• シロカ

    新製品とともにポーズをとるのは、シロカイメージキャラクターに就任した池田航さん(写真左)と関根ささらさん(写真右)

シロカといえば伊賀焼土鍋を使った炊飯器や、0.2秒で瞬間発熱するトースター、コンパクトなミル内蔵全自動コーヒーメーカーなど、意欲的な調理家電を数多く発売している家電メーカーです。そんなシロカが12月13日、調理家電の新製品を2つ発表しました。

1つ目はありそうでなかった、鍋としても使える電気ケトルこと「おりょうりケトル ちょいなべ SK-M151(以下、ちょいなべ)」。2つ目は、進化したトースター「プレミアムオーブントースター すばやき」です。

  • シロカ

    今回発表された2製品。右が鍋にもなる電気ケトル「おりょうりケトル ちょいなべ SK-M151」。左が「プレミアムオーブントースター すばやき ST-2A251」。写真のすばやきは2枚焼きだが、4枚焼きの「ST-4A251」もある。カラーは2枚焼き・4枚焼きともに白と黒を用意

鍋と電気ケトルが融合、ココまで便利に

最近は電気ケトルを利用している家庭も増えています。電気ケトルの魅力は、ガスよりも素早く熱湯を沸かせる点や、卓上に置けるコンパクトさ、そしてケトル部分を持ち歩けるところにあります。そんな「電気ケトルの魅力」をそのままに、コンパクトな鍋としても使えるようにしたのがちょいなべです。

  • シロカ

    電気ケトルにも1人用鍋にもなる「おりょうりケトル ちょいなべ」。ケトル部分が平たい珍しい形状の調理器具です

ちょいなべはヒーターや操作部がある本体に、アルミ製の平形ケトルをのせています。ヒーターはシーズヒーターを採用しており、最大容量である水1Lなら5分~6分ほどで沸騰します。また、コーヒー1杯分の目安である140mlのお湯なら約60秒で沸かせます。これは現在シロカが販売している通常の電気ケトルと同じくらいのスピードだといいます。

  • シロカ

    ケトル(写真左)、ヒーター本体(写真中央)、フタ(写真右)の3パーツに分かれます。ケトル部分だけをヒーターから外して使えるので、手軽にとり回しできます

  • シロカ

    フタ部分はロック機能を搭載。写真のように赤いパーツが見えているときはロック中で、ケトルをどれだけ傾けてもフタは外れません。ロックとロックの解除は、赤いパーツ部分を押すだけで操作できます

  • シロカ

    ケトル部分はアルミをフッ素加工した軽い素材。また、ケトル底は中央が少しくぼんだ形状。テーブルにケトルを置いても、リング上の周囲部分しかテーブルと接しないため、机を傷めにくくなっています

ちょいなべ最大の特徴は、分離するケトル部分が鍋としても使える平形をしていること。このため、1人用の鍋として利用したり、コンロを使わずに加熱調理をしたり、レトルトのパウチを入れて温めたりといった調理が可能です。さらに、加熱温度を40度から100度まで自由に設定できるので、たとえば内部に水を入れて40度に温度を設定し、日本酒の燗をひたして「ぬる燗」にしたり、チーズフォンデュをとろとろの状態に保ったりできます。ただし安全上、ヒーターは設定温度になってから1時間でOFFになる仕様。このため、長時間加熱する場合は、1時間ごとに電源を入れなおす必要があります。

  • シロカ

    会場に展示されていたトマトのスープ。電気ケトルなのに、調理もできるのがちょいなべの魅力です

  • シロカ

    40度から100度まで温度を調整できるので、チーズフォンデュの保温などができます。このほか、レトルトカレーなどのパウチを湯煎加熱するといった使い方も想定しているそう

また、ちょいなべのもう1つの魅力が「洗える」こと。電気ケトルはケトルにセンサーが搭載されていたり、電熱コイルが配置されたりしていて水洗いできないものが多くあります。たとえ水洗いできても、ケトルの注ぎ口が細く、洗いにくい形状なこともあります。ちょいなべの場合、ケトル部分はフッ素加工されたアルミ製なので、丸洗い可能。注ぎ口も洗いやすい形状です。

