今回のテーマは「アセット」です。金融関係で耳にすることが多い言葉ですが、近年、さまざまな使われ方をしているようです。
そこで本稿では、アセットがどのように使われているのか、例文や関連用語とともにご紹介します。
アセットの意味
アセットは、英語の【asset】からきているカタカナ用語で、主に「資産」や「財産」を意味するほか、「価値あるもの」「利点」「強み」という意味も持っています。
経済用語としてのアセット
主に、会社に将来的に利益を与えると思われる経済的価値のことをアセットと呼びます。現金や預貯金、有価証券、不動産といった換金性の高い資産がこれに該当します。
また、個人や企業が保有する金融資産の管理・運用を所有者に代わって行う業務のことを「アセットマネジメント」(資産管理)といい、その業務を請け負う人のことを「アセットマネージャー」といいます。
水道・土木事業におけるアセット
「アセットマネジメント」は主に金融業界で使われる言葉ですが、近年では、水道や土木事業でも用いられるようになりました。
老朽化に伴う損傷や劣化を事前に予測・把握し、随時適切な対策をうつことで安全かつ長期的に設備を利用できるよう管理することをアセットマネジメントと呼びます。
IT分野におけるアセット
IT分野では、デジタルで記録された画像や動画、音源やイラストといった素材は全て「資産」と考えられ、これら素材全般のことを「デジタルアセット」と呼びます。
また、どんな企業にもPC等で文書を作成すると思いますが、業務に必要なデータファイルもデジタルアセットです。
アセットロケーションとは
「アセットロケーション」とは、現金や預貯金、有価証券、不動産といった自分の資産を、どのように配分して持つのかということで、いわゆる「資産配分」のことを指します。 さまざまな形で資産を保有することで、一つの資産で損失が出たとしても他の資産が確保され、リスクの軽減に繋がります。ただし、アセットロケーションは単にリスク軽減のためではなく、かつリターンを増やすことも目的としています。
ヒューマンアセットとは
資産という意味を持つアセットですが、人材を資産として捉えた概念を「ヒューマンアセット」と呼びます。ヒューマンアセットが生み出す新技術などは、企業にとって大切なアセット(資産)になります。
ゆえに、ヒューマンアセットという資産をどれだけ大きく育て上げることができるかが、企業にとって重要なポイントと言えるでしょう。
アセットの例文
・現時点での我が社のアセットを洗い出してください。
・この技術が完成すれば、御社の重要なアセットとなるでしょう。
・我が社のデジタルアセットを、一度カテゴライズしましょう。
・古い橋のアセットマネジメントは大変重要です。
主に金融資産のことを指すアセットですが、素材や人材、技術力などもアセットになります。
どんな場面でも理解できるよう、広く「資産」という意味合いで捉えておくといいかもしれませんね。