JR北海道はこのほど、北海道新幹線と在来線における冬期の雪対策の状況を公表した。在来線においては、排雪モータカーロータリーなどによる機械除雪を行うとともに、機械では除雪できない場所も多いため、全道各地の駅構内で1日あたり1,100人規模で除雪係員が昼夜を問わず除雪作業を行っているという。踏切部分は自動車の通過によってフランジウェイ部(列車の車輪が通過する部分)が圧雪で埋まってしまうことから、全道各地の約1,450カ所の踏切で昼夜を問わず手作業による除雪を行う。
北海道新幹線においては、新函館北斗駅始発の上り列車が台車周りに着雪したまま新青森駅以南へ走行すると、気温の上昇にともなって雪塊が落ち、高速で周囲に飛散して沿線の建物などを損傷する危険性があるため、あらかじめ線路上の雪を少なくする対策として、毎日未明に走行する確認車に除雪装置を装着し、レール面下70mmまで除雪を行う。この後さらに、レール面下100mmまで除雪できるブラシ式除雪装置を走行させ、線路上の雪を極力少なくするように努めているという。
除雪機械も各地に合計130台を配備。今年度はこのうち、在来線用の排雪モーターカー1台の取替えと新幹線用の排雪モーターカーロータリー1台の追加導入を実施した。
排雪モーターカーは、モーターカーの先頭部にラッセル装置を取り付け、線路上の雪を脇へ押しのける機械。排雪モーターカーロータリーは、排雪モーターカーにロータリー装置を取り付け、雪をかき寄せて遠くへ飛ばせるようにした機械。その他、高速で作業できるラッセルモーターカーや新幹線の高架橋で使用する雪捨車を配備し、冬期の安定輸送確保に備えるとしている。