2018年も、さまざまな魅力を持つデジタル機器や家電製品が登場しました。低価格でも充実した機能を持つコストパフォーマンスの高い製品が人気を集める一方で、高価ながらオンリーワンの特徴を持つ製品も話題になりました。

そこで、「値が張るので簡単には手を出せないけれど、奮発してでも買いたい“ちょい高アイテム”」を、デジタル&家電業界に造詣の深いライター諸氏にご紹介いただくことにしましょう。今回は自他ともに認める買い物王・物欲王のライター、ジャイアン鈴木さんです。


ども、物欲系ライターのジャイアン鈴木です。2018年は我ながらドン引きするほど新製品を買いまくっていたのですが、いちライターの収入では軍資金が続くわけありません。もちろんすごい勢いでドナドナしていました。というわけで買ったモノのほとんどが手元に残っていないのですが、そのなかでも超気に入って愛用し続けている製品があります。それがソニーのフルサイズミラーレス一眼「α7R III ILCE-7RM3」(以下、α7R III)です!

トリミングし放題の高解像、4,240万画素フルサイズミラーレス一眼!

α7R IIIは、高解像4,240万画素の35mmフルサイズ裏面照射型CMOSイメージセンサーを搭載したミラーレス一眼。2017年11月25日に発売されたα7R IIIを、筆者は2018年3月10日に購入しました。

発売日からかなり遅れてα7R IIIを購入するきっかけになったのが、2018年2月27日に発表、3月23日に発売された2420万画素フルサイズミラーレス一眼「α7 III ILCE-7M3」(以下、α7 III)。実売価格で税込み240,000円前後のα7 IIIを一度予約したのですが、数日後ふたたび家電量販店に訪問したときにα7R IIIの価格交渉をしてみたら、なんと税込み320,000円前後という提示が得られたんです。つまりα7 IIIとα7R IIIの価格差が80,000円だったんですね。

デジカメ売り場の片隅に移動して、巨体をよじりながら悩み抜いたのち、気が付いたらα7R IIIの箱を受け取っていました。

さて、α7R III最大の売りは解像力。α7R IIIで撮った写真の最大解像度は7,952×5,304ドットですが、筆者がWeb記事用に使う写真なら横1,000ドットもあれば十分なんですね。

  • α7R III+FE 24-105mm F4 G OSS SEL24105G

    α7R IIIに普段装着しているレンズは「FE 24-105mm F4 G OSS SEL24105G」。最短の撮影距離が0.38mとあまり寄れないレンズですが、トリミング前提であれば問題ありません

つまりα7R IIIで撮影しておけば、かなり大胆にトリミングしてもWeb記事に使えるんです。以前はイベント取材などで標準ズームレンズと高倍率ズームレンズをセットで持ち歩いていましたが、α7R III用には高倍率ズームレンズをそもそも買っていません。

欠点を思いつかないぐらい気に入っていますが、しいて挙げればレンズが高価なことです。カメラ本体と一緒に「FE 24-105mm F4 G OSS SEL24105G」(実売価格136,000円前後)、そして2018年10月に「VoightLander MACRO APO-LANTHAR 65mm F2 Aspherical」(実売価格101,000円前後)を購入しましたが、それ以上は増やせずにいます。散歩用のコンパクトなレンズと200mmあたりをカバーする望遠レンズもほしいのですが……。

  • α7R III+FE 24-105mm F4 G OSS SEL24105G

    RAW画像を「Adobe Photoshop Camera Raw 11.1 (Windows)」で現像しました。焦点距離:24mm、シャッタースピード:1/320、露出補正:1.30eV、F値:f/4.0、ISO感度:100。解像感ハンパないです

  • 普段は、仕事部屋の片隅に設置している撮影スペースでこんな感じで作業しています。α7R III導入以降、撮影の効率が大幅に向上しました

ボディーよりレンズに投資するのも正しい選択です

α7R IIIの購入を検討している方々が必ず比較するであろう製品は、筆者同様にα7 IIIでしょう。解像度はα7R IIIのほうが上ですが、ISO感度はα7R IIIが標準100~32000(拡張50~102400)なのに対して、α7 IIIが標準100~51200(拡張50~204800)と上回っています。

α7 IIIを細かく見ていけばコストカットされている箇所はいくつかありますが、メモリーカードスロットをデュアルで搭載するなど、プロが重要視する装備はしっかり押さえられています。筆者はボディーを優先しましたが、末永く使えるレンズに予算を振るというのも正しい選択です。

  • α7R III+FE 24-105mm F4 G OSS SEL24105G

    α7 IIIはαシリーズのベーシックモデル。α7 IIIとα7R IIIには、外観上ほとんど違いはないですが、α7 IIIはモードダイヤルのロック機構が省略されています

  • α7R III

    α7 IIIはトップカバー、フロントカバー、内部フレームに軽量かつ剛性の高いマグネシウム合金を採用していますが、背面の一部に強化プラスチックを用いてコストカットしています

α7R IIIを頑張ってでも買うべき人、α7 IIIでも十分な人

α7R IIIとα7 IIIのどちらを買うべきかは、価格ではなく、解像度と常用ISO感度のどちらを重視するかによると考えています。α7R IIIのほうが解像度は高いですが、α7 IIIのほうが常用ISO感度は高いんですね。暗所で撮る機会が多いならα7 IIIのほうが使い勝手がよいです。

また解像度が低いということは、それだけファイルサイズが小さいということにもなります。α7R IIIの最大解像度で写真を100枚撮ると、RAW形式では合計4.05GB、JPEG形式では合計1.30GBになります。メインカメラをα7R IIIに変えてからすごい勢いでストレージ容量が減っているのが悩みの種。いま6TBのデータドライブとバックアップドライブに写真データなどを保存していますが、2019年中にハードディスクを増量しなければならないかもしれません。

α7R IIIを頑張ってでも買うべき人
解像度が最重要
モニター/ファインダーも高解像度がいい
リセールバリューも大事
α7 IIIでも十分な人
常用ISO感度を重視
ストレージの消費を抑えたい
ボディーよりもレンズに投資したい

カメラが下手な筆者にこそ恩恵が大きい一台です!

写真撮影が下手な筆者にこそ、α7R IIIは恩恵が大きいカメラです。「絞り優先モード(Aモード)」に設定して被写界深度だけをコントロールすれば、あとはカメラまかせでOK。α7R IIIはフォーカスが超優秀で、ホワイトバランスもめったに狂いません。そして、ちょっと広めに撮影しておけば、いくらでもトリミングして、あとから構図を変えられます。ボディーやレンズ、その他、一式を合計すると2018年で一番大きな出費でしたが、ある意味コストパフォーマンスもナンバーワンの買い物でした!

著者プロフィール
ジャイアン鈴木

ジャイアン鈴木

PC、スマホ、VR、ドローン系を中心に手がけている物欲系ライター。「自分のモノにしてじっくり使わないと、製品の本当のよさはわからないよね!」と自分を騙して散財し続けています。銀行口座の残高的な負のスパイラルから、誰か助けてください。