11月13日、ブリッジ・シー・キャピタルが新時代の不動産投資クラウドファンディングサービス「CREAL(クリアル)」の提供を開始した。同サービスは、情報収集や資金調達など不動産投資に関わるさまざまな障壁を簡略化し、少額で手軽に大型不動産を対象とした投資も可能にしてくれるという。

12月3日には第1回目の投資受付をスタート。開始3分で募集総額3,658万円の調達を完了し、勢いを見せる同サービスは、従来の不動産投資クラウドファンディングサービスと何が違うのだろうか。

  • 新しい時代の不動産投資とは?

    新しい時代の不動産投資とは?

不動産投資の問題点に着目

資産運用に関心がある人の中では、株や不動産など、「より実感を得やすいリアルなもの」への関心が強い人の割合が多いという。しかしその一方で、不動産投資に対するイメージは「専門知識の習得や物件選定に時間と手間がかかる」「投資額が大きいため借金や大型資金が必要になる」「情報格差が大きく“怖い”印象が強い」といったものも多く挙がるのが現状だ。

そこで同社は、不動産投資のハードルを下げるためのサービスとしてCREALをリリースした。ここからは、そのサービスの大きな特徴を紹介していこう。

1万円から気軽に投資可能

CREALは、1口1万円からの投資が可能となっている。ここが不動産現物投資やREIT(不動産投資信託)とは一線を画する特徴だ。また、申し込みや契約、分配金支払いなどのやりとりはすべてオンライン上で完結。資金を多く確保できない人でも、貯金感覚でカジュアルに活用できる可能性を秘めている。さらに、投資した物件の賃貸収入は毎月配当されるというのも嬉しいポイント。

物件・投資者の「顔」が見える

同じく小口資金で始められる投資「ソーシャルレンディング」では、投資対象すら不明確な場合や、償還遅延の事例なども出てきている。しかし、CREALでは、不動産投資において重要な判断基準となる物件の所在地や立地環境はもちろん、豊富なデータや画像、動画までをも用意し、投資対象物件の詳細をクリアに開示。

新築のホテルや老人ホーム、保育園など、社会的に必要性が高いと言えるアセットを提供しているのも興味深い。ちなみに第1号案件は、浅草エリアに位置する新築の「ホテルアマネク浅草吾妻橋スカイ」。投資対象はすべて不動産ではあるものの、多様なアセットへ分散投資が可能であるというところもハードルを下げるのに一役買っていると言えるだろう。

  • 入力項目の簡素化など、洗練されたユーザーインターフェースも大きなアドバンテージに

    入力項目の簡素化など、洗練されたユーザーインターフェースも大きなアドバンテージに

出口の固い商品で安定した利回りを提供

同サービスは、「優先劣後スキーム」を採用している。リターンの源泉である賃貸収入(インカムゲイン)と売買益(キャピタルゲイン)を分離し、投資持分を優先と劣後で切り分けているのである。つまり、「損失が出た場合はCREALの運営元が優先的にその分を負担する」という仕組みになっているのだ。ソーシャルレンディングなどと比較するとリターンの水準は低くなるが、大きく損をする可能性は極めて少ないと言えるだろう。

第1号案件の投資期間は24カ月で、利回りは4.2%とのこと。やはり利回りは決して高いとは言えないが、一方でオープニングキャンペーンを開催するなど独自の取り組みを行っている点にも注目したい。

同キャンペーンの内容は、12月27日17:00までに合計10万円以上の投資申込を完了すると、投資金額の1~2%が還元されるというもの(上限は100万円)。また、第1号案件に5万円以上の投資をした方には、アマネクが運営している全ホテルにて10%割引サービスが受けられるという優待も。

  • メールアドレスとパスワードの登録さえ済ませればファンドの詳細が確認できる

    メールアドレスとパスワードの登録さえ済ませればファンドの詳細が確認できる

同社は、東京都で初となる「不特法(不動産特定共同事業法)2号電子取扱業務」のライセンスも取得している。これにより、他社商品をCREALのプラットフォームで販売できる仕組みを構築。大手不動産会社が展開する不特法第1号商品も取り扱うことができるため、大規模オフィスなどの伝統的な投資対象不動産や、機関投資家しかリーチできなかったような投資商品がラインナップに加わってくることも大いにあり得るはずだ。

「TATERU Funding」や「FANTAS funding」、「Renosy」などに続き「CREAL」が新たに登場したことで、不動産投資クラウドファンディングサービスはますます盛り上がりを見せることだろう。魅力的な案件が出てきたときにすぐ投資できるよう、各サービスを自分なりに吟味し、口座開設だけでも済ませておいて損はないかもしれない。