話した。

『下町ロケット』の軽部や、今回の仮野さんと、アクの強いキャラクターが続いたことから、「この路線を続けたいなという興味はあります。演じてみて、意外に面白いんだなと気づきましたので、もっと突き詰めていきたいなと思います」という徳重。「あとは、せっかく石原プロモーションに入ったので、事務所の上の方々のように、説得力のある役者になりたいです。『元号をとれ!』で演じた仮野さんは実在の方なので、説得力がないとまずいなと考えながら演じていて、少しだけですけど今回はうまく演じられたかなと思っています」と手応えを語っている。

今夜の放送では他にも、元横綱・日馬富士関の引退後の1年間に独占密着。彼のモンゴルの実家、そして日本の自宅に初めてカメラが入り、引退後、事件について沈黙を守り続けてきた彼が、貴ノ岩関、そして相撲に対する思いをはじめ、その胸中の全てを語り尽くす。

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