家計簿をつけると決意しても、3日坊主であきらめた経験はありませんか? やってみたけど続かなかった……という人の多くは、今年こそと思って新年にスタートを切られたかもしれません。1年の始まりに新たな決意をするのは気持ちの良いもので、1年の幕開けとともにスタートすると家計管理もうまくいくような気がします。ところが実は、家計簿は新年に開始するのは挫折の元にもなりかねません。

  • 今年こそお金を貯める年に!

    今年こそお金を貯める年に!

新年に家計簿を始めるのは難しい!?

そもそも家計簿のつけ方にはこれといったルールはありません。しかし、案外、1円単位で細かく記帳しなくてはいけない、費目の分け方に決まりがあると思い込んでいる人が結構います。たとえば、友人とご飯を食べに行ったときに払ったお金は「食費」か「交際費」かで迷ったり、食費でもいわゆる食材とは別に「外食費」という費目を設けなくてはならないのかと悩んだり……。この小さなこだわりが挫折の一番の原因です。

実は、新年にはこのような挫折しがちな要因がいくつかあるのをご存知でしょうか。

・年末から年始にかけて支出が多く、レシートを見るのも面倒
・お年玉や初詣でのお賽銭・おみくじ等々、細かな現金支出が多く、費目も何にすればいいかわからない
・家族や親戚で集まることが多いため、あとでゆっくり記入しようと思っているうちに支出内容を忘れてしまう

新年早々このような状態なので、細かくきっちり書こうとすればするほど嫌になってしまうことが多いのです。

ほかにも、家計簿の開始日が中途半端な日にちになるのを嫌う人もいますよね。たとえば3日までは何かと細かな支出があるため1月4日スタートにしてもいいのですが、それではなんとなく気持ちがすっきりしないという人です。この日からやるぞ! と決めるのは好ましいことですが、大らかな気持ちで取り組むことも家計管理を続けるためには大切だと心得ておきましょう。

自分の家計簿ルールをつくる

それでは新年から家計簿をスタートするにはどうすればいいのでしょうか。前述したように、家計簿にはこれといったルールがありませんが、あえて言えば「いつ・何に・いくらお金を使ったのかを把握できるようにする」ことがルールです。年始に起こりがちな、「細かな現金支出が多くて忘れてしまう」という懸念があったとしても、自分である一定のマイルールを決めておけばいいのです。

たとえば、最近では普段の買い物のほとんどをクレジットカードで支払うという人が増えてきています。そういう人は、現金を使う場面はある程度決まっているでしょう。年始ならお賽銭やおみくじ類、年間を通してみても会社でのカンパ、時々使う自動販売機など。つまり、細かく記録しなくても下ろしたお金の使い道は大体わかっているわけですから、特に書かなくても良しとしてもいいのです。

ただし、ATMで現金を引き出す回数は月に1回か2回、金額は●円というルールは作ります。そして家計簿には、いつ・いくらお金を下ろしたかということを書き、下ろしたお金の範囲内で1カ月の現金消費をすると決めるのです。お年玉や、ご祝儀など、お付き合いである程度まとまった現金を下ろす機会があれば、それは「交際費」という費目にまとめるというように、自分なりのルールを工夫しましょう。

今年こそ家計管理を続けるためのおすすめの方法は?

家計管理は自分に合ったやり方をすることも大切です。ちょっと手間をかけるのが好きな人、まったく面倒を避けたい人などさまざまですが、家計管理を継続させるためのおすすめの方法を紹介します。

・ノート(手帳)に書く

書く作業が好きな人なら、ノートや手帳に使った金額と項目をささっと書き込んでもいいでしょう。もちろん市販の家計簿でも構いません。ただし、費目で迷って嫌になりがちですから、あらかじめマイルールを作っておきましょう。慣れるまでは「Aスーパーでの買い物」「Bコンビニでの買い物」というように、お店ごとに使ったお金の記録に留めておいても大丈夫です。

・家計簿アプリを使う

手軽に家計管理をしたい人におすすめなのが家計簿アプリです。レシートを撮影するだけで自動で支出記録をしてくれますし、毎月の収支や費目内訳のグラフも作ってくれて便利です。アプリの種類によってはレシピ提案をしてくれる、預貯金口座と連動させることもできるので、節約やトータルな家計管理に役立ちます。

・クレジットカード明細を利用する

クレジットカード利用が多い人にはカード明細を家計簿代わりに利用するのもおすすめです。細かな費目は載っていなくても、カードを使ったお店と金額の履歴が記載されていますから、食料品や日用品、洋服、娯楽などの大まかな内容や自分の行動パターンがわかります。

これだけは守りたい! 家計管理の掟

家計管理を成功させると決意するのは良いですが、家計簿をつけること自体が目的となってはいけません。そもそも家計簿の目的は、大雑把であってもお金の出入りを把握して、ムダな使い方があるかどうかを確認し、ムダがあれば改めることです。

そのためにも今年の貯金目標を立ててみましょう。毎月の貯金に回す金額を今までより少し多めに設定します。目標をクリアするためには、今まで以上の節約が必要ですから、削れる部分や見直しできそうなところを見つけなければなりません。自分に合いそうな管理方法を選んだら、その方法で最低でも3カ月は続けてみましょう。続けていくうちにコンビニでの買い物が多いとか、外食が多いなどの気づきが得られるでしょう。

目標をクリアしていくうちに家計管理も楽しくなってくるはず。家計管理を始めて少し経ったら、今年の年末の貯金目標を立てるのもいいですね。今年1年、楽しく、気楽に家計簿と付き合っていってくださいね。

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著者プロフィール: 續 恵美子

女性ファイナンシャルプランナーによるお金の総合クリニック「エフピーウーマン」認定ライター。ファイナンシャルプランナー(CFP認定者)。生命保険会社で15年働いた後、FPとしての独立を夢みて退職。その矢先に縁あり南フランスに住むことに――。夢と仕事とお金の良好な関係を保つことの厳しさを自ら体験。生きるうえで大切な夢とお金のことを伝えることをミッションとして、マネー記事の執筆や家計相談などで活動中。