この1年ほどでスマホの大画面化がグッと進み、2年ほど前までは主流だった持ちやすい軽さのスマホはもはや絶滅危惧種に――。調査会社のBCNが、このような衝撃的な調査データを発表しました。

  • いまだ根強い人気を誇るiPhone SEのような小さく軽いスマホは、もはや絶滅危惧種といえる

まず公開されたのが、スマホの画面サイズ別の販売台数比率データです。

2年前の2016年11月の時点では、当時の最新モデル「iPhone 7」(4.7インチ液晶)のヒットもあり、4.5~5インチ未満のゾーンが大きな比率を占めていました。その後、ファーウェイ・ジャパンの格安スマホ「HUAWEI P10 Lite」(5.2インチ液晶)のヒットで5~5.5インチ未満のゾーンが一時的に比率を高めたものの、2017年秋に登場した「iPhone 8(4.7インチ液晶)」のヒットで再び4.5~5インチ未満の小型モデルのゾーンが盛り返しました。

  • 画面サイズ別の販売台数比率のグラフ。新iPhoneの登場もあり、この秋から6インチ以上の大画面モデルの比率が急上昇している

流れが大きく変わったのが、今年の秋に登場した新iPhoneの存在です。iPhone 8の後継となる「iPhone XR」が6.1インチの大型液晶を採用したことで、6インチ超のゾーンが急伸。スマホの大画面化の流れが鮮明になりました。

重量も増加しています。2017年秋に登場したiPhone 8は、背面にガラスパネルを採用したこともあって重量が従来の130g台から140g台に増え、2017年10月あたりから140~150g未満のゾーンが急増。さらに、今年の秋に登場した新iPhone XS/XS MaxやiPhone XRが軒並み170gオーバーになったことで、9月から170g超のゾーンが急増しています。

  • 重量別の販売台数比率のグラフ。2017年秋のiPhone 8の登場を受け、140g未満のゾーンが急激に縮小していた。新iPhoneの登場で、170g超の重量級ゾーンが急増した

この結果、かつてのiPhone 7(約138g)と同等クラスの重さのスマホは、わずか3.4%ほどの構成比となってしまいました。2年ほど前の2016年11月は45.2%、新生活シーズンに重なった2017年3月は53.6%もの構成比があったので、このような扱いやすい重さのスマホはもはや絶滅危惧種になったといえるでしょう。

スマホは高度なゲームや写真表示、動画再生などの利用が増えており、大画面の製品が好まれるのは自然な流れといえます。ただ、扱いづらくなる重量アップはどのユーザーも望んでいないことであり、重量増の流れはぜひ食い止めてほしいところです。