JR東日本千葉支社は8日、新小岩駅の総武快速線ホーム(3・4番線ホーム)に設置されたホームドアを報道関係者らに公開した。千葉支社管内では初めてのホームドア導入だという。

  • 新小岩駅の総武快速線ホームに設置されたホームドア。12月8日の初列車に合わせて使用開始となった

新小岩駅は2面4線のホームを有し、1・2番線ホームに中央・総武緩行線、3・4番線ホームに横須賀線・総武快速線の列車が停車する。2017年度の1日平均乗車人員は7万6,565人。同駅では既存の改札内コンコースの東京寄りへ新たに自由通路を整備し、駅周辺の回遊性・利便性向上を図る南北自由通路整備事業が進められており、今年6月に南北自由通路が暫定開業。2019年夏頃の完成をめざすとしている。

南北自由通路の整備にともない、総武快速線ホームも一部を高架橋構造とするなどの改修が行われ、あわせて列車との接触事故や線路への転落事故を防止するための対策として、国と東京都、葛飾区の協力の下、ホームドアも導入されることになった。新小岩駅は特急列車やホームライナーが停車しない駅であり、15両編成あるいは11両編成の列車が停車した際、グリーン車も含めたドアの位置が一定であることも、総武線の他の駅に先駆けてホームドアを設置する要因のひとつになったという。

ホームドア工事は2017年2月に着手し、今年8月下旬に本体設置工事が行われた。当初は10月下旬に使用開始予定だったが、無線通信装置の調整のため延期となり、12月8日の初列車から使用開始している。ホームドアは3・4番線ホームにそれぞれ15両編成分を設置し、1号車・11号車および増結1号車・増結4号車の運転台側2カ所は従来より広い開口幅に対応した多段式ホームドアを採用。グリーン車2両(4・5号車)のドア位置にも対応した。

  • 先頭車の運転台側2カ所は従来より開口幅の広い多段式ホームドアを採用

  • グリーン車の乗車口にもホームドアが設置されている

新小岩駅では2011年度以降に事故が相次いだ時期があり、総武快速線ホームの端に青色LEDの照明が設置され、ホームの屋根も青い光が入るように工夫されたほか、柱に鏡を設置し、ベンチの向きも変えるなど、さまざまな施策を実施してきた。これらの多くは今後も継続するという。一方、今回導入されたホームドアについては、あくまで接触事故・転落事故防止を主眼に置いていると説明があった。

この日の初列車は、3番線ホームが5時10分発の横須賀行、4番線ホームが5時16分発の成田空港行。初列車に合わせてホームドアも使用開始した。報道公開では新小岩駅長の鹿島義行氏がインタビューに応じ、「ホームドアの実現にあたり、地元のお客様から多大なご支援をいただきました。本日無事に使用開始でき、皆様に感謝しております。新小岩駅では南北自由通路の整備も進めており、まちの顔となるよう今後も努力してまいります」と述べた。

  • ホームドアが設置された新小岩駅の総武快速線ホーム(3・4番線ホーム)の様子など