阿蘇市、竹田市、JR九州は5日、「JR豊肥本線を活用した観光振興のための協定」を“県境”ならびに“官民”の枠を越えて締結し、豊肥本線を活用した観光振興について共同で検討を深めるための取組みを行っていくと発表した。

  • JR九州のD&S列車「あそぼーい!」

2016年の熊本地震の影響により、阿蘇地域をはじめさまざまな箇所において災害が発生し、その影響で不通となっている国道57号や豊肥本線は復旧の見通しが立っていない。この現状の中で、熊本県阿蘇市と大分県竹田市は県境を越え、協働して観光復興に向けて取り組めないかと検討を深めてきた。両市としてはJR九州に対し、一刻も早い豊肥本線の復旧等をはたらきかけると同時に、現在の状況の中で豊肥本線を生かして観光振興を図っていくことも検討事項として優先すべきではないかと考え、JR九州を加えた三者での協定締結に至ったという。

また、2019年にラグビーワールドカップの試合が大分・熊本両県で、2020年には東京オリンピック・パラリンピックが開催される。これにより、インバウンドが増加するこのときを好機と捉え、九州中央で阿蘇市と竹田市が訪日外国人旅行者の受け皿になるべく、JR九州と官民協働により豊肥本線の復旧後を見据えたしくみづくりを構築しながら、同線の利用促進や地域交流による活性化を図るとしている。

具体的取組みとしては、豊肥本線の利用促進を図るべく、D&S列車「あそぼーい!」や「九州横断特急」を活用したさらなる利用促進、JR九州レールパスによるインバウンドの利用促進などを進める。地域交流による地域活性化策として、阿蘇駅・豊後竹田駅を中心としたJR各駅からの着地型商品造成や二次交通の整備、二次交通を利用した地域活性化を挙げている。さらに、国への支援なども求めながら、2019年度を初年度とする3カ年のスパンで阿蘇・竹田の観光地域づくりを進め、九州中央のディスティネーションの位置を確立するとしている。