ビーラボは12月18日に、香港のOrigami Labsが開発したスマートリング「ORII」を国内で発売しました。骨伝導技術を使い、指から骨を通じて音を伝えることで、スマートフォンに届いたテキストメッセージを読み上げるデバイスです。内蔵マイクを併用して、通話や音声アシスタント(アップルのSiriや、Googleアシスタントなど)も利用できます。ORIIは、4種類の交換リングが付属したS/M/Lの3種類を、23,800円(想定価格、税別)で販売します。
父はスマホを使いたくてもスクリーンが見えず、タッチ操作もできない
説明会では、Origami Labs CEO兼共同設立者のKevin Wong(ケビン・ウォン)氏がORIIが、生まれるまでのストーリーを語ってくれました。彼の父は13歳から視覚障がいを抱えたにも関わらず、社会的な壁を乗り越えるテクノロジストでもあるそうです。
スマートフォンを使うためにはタッチ操作で視覚が不可欠になるため、視覚に障がいがあると使えません。ケビン氏は解決策としてテキストを音で伝えるという発想がORIIの元になったといいます。
初期のプロトタイプでは、手のひらに付けたスピーカーを使って聞くものでしたが、音の明瞭度と音が漏れないことを重視して、骨伝導デバイスを使用。これも当初は大きいものでしたが、指にはめられるまで小型化することで、より小さな出力で十分な能力を持たせることができたそうです。
通常のBluetoothヘッドセットと異なり、腕を上げて耳のそばに手を添えるというしぐさは周囲の人に「電話をしている」というアピールとなり、万人に受け入れられやすいとも。
また、テキストメッセージを読み上げてくれる機能も搭載しており、届いたメッセージを違和感なく聞き取れるというのもポイントです。さらに、iOSのSiriや、Googleアシスタントにも対応しており、アシスタントの音声を周りに分からないように聞けるようにもなりました。ここはスマートスピーカーと大きく違うところです。テキストメッセージを音声だけで送ることもできます。
将来は、このデバイスで行える限界に挑戦したいとのこと。例として、ささやき声で伝えられる「ウィスパーモード」と、内蔵された6軸センサーによる「ジェスチャーモード」を紹介してくれました。デザイン面は、今回のバージョン1.0は完成していますが、ブランドコラボレーションを考えているそうです。
テキストメッセージに関しては、現在、LINE、SMS、Whatsapp、whchat、facebpplに対応。他のアプリも、リクエストと開発チームしだいで増やす意向です。音声発信は、今のところ標準的なアプリに限定されているものの、着信ならば限定しないそうです。