新年の金運上昇を願って新しく購入する春財布。「春」=「張る」という語呂合わせではありますが、お金の収まり場所であるお財布ですから、やはり縁起は担ぎたいものです。とはいえ単に新年に新調するだけでは縁起物としてお金が張る(春)財布になるわけではありません。本当にパンパンにお金が張る財布にするために、春財布の特徴と気をつけるべきことを知っておきましょう。

  • 張る=春で「春財布」って知っていますか?

    張る=春で「春財布」って知っていますか?

春財布は新年に買う? 春に買う?

春といえば新年度開始の4月をイメージする人は多いですが、暦の上ではまだ肌寒い2月始めごろが春。新年にデパートやショッピングセンターに行くと、お財布コーナーを拡大しているところが多いのに気づいたことがある人も多いでしょう。春財布の購入時期には諸説ありますが、暦上の春である立春から啓蟄(けいちつ)までに買う財布のことを春財布と呼ぶことが多いようです。

ちなみに、2019年の立春は2月4日、啓蟄は3月6日です。今年こそはと金運アップを願うなら、この期間にお気に入りの財布を新調してみるのもいいかもしれませんね。

どんな財布を買うのがいい?

金運という縁起を担いで買うのですから、お金が貯まりやすいとされる財布を選びたいのです。そもそも春財布は中国の風水説の考えによるものとされているのはご存知でしょうか。風水では開運の基本は整理整頓であるといわれています。整理整頓することで「いい気」が流れやすくなり、運気が上昇するのだとか。

お財布も「いい気」が流れやすくなるように、二つ折りタイプよりも長財布のほうがいいと聞きます。これは、お札を伸ばして入れることができて、整理整頓をしやすいことが所以です。

また、お金が留まりやすいようにファスナーでしっかり閉じるタイプの財布がいいといわれています。ガバッと開くがま口タイプはお金が出て行きやすいそうですよ。

色は暖色系。「懐が寒い」という言葉がありますが、寒さをイメージさせる色は金運をダウンさせると聞きます。風水では黄色が金運を上げる色とされていますが、暖かなイメージの色であれば黄色にこだわる必要はないようです。

財布自体よりも使い方

これらの特徴を揃えた春財布。この記事を読んでくださっている方のなかには、金運上昇の願をかけながら既に選んだことがある人もいらっしゃるかもしれません。その結果、実際に金運が良くなった人、変わらない人、それぞれにいらっしゃるでしょう。

筆者もさまざまな方の財布を拝見したことがありますが、長財布、明るい暖色系、かつファスナーできちんと閉められる財布を使っていても、お金が全然貯まらないという人は実は少なくありません。

風水や春財布のいわれを信じるのは決して悪くはないですが、お金との縁があるかどうかは財布そのものの特徴よりも使い方。おみくじで大吉が出ても不運に合わないための戒めがあるように、春財布を買っても管理の仕方に気を配らないと、せっかく財布を替えても金運は上がってくれないと筆者は考えます。

貯まる春財布にするための管理術

これまでさまざまな人の財布を拝見してきた経験から言うと、お金に余裕がある人ほど財布の中がスッキリしている傾向にあります。風水の基本である整理整頓の効果かどうかはわかりませんが、財布の中がきちんと整理されていて、レシートなどでごちゃごちゃになっている様子がありません。

そもそも財布の中身を整理することは、自分のお金の使い方ときちんと向き合っているということが言えます。開運以上の効果があるのではないでしょうか。できれば毎日、少なくとも週に1回はレシートを財布から取り出して整理することで、買い物の内容を確認し、使ったお金について振り返りをしたいものです。

金運との直接の関係があるかどうかはわかりませんが、中身を全部取り出し、細かなホコリを掃ったり、お札の向きを揃えて入れ直す、期限切れの割引券や使わないポイントカードがないか確認するなど、愛情込めて財布を労わる行動がお金回りを良くすることにつながるのだと思います。

貯まる財布に入っているものは?

中身をパンパンに膨らませるのではなく、スッキリ整理され、手入れの行き届いた財布が実は春(張る)財布だということがおわかりいただけたでしょうか。

おすすめは、不要なレシートやカード類はもちろん、現金もたくさん入れないようにすることです。「お金は寂しがり屋だからお金のあるところに寄って来る」とは聞きますが、使う必要ないお金を財布に入れていても利息はつきません。使い過ぎの元になっても困ります。毎月必要となる現金の額を把握し、月に一度現金を入れたら翌月までその範囲で過ごすように心がけてみましょう。キャッシュレス化が進んでいる現在ですから、決して無理なことではありません。

キャッシュカードとクレジットカード、電子マネー機能の付いたポイントカードも持つなら厳選して1~2枚に集約させます。ポイントの分散も防ぐことができますし、支出の管理もしやすくなりますよ。

財布に願をかけるのもいいですが、まずは新年から1カ月間、いま持っている財布を整理しながら使ってみましょう。そしてお金と財布の管理が改善されてきたなと思ったら、前述した期間の縁起の良い日に金運の願いを込めて財布を新調してみるのもいいですね 。

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著者プロフィール: 續 恵美子

女性ファイナンシャルプランナーによるお金の総合クリニック「エフピーウーマン」認定ライター。ファイナンシャルプランナー(CFP認定者)。生命保険会社で15年働いた後、FPとしての独立を夢みて退職。その矢先に縁あり南フランスに住むことに――。夢と仕事とお金の良好な関係を保つことの厳しさを自ら体験。生きるうえで大切な夢とお金のことを伝えることをミッションとして、マネー記事の執筆や家計相談などで活動中。