インターネットイニシアティブ(IIJ)は12月14日、エンジニア向けの勉強会イベント「IIJ Technical NIGHT vol6」を開催した。6回目となる今回は、IIJがオープンベータとして提供中のサービス「Machinist」(マシニスト)についての解説が行われた。

最近はRaspberry Piのようなシングルボードコンピュータも安価に手に入ることもあり、センサーを付けてデータを収集する程度ならば、個人でも比較的安価かつ容易に開発できるようになってきた。しかしIoTにおいて問題なのは、収集したデータをどう活用するか、どのように可視化するかが悩みのタネとなっている。

  • Machinistの開発者であるIIJ IoT基盤開発部の猪俣 亮氏

そこでIIJが提供を開始したのが「Machinist」だ。このサービスはネットワークを介してデータを送ることで、データの可視化と値の監視を行ってくれるサービスだ。現時点ではオープンベータという扱いで無料でサービスが提供されており、アカウントごとに利用できるデータ数は10メトリックまで、1カ月のデータ保持が行える。

  • Machinist Webサイト

Machinistではとにかくデータはラベルを付けて送りつければ、サービス側できれいな形のグラフとして可視化してくれる。この時にデータに属性情報を付与したり、複数のメトリックを1つのグラフにまとめてカスタムチャートを作成することも可能。

  • 少々見えづらいが実際にデータを読み込むデモ。IoT機器からMachinistにデータを読み込む際はこのような感じでデータを指定する

  • 読み込みが開始すると自動的にグラフ化してくれる。Excelでグラフを作るのと感覚自体はさして変わらない

また、複数のメトリックを表示するためのダッシュボードも作成できるので、例えば数カ所に設置した温度センサーのデータだけを1つのダッシュボードで管理したり、温度と湿度のセンサーからのデータを1つのチャートにまとめて、さらにそれをダッシュボードに集めて比較するのも容易にできる。

  • 複数のグラフをまとめて管理できるダッシュボード画面。表示したいメトリクスを指定するだけなので極めて簡単

また、閾値を指定してメトリックの監視を行い、条件がマッチしたり、状態が変化した時にアクションを指定できる。今のところ設定できるアクションはメール送信だけだが、将来はSlackなどのチャットツールと連携したり、任意のWeb APIへリクエストできるようにするといったことなどを想定しているという。

チャートやダッシュボードは第三者と共有もできるが、このときはランダムなURLが吐き出されるだけでなく、IPアドレスによるアクセス制限も設けられるなど、セキュリティ面もしっかりしている点はIIJらしい。