2018年も、さまざまな魅力を持つデジタル機器や白物家電が登場しました。低価格でも充実した機能を持つコストパフォーマンスの高い製品が人気を集める一方で、高価ながらオンリーワンの特徴を持つ製品も話題になりました。そこで、「多少は値が張るけど、奮発してでも買いたい“ちょい高アイテム”」を、ライター諸氏にご紹介いただきます。

今回は、Mac古参ユーザーの早川厚志さんです。早川さんが狙っているアイテムは、4年ぶりに新モデルがリリースされた2018年版「Mac mini」。前モデルのMac mini(Late 2014)が税別48,800円~だったのに対し、新モデルMac mini(Late 2018)は税別89,800円~と大幅な値上げになりました。それでも新しいMac miniを買う価値はどこにあるのでしょうか?


Mac miniの新モデルが4年ぶりに登場

  • 新しいMac mini。本体カラーが「スペースグレイ」に変わり、精悍な印象に

私が現在メインで使用しているマシンは、Mac mini(Late 2014)です。主な用途は、日々の原稿書きやWebサイトの更新、SNSなどのほかに、撮影した写真の編集(主にRAWデータの現像)やDAWソフト「Logic Pro X」で音楽製作もしています。ただ、このMac miniは当時の最廉価モデルで、CPUが1.4GHzデュアルコアIntel Core i5、メモリが4GBと今となっては貧弱なスペックで、画像編集や音楽製作をするたびにパワー不足を感じていました。

そんなMac miniですが、前モデルの発売から4年も経過していたので、このままディスコンになるのかな……と思っていたところ、2018年10月に突然の新モデルが発表されて驚きました。本体カラーもスペースグレイになって精悍な印象ですごくカッコイイ! 「これ買おっかな」と反射的に思いました。

発売後にある海外サイトに掲載されたベンチマークによれば、Mac miniの下位モデルに搭載されるCPUである第8世代Intel Core i3(3.6GHzクアッドコア)は、2017年に発売された27インチiMac Retina 5Kディスプレイモデルの標準モデルに搭載される第7世代Intel Core i5プロセッサ(3.4GHzクアッドコア)よりも少し遅いぐらいの性能なんだとか。私にとっては十分なスペックです。

  • 新しいMac mini(右)と従来のMac mini(左)。本体サイズはW197×D197×H37mmで、新旧同じサイズです

価格は大幅に値上がり。前モデルの2倍弱に

ただ、大きな問題がその価格。Mac mini(Late 2018)の下位モデルは、CPUが第8世代Intel Core i3(3.6GHzクアッドコア)、グラフィックスがIntel UHD Graphics 630、メモリが8GB、ストレージが128GB SSDという最廉価構成で、税別89,800円(税込96,984円)。前モデルのMac mini(Late 2014)の最廉価モデルが税別48,800円だったことを思えば、大幅な値上げとなってしまいました。でも、このところiPhoneやiPadも10万円を軽く超えるなど全体的に値上げしているせいか、100,000円以下でMacが買えることが少し割安な気もします。私がいわゆる”Apple信者”だからかもしれませんが……。

4Kディスプレイを搭載したパワフルな「iMac」も気になるのですが、27インチのiMacだと下位モデルでも198,800円と、それなりに高いんですよね。現在、100,000円以下のMacは下位モデルのMac mini(Late 2018)と、型落ちながらも新品で販売されているMacBook Air(2017)(税別98,800円)の2モデルだけ。……となると、大きい画面で作業したい私が選ぶのはMac mini一択になるわけです。

画像編集や音楽製作などの作業で安定して動作させるためには、CTO注文でメモリを16GBに増やしておくべきなのでしょうが、そうすると税別22,000円が加算されて、税込み価格が120,000円オーバーになってしまいます。

ストレージだって128GBでは足りない気もしますし、できればMac mini(Late 2018)のボディカラーに合わせて、スペースグレイのMagic Keyboard(税別14,800円)とMagic Mouse 2(税別9,800円)も買い揃えてトータルコーディネートしたいところですが、いかんせん先立つものがない……。悩みに悩んでいたところ、今回、Mac mini(Late 2018)を少し借りることができたので、色々な作業をしてみたら、意外と8GBメモリでもそれほど問題ないという結論に至った次第です。いちばん安いモデルを買うことに意義があるんです(と理由をつけましたが、ホントはお金がないだけ)。

  • 新しいMac mini(上)と、従来のMac mini(下)。大きく変わったインタフェースは、Thunderbolt 3(USB-C)×4、USB 3.0×2、HDMI 2.0×1、ギガビットEthernetポート(10Gb Ethernetに変更可能)、3.5mmヘッドホンジャックを搭載

高性能な外付けGPUやSSDが使える

私がMac mini(Late 2018)を狙う理由はもうひとつあります。それは、Thunderbolt 3(USB-C)ポートを4基も搭載しているため、超高性能な外付けGPUや外付けSSDを追加できることです。Mac mini(Late 2018)の内蔵グラフィックスである「Intel UHD Graphics 630」は、性能が少々貧弱ということもあり、画像や映像編集などの作業ではGPUパワー不足を感じる可能性がありますが、サードパーティ製のeGPU(外付けビデオアクセラレーター)を追加することで、問題を解消できるというわけです。私自身、最近は映像編集をする機会が増えてきているので、もの足りなさを感じるようになった時点でeGPUを導入するのもいいなぁ……などと考えています。

なお、Mac mini(Late 2018)に付属するのは電源ケーブルのみですので、新規にMacを導入する場合は、キーボードとマウス、そしてディスプレイを別途購入する必要があります。私の場合、これまでもMac miniを使っていたので、Apple純正キーボード「Magic Keyboard」や同トラックパッド「Magic Trackpad」、ディスプレイ「Apple LED Cinema Dispaly 27インチ」はそのまま流用できます。ただ、ディスプレイは既に7~8年ほど使い倒しているせいか、ここ最近は始動直後に画面の下半分が映らないなど、ちょくちょくと不具合に見舞われるようになりました。しかも、このディスプレイをMac mini(Late 2018)で使う場合、USB-CからMiniDisplay Portへ変換するサードパーティ製のアダプタ(3,000円程度)が必要なんですよね。なんだか煩わしいので、いっそ新しい4K UHDディスプレイにスパッと買い換えたい……と言いたいところですが、iPhone XS MaxやApple Watch Series 4を買ったばかりということもあり、物欲と理性の間で揺れ動いています。

  • 自立しますが、スタンドを使った方が安定します

新しいMac mini、メモリやストレージに少々不安はあるものの、ここは潔く(?)一番安いモデルを購入することに決めました! お正月明けにも注文したいと思います! でも……あぁもっと予算が欲しい……(泣)。

Mac mini(Late 2018)を頑張ってでも買うべき人
旧モデルのMac miniに力不足を感じている人
iMacが高すぎると感じている人
ディスプレイキャリブレーションが面倒だと感じている人
Macに拡張性を求めている人
Mac mini(Late 2014)でも十分な人
映像編集など高負荷の作業をしない人
外にMacを持ち出して作業する人

著者プロフィール
早川厚志

早川厚志

フリーライター・写真家。1996年、Mac用の新着ソフト紹介サイト「新しもの好きのダウンロード」を開設して以来、Mac関連の書籍や雑誌の執筆に携わる。一方で、旅先等で撮影した写真をGetty Imagesなどのストックフォトで販売する。シンガーソングライターとしても活動中で、自身が作詞作曲したオリジナル曲の弾き語り(ギター・ピアノ)やMacを使った同期演奏で、月2~3回ライブ活動を行う。