有村架純主演のTBS系火曜ドラマ『中学聖日記』(毎週火曜22:00~)がきょう18日に最終回を迎える。女性教師と男子中学生による禁断の純愛を紡ぎ上げてきた本作。有村と、本作で鮮烈な芸能界デビューを果たした相手役の岡田健史、本作を手掛けた新井順子プロデューサーが、改めて本作の撮影を振り返り、このドラマの醍醐味について語った。

  • 有村架純主演『中学聖日記』

    有村架純主演『中学聖日記』第11話(最終回)の場面写真

原作は漫画雑誌『FEEL YOUNG』(祥伝社)で連載中のかわかみじゅんこによる同名コミック。片田舎の中学校に赴任した女性教師・末永聖(有村)が、婚約者のある身でありながら、10歳年下の中学生・黒岩晶(岡田)と恋に落ちる。

周りから猛反対され、2人は一旦引き離されてしまうが、運命に導かれた2人は3年後に再会し、共に愛を誓い合う。第10話の最後では、聖が警察に連行されるというショッキングな展開を迎えたが、果たして聖と晶の禁断の恋は、どういう結末を迎えるのか?

――いよいよ最終話となりますが、これまで演じたなかで、難しかったシーンについて教えてください。

有村:聖が自分の気持ちに嘘をついてごまかしながら生きなければいけなかった6、7、8話は通して難しかったです。自分で言っていることや見せているものとは裏腹な気持ちをずっと抱えていたので、すごく苦しかったし、しんどかったなという印象が残っています。

聖が学校を離れて3年間、いろんな時間を過ごしてきて、千鶴先生(友近)がいてくれたからまた小学校の先生として勤めることができました。すごく恩があるのに、またそれを裏切ってしまうのかと。

聖にもいろいろな事情があり、ただ、晶くんを思っているだけでは済まされないという、葛藤みたいなものを表現するのが難しかったです。どのシーンでも、本当は晶くんのことを思っていることが、観ている人に伝わればいいなと思っていました。

岡田:自分にとってはすべて大切なシーンばかりだったので、毎回全力で取り組ませてもらいました。そんな中、思い浮かんだのが、9話で有村さんを乗せて2人乗りをするシーンです。真っ直ぐに走らなきゃいけなかったけど、横風がすごくて。後ろに聖ちゃんを乗せているので、めちゃくちゃ揺れるんですが、体幹を使って自転車をこいだことを覚えてます。

また11話で、高校生になった晶が、久しぶりに感情が激昂させるシーンがすごく難しかったです。ただ単に暴言を吐くとか、声を大きくするとかだと、中学生の子どもっぽさが出ちゃう。どうしたら3年の月日を経て、晶が怒っているんだと見せられるのかと。相手役の台詞もちゃんと聞かないといけなかったので、いろんなところが大変でした。

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――相手の演技から自分自身も引き出されたと感じたシーンはありましたか?

有村:どのシーンでも、岡田くんは本当に真っ直ぐ、目を見てくるから逃げられないんです。そういう晶くんの真っ直ぐさに気持ちがもっていかれそうになりつつ、自分の理性の揺れ動きが常にありました。だから1つをピックアップするのが難しいのですが(苦笑)。

8話で聖と晶が再会した時、聖が自分の気持ちとは違うことを晶くんに伝え、晶くんから「がっかりしました」と言われるんですが、リハーサルの時から涙が出て、ずっと泣いてました。

思ってもないことを言って、自分の好きな人からそんなふうに言われ、彼に見放されるというか、彼を失望させてしまったという情けなさに悔しくなって。私は何をやっているんだろうという気持ちになりました。その時の晶くんの悲しい切ない顔が忘れられないです。

岡田:1話で、聖先生が授業で教えてくれた漢詩の意味を晶がわかるシーンです。先生が自信をなくした上に、晶が暴言を吐いたりもしているから、「先生、やめないですよね」と心配をするシーンでした。

晶と聖先生とのやりとりで、僕は台詞をついポロッと言っちゃうくらいのイメージでいたのですが、その時、有村さんが想定外なリアクションをされたことにすごく驚いて。有村さんが少し涙ぐまれたんです。それは想定外なリアクションで、僕は岡田健史として思わず「すごくきれいだな」と思っちゃいまして。それは晶として必要のない感情でしたが。そういう瞬間は、他のキャストのみなさんとのシーンでもたくさんあったのですが、そのやりとりは、そのなかでも印象的だったシーンの1つです。

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――終わってみて、改めて感じる、『中学聖日記』の魅力とは?

有村:まず映像が美しいです。ロケ撮影が多かったので、スタジオではできない美しさが表現できたのではないかと。運良く風が吹いたり、雨が降ってきたりと、偶然の天候も演出してくれた気がするし、どこも逃したくないと思わせてくれたのがこの作品の魅力かなと。

表情だけじゃなく、手の先から足先まで、周りの空間なども何度か見て、確かめたいと思わせてくれるドラマだったのではないかと。

岡田:演じている時も思っていたけど、改めてクランクアップしてから感じたことは、誰かを好きになることに年齢や職業、立場などは関係ないということでした。そこを聖と晶から学びました。観ている人たちも、そういうことを考えるきっかけになってくれるようないい作品になったと思います。

――このドラマを撮り終えてみて、お二人の間で、戦友みたいな絆は生まれましたか?

有村:毎シーンそうでしたが、さらっと終わるシーンは1つもなくて。台詞の1つ1つもそうですが、台詞がないところも感情を紡いできた気がします。特に晶くんとのシーンはすごく充実していたと思うし、こうしたい、ああしたいと大きく話すこともなく、今回は相手から来るものを受けることに徹したいと思っていましたが、そういった意味でも、とても信頼できる方でした。

岡田:本当に何もかもが未熟な自分を、有村さんは晶として受け入れてくださいました。僕ができないことが多くて、何度も監督に粘ってくれて撮ったシーンもたくさんありますが、有村さんは嫌な顔ひとつされなくて。本当に尊敬しています。

――最後に、新井プロデューサーからも、最終回の見どころについて聞かせてください。

新井:禁断の恋で連行された聖が、晶くんとの恋を貫けるかどうかが問われる最終回です。1話からずっと「禁断の恋」と言ってきたんですが、ドラマとしてショッキングな恋愛を描きたかったわけではなくて。

出会った当初は年齢や立場で許されなかった2人が恋に落ち、3年後に、高校生と28歳の女性との恋となっていきます。その2人がどう試練を乗り超えて、どういうラストを迎えるか。最後にみんなが、幸せに生きるための選択をしていくので、それを見届けていただきたいです。

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