2018年も、さまざまな魅力を持つデジタル機器や白物家電が登場しました。低価格でも充実した機能を持つコストパフォーマンスの高い製品が人気を集める一方で、高価ながらオンリーワンの特徴を持つ製品も話題になりました。

そこで、「値が張るのでなかなか手を出せないけれど、奮発してでも買いたい“ちょい高アイテム”」を、デジタル&白物家電業界に造詣の深いライター諸氏にご紹介いただくことにしましょう。今回は、家電をレビューするためだけに一軒家を調達してしまったほど家電LOVEな石井和美さんです。

  • LG DUALWash

    LGエレクトロニクスの「LG DUALWash」


筆者が奮発してでも買いたい“ちょい高アイテム”は、LGエレクトロニクスの二層ドラム式洗濯乾燥機「LG DUALWash」です。

2018年は家電レビューのために一戸建て「家電ラボ」を開設し、冷蔵庫や洗濯機のような大型家電も実際に試せるようになりました。夏は家電ラボで、各社が誇る縦型洗濯機のフラッグシップモデルをいろいろと使ってみましたが、その進化は目を見張るものがありました。ガンコな汚れまで落ちるのはもちろん、衣類に合わせてさまざまなコースが用意されていたり、すすぎがしっかりできたり、お手入れがカンタンになっていたり……10年前の洗濯機とは使い勝手がまるで違いました。

2019年に、家電ラボでテストしようと思っているのはドラム式洗濯機です。2018年もたくさんのドラム式洗濯機が登場しましたが、年末にビッグニュースが。韓国ではすでに発売されていた「LG SIGNATURE DUALWash(エルジー・シグネチャー・デュアルウォッシュ。以下LG DUALWash)」がついに日本に上陸したのです。参考ですが、ヨドバシ.comでの価格は494,640円(税込)。がんばってお金を貯めても買いたい、唯一無二の「二層ドラム式」の洗濯機。今、1番欲しい家電なのです。

ドラムが2つ、同時洗濯も洗い分けも

LG DUALWashは、洗濯容量が11kg(乾燥容量は6kg)のメイン洗濯乾燥機の下にもう1つ、2kgのミニ洗濯機を搭載しています。洗濯と脱水で異なる槽を利用する「二槽式洗濯機」ではなく、上下に2つのドラム槽を持つ「二層」のドラム式洗濯乾燥機なんですね。2つの洗濯槽で衣類を同時に洗ったり、分けて洗ったり、さまざまな使い方ができます。

  • LG DUALWash

    本体下部からは、引き出しのようにミニ洗濯機が!

たとえば毛布やシーツ、衣類など大量の洗濯物も、上下2つの洗濯機で同時に13kgまで洗濯できます。洗濯物が少ない日なら、下のミニ洗濯機だけ使えば水と電力の節約にもなるでしょう。

汚れ落ちしやすいもの、清潔にしておきたい赤ちゃんの衣類、ペットなどの衣類を分けて洗いたいときも便利ですね。我が家には中学2年生の女子がおり、今のところ「お父さんのパンツと一緒に洗わないで!」という反抗期はないようですが、そんなお年ごろの娘さんがいる家庭では「洗い分け」機能が重宝されるかもしれません……。

このほか洗剤と柔軟剤の自動投入機能があり、自動投入用の専用ケースには、洗剤と柔軟剤をそれぞれ20回分(6kgの標準コース)までいれておけます。洗濯するたびに、計量カップで洗剤を計って投入する必要がないのも魅力です。

  • LG DUALWash

    液体の洗剤と柔軟剤をあらかじめ専用ケースにいれておけば、自動で衣類の重さから必要な洗剤や柔軟剤を計ってくれます

乾燥フィルターのお手入れが不要

地味ですが、乾燥フィルターの自動洗浄機能にとても惹かれます。通常の洗濯乾燥機で乾燥運転すると、フィルターにホコリが詰まってしまうため、こまめに掃除する必要がありますが、LG DUALWashでは不要。フィルターについたホコリは、熱風とジェット水流で自動洗浄するので、掃除する必要がありません。フィルター掃除の大変さを知っている人なら、この機能はグッとくるポイントではないでしょうか。

Wi-Fi対応で、遠隔操作できるのも便利。外出時に洗濯物をいれておけば、帰る時間に合わせて遠隔操作で洗濯をはじめられ、時間の節約になります。基本コース以外に、アプリからさまざまな洗濯コースをダウンロード可能。自動投入用の洗剤や柔軟剤がなくなったときは、アプリで通知してくれます。最近使用したコースや、月別に電気消費量も確認できるのです。

  • LG DUALWash

    アプリの使用イメージ

心配なのは置き場所。下のミニ洗濯機は引き出し式のため、防水パンがある場合は専用の板を置き、その上に設置するとのこと。背が高いので、蛇口の位置などで引っかかることもあるかもしれません。場所を選ぶ洗濯機だといえそうです。

他社のIoTドラム式洗濯乾燥機となにが違う?

2018年現在、洗濯槽が上下で2つある「2層式」のドラム式洗濯機は日本でほかにありません。ですが2018年は、Wi-Fi対応のドラム式洗濯乾燥機がいくつか登場しました。たとえば、日立アプライアンスの「ヒートサイクル 風アイロン ビッグドラム」(BD-NX120C)です。参考までに、ヨドバシ.comでの価格は364,000円(税込)でした。

9つのセンサーで衣類をセンシングし、洗濯物に合わせてきれいに洗う機能「AIお洗濯」を搭載しています。布量、布質、水の硬度、水温、洗剤の種類、布の動き、汚れの量、脱水具合などをみて、水位や洗剤量、洗い方、すすぎ回数などを判断し、最適な運転を行います。自分であれこれ操作する必要がなく、自動で洗濯モードを設定してくれるため、「どの洗濯コースにしよう」と考える手間がないのもうれしいところですね。高速の風でシワを伸ばし、アイロンがけの時間を短縮する「風アイロン」も、日立の独自機能で人気となっています。

ただし、BD-NX120Cのドラム槽は1つだけで、洗剤の自動投入機能もありません。この2点が大きな差といえるでしょう。

我が家は4人家族で洗濯物の洗い分けが多く、今1番欲しいのはLG DUALWashです。本体価格がかなりお高いのですぐには買えませんが、これからお金をコツコツ貯めるつもりです……。

LG DUALWashを頑張ってでも買うべき人
「洗い分け」もして、短時間で洗濯を終わらせたい人
毛布やシーツなどの大物をよく洗う人
通常のドラム式洗濯乾燥機よりもお高い(税込約50万円)ので、洗濯にお金をかけられる人
置き場所に余裕がある人
「ヒートサイクル 風アイロン ビッグドラム」(BD-NX120C)を買うべき人
洗い分けは必要なく、1つの槽で十分だという人
洗濯物に合わせて、洗濯コースを自動で設定してほしい人
なるべくシワなく乾燥させたい人

著者プロフィール
石井和美

大浦タケシ

白物家電のレビューを行う家電プロレビュアー。 2018年より家電をレビューするためだけの一軒家「家電ラボ」を開設。

自身でも「家電Blog」を運営する。