声優とアイドルのハイブリッドユニットi☆Risのデビュー6周年記念ライブ「i☆Ris 6th Anniversary Live ~Lock on♡ 無理なんて言わせないっ!~」が11月7日、東京・TOKYO DOME CITY HALLにて開催された。登壇者はi☆Ris(山北早紀、芹澤優、茜屋日海夏、若井友希、久保田未夢、澁谷梓希)。

今回のライブはi☆Risメンバー自身が構成に携わり、ライブ全編を通してストーリー仕立てになっているという珍しい内容となった。「i☆Risの歌とダンスと笑顔は、どんなに疲れた人もたちまち元気にさせてくれる! さあ、i☆Ris、ライブスタート。出動だ!」。スタートするやいなや、声優・中尾隆聖の声が響き渡る。

舞台中央に設置された大きな階段の上から、それぞれのメンバーカラーがあしらわれたミリタリー風衣装に身を包んだi☆Risが登場。開幕「Special Kiss」で元気いっぱいにスタートを切ると、「Ready Smile!!」「i☆Doloid」までノンストップで駆け抜けていく。そして、MCをはさみ、「ミラクル☆パラダイス」を披露。

ステージを縦横無尽に使ったパフォーマンスに酔いしれていると、会場を不穏な声が包む。先ほどの開幕ナレーションでも聞き覚えのある声だが、そのトーンは暗く沈んでいた。その声の正体は「ネガティブオーラ」。プラスの感情を食らい、ネガティブな感情に変えてしまう邪悪な存在だ。ここから、本格的にストーリーが動いていくことになる。会場がTOKYO DOME CITY HALLという、特撮に縁がある場所だけに、ヒーローをほうふつとさせる流れで進行していく。

明るく楽しいライブを取り戻すために歌われた「幻想曲WONDERLAND」では「あれ~? ここどこだろう」のおなじみの問いかけに「TDCホール!」とレスポンスが入る。客席からも、ネガティブな感情に負けないよう、これでもかといったパワーが伝わってくる。

そして、「暗闇だって大丈夫」「だって私たちは」「ヴァンパイアレディ!」のセリフとともに流れ出したイントロは「Vampire Lady」。吸血鬼を模した振り付けで会場を盛り上げていくが、次第にi☆Risメンバーの仲はギスギスしてしまう。

メンバーはステージを去っていき、残されたのは山北と渋谷。「ファンのみんなに大人の格好良さをアピールしよう」とふたりのデュエット曲「Believe in」を歌唱していく。そう、ここからはデュエットコーナーだ。

続いて登場したのは芹澤、久保田のペア。「かわいさ担当」のふたりは、ネガティブオーラをメロメロにしようとかわいさアピールをしつつ「Love Magic」を歌う。そして、歌唱力担当の茜屋、若井は「流星」をしっとりと歌い上げていく。

i☆Ris6人がそれぞれの迷いを打ち消していきながら、「鏡のLabyrinth」を歌い、それぞれの心をひとつにしていく。「一人ひとりの魅力を合わせたこの6人で、みんなの歌の力を届けよう!」とリーダーの山北が叫び、「Raspberry night」「Memorial」を連続で披露していいく。そして、デビュー曲の「Color」や「§Rainbow」「ドリームパレード」と続く。

とうとう歌の力でネガティブオーラを撃退することに成功したi☆Ris。「尊い」という感情を知ったネガティブオーラは、ポジティブオーラへと姿を変えていく。そして、「Happy New World☆」を歌い上げ、最後には6人全員で「ロックオン、無理なんて言わせない」の叫びで本編を締めくくった。アンコールでは、メンバー全員がメインキャストを務める『プリパラ』の人気曲「Make it!」を披露。「アメコイ」「Goin'on」を歌い上げ、無事に6周年デビューは幕を下ろした。2019年4月よりツアー「i☆Ris 5th Live Tour 2019 ~FEVER~」の開催も決定したi☆Ris。彼女たちなら、どんなネガティブも吹き飛ばしてしまう。そう感じたライブステージだった。

photo:Yosuke Kamiyama、Yasuyuki Kimura