「高速バス」や「夜行バス」に対して、「安く移動できる手段」というイメージを抱いている人は少なくないはずだ。もちろん、その安さと引き換えに、快適さなどの部分は我慢せざるを得なくなってしまう。
しかし、ここ数年、快適さを追求した豪華な「高速バス」や「夜行バス」が登場してきているのをご存知だろうか。今回は、出張や帰省の際の新たな選択肢として活躍してくれるであろう、ラグジュアリーなバスを紹介する。
わずか12席の贅沢空間「マイフローラ」
東京と徳島を結ぶ海部観光の「マイフローラ」は、最大で約50席配置できる車内にわずか12席のみを並べるという、たっぷり余裕を設けた座席配置が特徴。席はそれぞれカーテンで仕切られており、閉め切ってしまえば個室感覚でくつろげる。
車輌後方の化粧室は、着替えもできるほど広々とした空間に。パイル地のスリッパやおしぼりといったアメニティ、各席に設けられた小型テレビ、コンセントなど、快適な移動を最大限追求した空間に仕上がっている。運賃は、東京⇔徳島線で1万3,100~1万4,600円。
まさにVIP! 「グランシアファースト」
次に紹介するのは、VIP LINER(VIPライナー)が展開している最上クラスの「グランシアファースト」。東京駅・横浜駅を経由する埼玉・大宮⇔大阪・堺東間の夜行便に導入されている同車輌は、3列(最後尾のみ2列)×7列の全20席を備えている。
座席には、飛行機のビジネスクラスと同じ仕様のバックシェルシートを採用。それぞれの席に収納式のデスクと10.5インチの大型モニターが設けられている。車内は無線LANにも対応しており、全席にUSBコネクタも設置されているため、移動中に仕事をこなすこともできるだろう。運賃は、大宮⇔堺東線で5,000円~となっている(時期によって変動)。
完全個室型の高速バス「ドリームスリーパー」
関東バスと両備ホールディングが運行する「ドリームスリーパー」は、“心地よい眠り”と“上質なリラクゼーション”をメインコンセプトにした高速バスだ。車内はウェルカムアロマの香りで満たされており、乗った瞬間から高級感に溢れている。床は全面カーペットとなっているため、乗車前には靴からスリッパへと履き替える必要がある。カーペットは消臭機能を備えており、スリッパはそのままプレゼントされるとのこと。
各居室は扉とパーテーションで仕切られており、プライベートな空間が実現されている。高さ、リクライニング、フットレスト、全ての調節を電動で行える「ゼログラビティシート」に加え、枕、背面、座面、フットレストには昭和西川が開発した「ムアツクッション」を採用。眠るための環境がしっかりと整えられている。運賃は、東京⇔大阪線が2万円、東京⇔広島線は1万7,500円~、東京⇔福山線は1万8,500円~。
高速バスで最高の休息を! 「ReBorn」
WILLER EXPRESSが運行する「ReBorn」は、高速バスの「疲れる」というイメージを一掃し、「移動=休息」という新しい価値を提供してくれる。乗客を包み込むような形状のシートは、電動ゆりかごリクライニングの機能を有しており、最大傾斜は156度。フットレストとレッグレストが連結するため、ほぼフルフラットになる仕様だ。スライドする独自の構造により、後ろを気にせずシートを倒せるのも嬉しいポイント。
各席には、ブランケット、読書灯、アームレスト、コンセント、ドリンクホルダー、網ポケット、テーブル、荷物棚、靴置きを完備している。車内照明は就寝から起床まで徐々に明るさを調光し、入眠に最適な環境をつくりだす。運賃は、東京⇔名古屋線が8,800円~、東京⇔大阪線が1万800円~となっている。
スピードの面で飛行機や新幹線にはかなわないが、今回紹介したラグジュアリーなバスたちは移動時間を有意義なものにしてくれる大きな可能性を秘めている。ゆっくりと休息するもよし、仕事に打ち込むもよし。より快適な移動を求めている人は、ぜひ一度これらのバスを試してみてほしい。
※価格はすべて税込、片道料金