多様なライフスタイルが生まれてくる中で、最近はホテルを自宅として利用する人も増えてきています。マンションや、戸建てではなく「ホテル暮らし」という新しいスタイルの気になる費用面や、住み心地などをご紹介していきます。
そもそもホテル暮らしとは何か
ホテル暮らしとは、文字通り特定の住居を持たず、ホテルに滞在する生活のことを指します。非日常的な空間、また、旅行時の宿泊先として使用されるホテルですが、そこを生活拠点とし、ホテルのサービスを享受しながら暮らしていくことが可能なのです。
短期賃貸マンションなどで、光熱費などが込みの場合がありますが、その更に上の領域といっていいでしょう。掃除なども、当然ホテル側で整えてくれるので、もしかすると、生活スタイルによっては大きなメリットを得られるかもしれません。逆に言えば、特殊なスタイルですので、全く向いてない人もいるでしょう。
ホテル暮らしのメリット
では、ホテル暮らしのメリットとは、具体的にどんな事が挙げられるのでしょうか。一見すると「コストが高そう」、「優雅な生活ができそう」など、表面的なイメージが先行してしまいますが、実際どうなのでしょうか?
光熱費などの諸費用がインクルードされているこのメリットはイメージがしやすいのではないでしょうか。ホテルでの滞在中、水道光熱費や生活用品の心配をすることは、ほとんどないと思います。当然、ティッシュペーパーを買う必要も、清掃をする必要も基本的にはありません。
賃貸契約や、自分で購入した住居に住む場合は、家賃のほかに水道光熱費や安比などの生活にかかる費用が絶対に発生するので、全てが含まれているホテルは快適な空間だといえるかもしれません。また、朝食が付いてくるホテルもたくさんあるので、もし、食費を考える場合にも、賢い選択となり得ます。
コンシェルジュによるサポート体制忙しい生活をしている方は、自宅にハウスクリーニングなどのサービスを活用することもあるでしょう。ホテルであれば、お手伝いさんを雇わなくても常駐のコンシェルジュがいるので、希望すれば毎日ピカピカのバスルームや室内で生活をすることができます。
また、さまざまなものが、ほぼ新品の清潔な状態で毎日使用できるのはかなり気持ちいいのではないでしょうか。さらに、追加料金となりますが、クリーニングや、夜食のルームサービスなどを24時間利用できるのも、コンシェルジュがいるからこそのサポート体制です。
立地が良いホテルがあるようなエリアは都心エリアの場合が多いので、通勤は便利になるのではないでしょうか。当然、タクシーがいつでも待機していますし、徒歩圏内でさまざまな場所に行けるでしょう。
また、生活拠点をひとつのホテルにしている場合は、荷物などを届けてもらうこともケースによっては可能なようです。しかし、住民票の登録はできないので、注意が必要かもしれません。
セキュリティの安心感常に誰かが見張ってくれるので、プライバシーにも配慮されているホテルが多く、賃貸や購入した自宅よりも、場合によってはセキュリティ面で安心できるのではないでしょうか。近所付き合いなどで、余計なストレスをかけたくない! という人にも、お互いのプライバシーが完全に守られているホテルの方がいいのかもしれませんね。
24時間誰かがサポートしてくれる見落としがちですが、ドアマン、レストランスタッフなど、あらゆるスタッフが、基本的に24時間体制でサポートしてくれます。誰かが常にいてくれるというのは、安心ですし、精神衛生上もいいかもしれませんね。
ホテル内の充実した設備を使えるトレーニングジム、プール、レストランなど、ホテルに併設されている施設を使用することが可能です。外出しなくても、ホテル内でほとんどの事が解決できてしまうのは、出不精の方にとってもセキュリティを気にする方にとっても大きなメリットになるでしょう。
ホテル暮らしのデメリット
ここまで、利点ばかりをお伝えしてきましたが、当然ホテル暮らしにおけるデメリットも存在します。ホテル暮らしにおける不便な点は以下が挙げられます。
どうしてもコストが高くなる前述したようなサービスが整っている一流のホテルを選んで生活をしようとした場合、決して安くない費用がかかります。
たとえば、1日1万円の宿泊費用がかかっていたとすると、約30万円の費用が1か月でかかってきます。この費用が安いと感じるか、高いと感じるかは当然個人差があります。自分のライフスタイルと照らし合わせ、価格を判断する必要がありそうです。
ホテルによっては、長期滞在すると割引になるようなケースがある場合も。交渉してみる余地はありそうです。
キッチンスペースがない(キッチンが小さい)ホテル暮らしではどうしてもキッチンの問題が発生します。ホテルには、室内にキッチンスペースを確保していない場合があります。長期滞在可能なホテルでキッチンが用意されていたとしても、満足なスペースとはいえないケースがほとんどでしょう。
そうなると、自炊のペースは減ってしまい、外食をするしかなくなってしまいます。健康的な食生活を守るためには、自分自身で厳しく管理していかなければいけないかもしれません。
廊下の音などが聞こえる場合がある居住用として造られていないホテルの部屋は、廊下の音が大きく聞こえるなど、壁が住居と比べると薄めに造られていることがあります。チェックインやチェックアウトが頻繁にあれば、その都度、室内クリーニングの音などが騒音として感じてしまうかもしれません。
照明が暗い間接照明などを多用している可能性が高く、明るい室内ではない場合があります。リラックスした滞在を演出するためには勿論、重要な事ですが、日常生活を行ううえでは不便に感じる瞬間があるかもしれません。
乾燥しやすい一般的に乾燥しやすい場所が多いといわれています。一流のホテルであれば、加湿器や空気清浄機が完備されているので、大きな心配をする必要はありませんが、ホテル暮らしを考える際には、事前に確認をしておくことが重要でしょう。
洗濯が手間に感じるかもクリーニングに関しては、ランドリーサービスなどが利用できますが、下着などを出すことに抵抗がある場合、少し面倒かもしれません。部屋で手洗いをすることになってしまえば、ホテル暮らしの利点を潰してしまうので、デメリットといえるでしょう。
大きな荷物を持っての移動はできない通常の引っ越しと同じように、大きな荷物や大量の荷物を持って、一度に移動することは難しくなるので、自然とミニマリストとして生活をする必要が出てきます。
ホテルで暮らしていこうと考える際には、同時に身辺の整理も少なからず必要になってくるでしょう。収納スペースなどはホテルにはほぼないものと考えておくほうがいいと思います。
ホテル暮らしの予算
ホテル暮らしの予算については、滞在するホテルによって大きく左右されますが、宿泊費用が1万円の場合には月に30万円がかかります。朝食以外を外食で済ます場合にはこれに加え、食費が必要になります。しかし、シャンプーやトイレットペーパーなどの生活必需品の購入は基本的に要らないでしょう。約30万円〜50万円の予算が必要と覚えておくといいかもしれません。
ホテル暮らしが向いている人と向いていない人ファミリー層で大きな荷物などがある場合には、あまりホテル暮らしが向いているとはいえないかもしれません。一人暮らしの場合に、ホテルでのメリットを最大限享受できるのではないでしょうか。
ホテル暮らしのメリット・デメリット まとめ
ホテル暮らしに関しては、ライフスタイルによって向き不向きがハッキリと分かれる暮らし方となります。住居をマンションや戸建てという従来の形にとらわれず、自由な発想で考えてみるのは、新しい考え方として新鮮です。状況によってはホテル暮らしの方が豊かな生活ができる可能性があるので、ご自身やご家族の現状と照らし合わせて検討してみるのもいいのではないでしょうか。
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