俳優の北大路欣也がこのほど、フジテレビ系年末時代劇スペシャル『剣客商売 手裏剣お秀』(21日21:00~23:12)の取材に都内で応じ、撮影を終えての心境を語った。
江戸時代屈指の剣の達人であり、剣を世渡りの手段(商売)としながら、軽妙洒脱に生きる秋山小兵衛の人生と事件を描いた、池波正太郎氏原作の同作。2012年に北大路主演で単発ドラマとして復活し、今回は3年ぶり新作の第5弾となるが、久々の撮影に北大路は「共演のメンバーと再会できるのはうれしいですね。時々メールで『どう?』って連絡はしますけど、会って皆さん元気そうで楽しくやってる姿を見ると、やっぱりうれしい」と感想を語る。
そんな中、今作にはサブタイトルにもなっている女剣士・杉原秀役で、比嘉愛未が出演。手裏剣の達人という役柄で、比嘉は「難しかったです」とコメントしているが、「いやぁ上手だった。腰がシュッと入っててね。リズム感がないと相手との間合いを合わせることもできないけど、今の方はダンスが得意だからね」と感心して見ていたそうだ。
他にも、若いキャストに対して、「もう『あっ、すげぇなぁ!』ばっかりだった。ものすごいみんな真面目なので刺激を受けるし、わだかまりのない吹っ切れた雰囲気を現場で感じるんです。若い人は羨望の的ですよ!」と絶賛した。
自身が演じる秋山小兵衛に対しては、「僕はこういう大人になりたいと思うんです」と尊敬。「人との接し方、相手の人が何を言ってるのかをよく解釈して理解して、答えを出してるでしょ? 聞く耳を持ってる大人の人になりたいんだよね。なれないんだけど(笑)」と、憧れの気持ちを持ちながら演じていることを明かした。
近年は、地上波での時代劇の放送が減っているが、「ちょんまげ付けたり、刀差したりしていれば時代劇なんだけど、そんな感じが全くないんだよね。人と人が接しているというのは、今も1000年前も100年前も変わらない気がする。だから、特別なことをやってるという意識はない」という心境で撮影に臨んでいるそうで、「僕の中では、時代劇も現代劇も、映画もテレビも舞台も、全然そういう枠はない」「ハリウッドの映画見たって、チャンバラ以上のチャンバラだからね」との考えを披露。
一方で、「『スカーレット』というミュージカルをやったとき、スタッフがオールアメリカ人だったんだけど、中日のパーティーに紋付き袴で行ったら『オー!ビューティフル!』って言われて、それが忘れられない(笑)。俺たちはやっぱり着物が似合うんだ思って、そういうのは時代劇をやってても自信になるし、楽しいし、洋服とは違う美しさがあるよね」と再確認していた。
なお、今作には、三代目市川右團次が出演しているが、「私の父(市川右太衛門)は二代目右團次のお弟子さんなの。だから親父が(の顔が)出てきちゃったりしてね」と意識があったそう。さらに、「うちの父が“右一”の名前で出た、大正4年の公演のパンフレットを右團次さんが探して、見せてくださったんです!」と明かし、世代を超えての共演に感激していた。
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