より早く、よりおいしくなったトースター

2つ目の新製品は「プレミアムオーブントースター すばやき(以下、すばやき)」です。シロカは2年前の2016年に、0.2秒で発熱するグラファイトヒーター搭載トースター「ハイブリッドオーブントースター」を発売しています。このときの発表会では、工学院大学の先進工学部応用化学科の山田昌治教授が登壇し、パンをおいしくトーストする条件は「高火力で素早く表面をカリッと焼き上げ、中心部は水分を残してフワフワもちもちに仕上げるために、可能な限り加熱時間を短くする」ことだと話していました。

  • シロカ

    プレミアムオーブントースター すばやき(2枚焼き)。シンプルでスタイリッシュなデザインです。黒と白の2カラーを用意

すばやきは、前モデルのハイブリッドオーブントースターを改良し、より短時間でトーストが可能になりました。前モデルでも、6枚切りの食パン1枚を約2分という短時間でトーストできました。ところが、すばやきは、6枚切りの食パン1枚を最短1分でトースト可能(2枚焼きのST-2A251で焼いた場合)。冷凍したパンも80秒ほどで焼けるといいます。今回の発表会でも登壇した山田教授によると「トースト時間がより短くなって、さらにおいしいトーストが焼けるようになった」そうです。

  • シロカ

    会場では、すばやきで焼いた食パンを試食できました。4枚切りのトーストで、外はカリッとしているのに、中はモチモチ!

  • シロカ

    手でちぎると、ふわふわの中身がモチーッと伸びるほど弾力があります。ちなみにパンの銘柄は「超熟」(パスコ)。スーパーで手軽に買えるパンがここまでおいしくなるとは!

短時間でトーストできるようになった理由は4つあります。1つ目はヒーターの種類をグラファイトヒーターから、より火力の強いカーボンヒーターに変更したこと。カーボンヒーターは、前モデルのハイブリッドオーブントースターで採用していた「0.2秒で瞬間発熱するグラファイトヒーター」より立ち上がりは遅いといいます。とはいえ、全体の発熱量は大きいため結果的にトースト時間が短くなったのです。

  • シロカ

    透明の管にらせん状のヒーターが格納されているのがカーボンヒーター。前モデルで使用していたグラファイトヒーターよりも発熱量が大きいそう

2つ目は、庫内に熱を乱反射させるディンプルをデザインして、より効率的に熱を拡散できるようになったこと。さらに、上下のヒーターに反射板を搭載(2枚焼きモデルのみ)することで、熱を素早く食材に伝えられるといいます。

  • シロカ

    四角い凸凹が熱を反射させるディンプル。2枚焼きモデルのみ、上下ヒーターの壁側に、湾曲した鏡面の反射板を搭載しています

3つ目は扉のガラス面に、熱の放射を防ぐミラーガラスを採用したこと。これにより、庫内の熱が逃げにくくなりました。このミラーガラスは、加熱中にヒーターが光ると内部が見えるようになっているため、「パンの焼き色を確認しながら加熱」することも可能です。

  • シロカ

    前モデルは透明なガラス扉でしたが、新モデルは熱を逃がしにくいミラーガラスに。ヒーターが点灯すると中が見えますが、使用していないときは鏡のように反射します

4つ目は循環ファンにより、庫内に風を起こし、食材を熱風で包み込むように加熱できること。ちなみに循環ファンは、前モデルのハイブリッドオーブントースターにも搭載されていた機能です。

このほかすばやきでは、本体の扉が外せるようになりました。トースターは扉と本体のヒンジ部分にパンのカスが溜まりがちですが、扉を外すことで掃除しにくいヒンジ周りもキレイにできます。外した扉部分は丸ごと水洗い可能。惣菜などを温めなおすと油で汚れるガラス部分も、いつも美しい状態でキープできそうです。

  • シロカ

    扉部分は外して水で丸洗い可能。ガラス部分は汚れが目立ちやすいパーツでもあるので、これは嬉しい改良点です

さらに、背の高い食材を焼けるようになったことも魅力です。トースターの多くは、扉を開くと焼き網がせり上がりながら飛び出てくる構造になっています。このため、庫内の高さよりも低い食材しか焼けない製品がほとんど。すばやきは、焼き網を水平に引き出すので、庫内の高さを有効に利用できます。前モデルのハイブリッドオーブントースターは6cm未満の食材に対応していましたが、すばやきは8cm未満の食材に対応しています。具材の多いピザパンなども安心して焼けそうです。