引っ越し先の物件が決まったら、次はどんな方法で引っ越しをするか、計画を立てましょう。
一人暮らしの引っ越しは、荷物の選別や梱包だけでなく、さまざまな手続きを自分で済ませなければならないので慌ただしくなりますよね。新居を借りる費用や、家具、家電、日用品の買い替えなどで出費もかさむので、引っ越しの費用はできるだけ抑えたいところです。
今回は、一人暮らしの引っ越し方法と注意点、事務手続きのスケジュールなどを通じて、引っ越しをおトクに段取りよく進める手順をご紹介します。
一人分の引っ越しの方法とは
自分で荷物を運ぶ
新居が今住んでいる所から遠くない場合や、引っ越し費用を抑えたいなら、車を手配して自分で荷物を運ぶと安く済ませられるでしょう。一人で運びきれない荷物は、知人に手伝ってもらえると、なお助かりますよね。予算として、レンタカー代やガソリン代、知人へのお礼金などを計算に入れておきましょう。
4月の新年度に向けた1月~3月の引っ越しシーズンは、引っ越し会社の予約が詰まっていることも多く、予定通りの日程で引っ越しができないこともあります。自分で運ぶなら、ある程度は日程の自由が利くこともうれしいポイントですね。
レンタカーを借りる場合は、荷物の量や車の返却までの時間を計算しておいてください。一度で荷物が積み込めない、返却予定時間に間に合わない、といった想定外のハプニングが起これば追加費用が発生しかねません。また、レンタカーを引っ越し先の地域にある店舗で乗り捨て返却ができるかの確認も大切です。
自分一人でも、知人に手伝ってもらう場合でも、引っ越しに関するプロではないでしょうから、荷物の取り扱い、部屋の壁や床の損傷、周辺環境への配慮など、想像以上に注意が必要です。万一、貴重品や物件を破損してしまうと、結果的にお金がかかる場合があることも念頭に作業を進めましょう。
知人に引っ越しの手伝いを頼む場合、気を遣うことも多いものです。手伝ってもらったお礼に食事やお酒をごちそうすると、思ったよりも支払いが高くなることもあるので、お礼代も予算に含めて検討しましょう。
宅配便で荷物を送る
実家を出て一人暮らしを始める方は、自宅から持ち出す荷物は身の回りのものだけになるかもしれませんね。その場合、荷物がダンボール数個におさまり、宅配便を利用して引っ越しを済ませられるかもしれません。
荷物をできるだけ少なくするためには、実家から持ち出す食器類やタオルなどの生活用品は最小限にして、生活を始めてから必要な分を買い足していくといいかもしれません。また、大きな家具や家電などは買う時に購入した店舗の配送サービスを使って、新居に配達してもらいましょう。
集荷・配送の時間を指定できれば、引っ越し予定を立てやすいのでメリットといえるでしょう。宅配業者によって料金設定はさまざまなので、荷物を梱包した箱のサイズや数を予想して検討してみてくださいね。
引っ越し業者に依頼する
荷物が比較的多い、手伝いをお願いできる人がいない、引っ越し先が遠いといった場合は、プロの力に頼むと安心です。引っ越し業者の多くは、一人暮らし向けのプランを用意しているので、数社から見積りをもらって比較するのがおすすめの方法です。
次からは、引っ越し業者に依頼する場合を詳しくご紹介していきます。
引っ越し業者に頼む場合のポイント
引っ越し業者の一人暮らし向けプランには、大きく分けてふたつの方法があります。
ひとつめは、家族向けの引っ越しと同様、トラックを貸し切って荷物を運ぶものです。一人暮らし向けプランは家族向けの引っ越しと比べてリーズナブルに提供するための工夫がされています。引っ越し業者はコンパクトな軽トラックを使用してみたり、最小限の作業員で対応したりするなどの方法で、価格を抑えているようです。
さらに、コンテナや専用ボックスに引っ越しの荷物をまとめて詰め、他の引っ越しのコンテナと一緒にトラックに積んで運ぶサービスなら、もっとリーズナブルになる可能性があります。
引っ越し料金は基本的に、荷物の量や移動距離、時期や日にち、時間帯などによって大きく変動します。さらに割増料金やオプション料金なども加わります。引っ越し業者によって見積り額が万円単位で違ってくることもあるので、各社から見積りが届いたら、ぜひ項目ごとの金額を比較してみてください。高い設定の項目は、交渉次第で値下げが実現するかもしれませんよ。
