小学生のころ、冬休みの宿題として「書き初め」を行った経験があるという人は多いはずだ。もちろん筆者もその1人ではあるのだが、当時は「宿題だからとりあえずやっとくか」と深い意味も考えず、数日後には何を書いたかすら覚えていないような状態だった気がする。
しかし今になって考えてみると、新年の目標や抱負、決意などを自らの手で紙にしたためるという行為は、とても有意義であるように思える。大人こそ書き初めをやるべきなのではないだろうか。事実、社内行事として書き初めを行っている企業があると耳にしたこともある。
そこで今回は、“大人の書き初め”に相応しい四字熟語をそれぞれの意味とともに紹介する。急に書き初めをやらなければいけないシチュエーションに遭遇したとき、ナメられないためにも、本稿で紹介する四字熟語はチェックしておいてほしい。
■精励恪勤 (せいれいかっきん)
力の限りを尽くして学業や仕事に励むこと。「精励」は力を尽くして努めること、「恪」はつつしむ意で、「恪勤」は真面目に一生懸命勤めること。
■盛徳大業 (せいとくたいぎょう)
盛んな徳と大きな事業を成すこと。「盛徳」は高くすぐれた徳、「大業」は社会的に価値や重要性がある大きな仕事を意味する。
■戒驕戒躁 (かいきょうかいそう)
驕らず焦らず騒がず、慎んで静かに堅実にやるのがいいという意味。
■緊褌一番 (きんこんいちばん)
気持ちを引き締めて事にのぞむこと。難事や大勝負などの前の心構えを言ったもの。「緊褌」は褌(ふんどし)を引き締める意。
■陰徳陽報 (いんとくようほう)
人知れず良い行いをする者には、必ずはっきりとした良い報いがあるということ。
■拈華微笑 (ねんげみしょう)
言葉を使わず、心から心へ伝えること。釈迦が霊鷲山(りょうじゅせん)で説法した際、花をひねり大衆に示したところ、誰にもその意味がわからなかったが、ただ摩訶迦葉(まかかしょう)だけが真意を知って微笑したという故事に由来する。
■実践躬行 (じっせんきゅうこう)
理論や信条などを、自身の力で実際に踏み行うこと。「躬」は自ら、自分での意。口だけでなく、実際に行うことの大切さを表す語。
■堅忍不抜 (けんにんふばつ)
どんなことがあっても心を動かさず、じっと我慢して堪え忍ぶこと。
■至誠通天 (しせいてんにつうず)
誠の心を尽くして行動すれば、願いは天に通じるということ。
■雲煙過眼 (うんえんかがん)
雲や煙がたちまち過ぎ去ってしまうように、物事を長く心に留めないこと。物事に執着しないこと。
新年の目標に適した、書き初めで書きたい四字熟語は見つかっただろうか。もちろん、今回紹介したもの以外にも、まだまだクールな言葉は世の中にたくさん存在しているはずだ。この機会に、自分の向かう先を明確にできるような言葉を探し、久しぶりに筆を執ってみてはいかがだろう。