子どもから大人までみんな大好きなチーズケーキ。ネット限定で週に1回しか買えない、インスタ映え間違いなしのチーズケーキがあるって、ご存じですか? お取り寄せから実食、シェフインタビューまでレポートいたします!
ウワサのチーズケーキは、ネット上でのみ販売する完全予約制。それも、ネットショップアプリの「BASE」限定というのがそそられます。毎週日曜日の朝10時からその週の分の予約を受け付けると、あっという間に売り切れるという人気ぶりなのです。
手掛けているのが、田村浩二氏。レストランガイドブック『ゴーエミヨ』で2018年期待の若手シェフ賞を受賞するなど、1985年生まれという若手ながら、人気・実力を兼ね備えた人物なのです。
ネット販売のチーズケーキのブランドは、その名もズバリ「Mr.CHEESECAKE(ミスターチーズケーキ)」と潔い。人気シェフとはいえ、甘く濃厚なチーズケーキにはとっても弱く、また、ものすごく思い入れがあるらしい。
筆者もお取り寄せをしてみることにしました。どんなケーキがくるかな。なめらか系? それともしっかり焼いたベイクド系? と、ワクワクしながらアプリを見るともうSOLD OUT。次の予約開始日である日曜日を待ち、やっと注文に成功しました。数日後にクール便にて到着。ずっしりとした重さがなんだかうれしい。冷蔵庫に移しておよそ3時間。
ナイフを入れると、やわらかさにびっくり。よくケーキの形をとどめていられるな、と驚愕するほどのみずみずしさなのです。チーズの香りもよく、口に含むとクリームのよう。チーズのコクと控えめな甘さ。それを、レモンの酸味が追いかけてきます!
ところで、田村シェフはなんで「BASE」アプリでのネット通販に限定したのでしょう? 聞いてみることにしました。
――チーズケーキ誕生エピソードを教えてください。
もともと、趣味でチーズケーキを作っていました。それをインスタのストーリーに載せたところ、「食べてみたい」と評判になったことがきっかけです。しばらく、インスタのDMで注文管理していたのですが、手が回らなくなくなってしまいました。そのタイミングで、知人にBASEを紹介してもらったのです。
――こだわりポイントはなんでしょう?
クリームチーズとサワークリームをじっくり湯煎することです。ホワイトチョコにバニラとトンカ豆の香りを移し、レモンの酸味で爽やかさに仕上げます。自宅にいながら、レストランでデザートを食べているような儚い食感を出すために、何度も何度も作り方を改良しました。あまりのやわらかさのため、冷凍状態でしか配送できません。そのため、各ご家庭で解凍していただいても、品質がブレないレシピを完成させました。ロゴデザインや箱、商品写真などのパッケージ制作にもプロの力を借り、受け取った方に幸せを感じてもらえるように心がけました。
――今後の展開は何かお考えですか?
セカンドライン(ちょっとお手頃な商品)を出すなどして、せっかくチーズケーキの認知が揚がったので、もっと広めていきたいですね。「ミスターチーズケーキ」は、末長く愛されるブランドになるといいなと思います。食の仕事全般としては、フードテック(フード業界に変革を起こすテクノロジー)に大きな可能性を感じているのですが、システムやプログラムのプロはいても、“食のプロ”が関わっているケースは極めて低いようです。今後、自分は食の力で社会に貢献していきたいです。料理人や食に関わる人たちの待遇がよくなり、自由な選択肢のある働き方が増えればいいなと願います。
夢を見るような自由な発想で、新しいことを次々に考える田村シェフ。その根底には、食に対する愛情がたっぷり。チーズケーキの箱に添えられたカードからも、その思いが読み取れます。そしてやっぱり、将来的には自分の店を持ちたいという夢があるそう。「東京ではなく、地方がいいですね。それを模索するために、数年以内に地方で1年間限定のオーベルジュ(泊まれるレストラン)もやりたいと思っています」とのこと。今後の活躍にも期待しています!