荷造りや荷ほどきを自分で行うと費用は抑えられますが、荷造りから荷ほどきまで一括して依頼することもできます。忙しくて準備に時間が取れない場合や、作業を少しでも楽にしたい方にはおすすめです。また、オプション料金はかかりますが、エアコンや洗濯機の撤去や設置、ゴミ分別など、引っ越しに関連する作業でお願いできることもあるので、相談してみるといいでしょう。
いずれの場合も、引っ越しのプロに作業をお願いするので、下準備から搬出・搬入、後片付けまでの作業がスムーズに進行します。建物や家具・家電に傷がつかないよう養生もしっかりしているので、破損の心配が少ないことが大きなメリットです。
事務手続きを早く済ませるには
一人暮らしの引っ越しの手続きは、自分でしなければならないことが多くて大変ですよね。実家を出て一人暮らしをはじめ、引っ越しは久しぶりという方、忙しい仕事の合間に手続きを片付けたい方はぜひ、最低限抑えておきたい手続きのスケジュールを立ててみてください。早めの手続きが必要なものや、手続きに期限のあるものなど、時間軸で把握していれば、慌てず漏らさずに引っ越し手続きを終えることができるでしょう。
1か月前までに解約申告
賃貸契約の内容にもよりますが、一般的には退出希望日の1か月前に口頭もしくは文書で伝えるよう決められています。1か月前の申告期限を過ぎてしまうと、追加で家賃を請求される場合もあります。最後の月の家賃は一旦全額支払い、日割り計算で退出後の日数分の家賃を返金してくれる場合もあります。これも契約内容を確認しましょう。
インターネット回線の検討
インターネット回線やプロバイダの移転、または解約、新規契約の手続きには、意外と時間がかかる場合があるようです。引っ越し先が決まった時点ですぐに検討をはじめましょう。
引っ越しの14日前まで今の住まいを管轄している役所で「転出届」を出し「転出証明書」を発行してもらう今と異なる市区町村へ引っ越す場合は、転出の証明が必要です。基本的に、受付時間は平日の日中ですが、市区町村役所・役場によっては土曜窓口や郵送での申請を受け付けてくれる場合もあるので、あらかじめチェックしておきましょう。手続きには、本人確認書類と印鑑を忘れずに持参してください。
1〜2週間前までに転居届を出す
郵便局の窓口に置いている転居届のハガキやウェブサイトから申し込めば、1年間、旧住所あての郵便物などを新住所に無料で転送してもらえます。転送開始希望日を引っ越しの前日に指定しておくと、引っ越し直前に郵便受けを確認し忘れても新居に届いていることになるので安心です。受付完了から転送開始まで1週間程度かかる場合があるので、早めに届けておくとよいでしょう。
水道、電気、ガス、固定電話の停止
各種インフラの停止手続きは、電話やインターネットでできます。できれば1週間前までには連絡をしておきましょう。水道、電気の停止には立ち会いは不要ですが、ガスの閉栓作業には立ち会いが必要な場合もあるので、引っ越し当日の段取りと合わせて、事前に打ち合わせをしておくとスムーズです。
14日以内に転出証明書と転入届を出す
引っ越し前に旧住所の役所でもらった「転出証明書」を新住所の役所に提出し、転入の手続きを行いましょう。引っ越してから14日以内と決められているので忘れずに。転入届けを出すことで、住民票の住所も変更されます。
その他、各種手続き
運転免許証は住民票を持って管轄の警察署へ。その他、生命保険、銀行口座、クレジットカード類なども住所変更を忘れずに行いましょう。また、忘れがちなのは、通販サイトなどのアカウント登録です。旧住所に荷物を発送してしまわないように気をつけましょう。
予算と労力のバランスと、段取りがキモ
一人暮らしの引っ越しの場合の方法や手続きの段取りをご紹介してきました。引っ越しにかける費用と自分が負担する労力のバランスで、自分に合いそうな引っ越し方法を探してみてください。また、忙しい中で手続きをするので、うっかり手続き漏れがないように、時間軸での予定表を立ててみてくださいね。
※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。