現在、近藤誠也五段、杉本昌隆七段、藤井聡太七段が6-0でトップ! ここで、順位戦C級1組で6-0の成績となった棋士の昇級期待度を探ってみました。

12月18日、第77期順位戦C級1組8回戦の全19回戦が東西の将棋会館で行われます。

現在トップを走るのは6勝0敗の3人。順位が上の棋士から、近藤誠也五段、杉本昌隆七段、藤井聡太七段です。

  • 左から藤井聡太七段、杉本昌隆七段、近藤誠也五段

    左から藤井七段、杉本七段、近藤五段

※これまで7回戦を終えて6局しか指していないのは、各棋士1局ぶんの「抜け番」があるためです。それぞれ10局指しますが、最終戦は「第11回戦」になります。全39人中3人しか全勝がいないのですから、見た目には昇級まであとちょっと、と考えてしまいそうですが、ちょっと待ってください。それって本当ですか?

少なくとも当の全勝者3人は、そうは考えていないのではないでしょうか。

何といっても昇級枠はたった2人。順位戦では全勝者が昇級枠の人数を超えた場合は全員昇級という決まりがありますが、今期は上記3人の中でこれから直接対決が予定されている組み合わせがあるので、全勝者が3人出る可能性はありません。この時点で、3人が順調に勝っていったとしても1人は昇級できないのです!

では、6-0棋士の昇級確率はどれくらいなのか? 百聞は一見にしかず。ここで、平成に入ってからの29期分の順位戦C級1組において6-0となった棋士の最終成績、および昇級が叶ったかどうかの表をご覧いただきます。

こちらです。

  • 29期分の順位戦C級1組において6-0となった棋士の最終成績、および昇級が叶ったかどうかの表

35人中23人が昇級、12人が昇級ならずという結果でした。昇級確率は約2/3。5-0棋士の昇級割合を調べたら1/2でしたし、始まる前が2/39である長丁場の順位戦においてはかなり確率が高まっているという見方もできますが、逆の見方をすれば6戦全勝でも3人に1人は昇級できていないのです。

今期は、10回戦(ラス前)で近藤五段―藤井七段戦が組まれていますし、杉本七段は18日の8回戦で真田圭一八段、10回戦で船江恒平六段という、逆転を虎視眈々と狙う「5勝1敗勢」との対局が控えています。3者とも絶対有利の状況でありながら、絶対ひとつも落とせないという状況が続きます。

また、直接対決はありませんが、杉本七段と藤井七段は皆様ご存じの通り師弟の関係。両者の心境はどのようなものでしょうか。

18日に行われる19局は全対局が名人戦棋譜速報で、全勝者3人の対局を含む注目局が将棋連盟ライブ中継で見ることができます。

また、AbemaTVでは、藤井聡太七段―門倉啓太五段戦が放映されます。

終盤戦に入った順位戦C級1組、ほぼ1カ月ごとに1局を消化してゆき、来年2019年3月5日に最終11回戦が行われます。

全勝者、1敗者が有利なことに間違いはありませんが、昇級を狙える棋士たちにとってはこれからが本当の正念場と言えるでしょう。昇級をつかみ取るのは、誰になるでしょうか。

リーグ表はこちらです。※「成績順に並び替え」を押すととてもわかりやすいですよ。