アデコは1月8日、労働や生活に関する意識調査の結果を発表した。調査は2018年9月28日~29日、パソコンやネット環境のある中で育った20代の有識男女(以下、デジタル世代)500名、およびデジタル世代を部下に持つ管理職500名を対象にインターネットで行われた。
デジタル世代、仕事にやりがい・達成感求めず
はじめに、「仕事をする目的」を聞いたところ、デジタル世代・管理職ともに「収入を得るため」が最も多く95%を超えたものの、「やりがいや達成感を得るため」では両者の差は18.4ptと大きく、管理職が51.6%と半数を超えたのに対しデジタル世代は33.2%だった。
「仕事をする上で重視している点」については、両者ともに「安定して働くことができる」「職場の雰囲気・⼈間関係が良い」が上位に。両者の差(デジタル世代-管理職)が大きかった項目に注目すると、デジタル世代は、「残業が少ない」(24.4pt)や「休暇を取りやすい」(同22.0pt)を管理職よりも重視する傾向にあり、⼀⽅、管理職は「⾃分の個性や能⼒を⽣かせること」(同-20.2pt)でデジタル世代を大きく上回った。また、「仕事への満⾜度」を尋ねたところ、管理職の方がデジタル世代よりも10pt以上高かった。
調査によると、いずれ転職しようと考えている人の割合は、デジタル世代で54.4%、管理職では38.8%。理想的な働き⽅を問うと、両者ともに「1つの企業や団体にのみ属して働く」が5割以上を占めてトップに。「起業」や「フリーランス」といった独⽴志向については、意外にもデジタル世代よりも管理職の方が5.8pt⾼い結果となった。
デジタル世代の良い点・課題点
次に、管理職にデジタル世代に対する印象を聞いたところ、良い点としては「PCスキル、デジタルスキルが⾼い」(52.0%)、「情報収集が速い」(34.4%)、「新しい物事に好奇⼼を持っている」(32.0%)が上位に。
一方、デジタル世代に対して課題と感じている部分については、「打たれ弱さ・ストレス耐性の低さ」(53.4%)、「ビジネスマナーの不⾜」(51.8%)、「⼀般常識・教養の不⾜」(51.6%)が上位に並んだ。
続いて、管理職に対し「デジタル世代とのコミュニケーションを円滑にするために⼼がけていること」を、デジタル世代には「上司や先輩からのコミュニケーションで好ましくないと感じているもの」をそれぞれ教えてもらったところ、「メールやSNSでコミュニケーションをとるようにする(してくる)」「飲みに誘う(誘われる)」「ランチに誘う(誘われる)」を上司は心がけているのに対し、デジタル世代は好ましくないと感じており、両者の間にギャップがあることが浮き彫りとなった。