折からの健康志向や環境への配慮、あるいはその優れた経済性から今、自転車が注目されている。趣味として自転車を愛好するのと同時に、自転車を通勤に活用しているという人も増えていることだろう。今回は、東京都・神奈川・千葉・埼玉県在住のビジネスマンのマイナビニュース男女会員500名に「自転車通勤」についてアンケートを実施した。
Q1. 通勤に自転車を利用したことはありますか?
「はい」(64.4%)
「いいえ」(35.6%)
Q2. 1回の通勤(片道)で自転車に乗る時間はどれくらいですか?
1位「15分以上、30分未満」(37.9%)
2位「15分未満」(33.2%)
3位「30分以上、1時間未満」(22.0%)
4位「1時間以上」(6.8%)
Q3. 自転車通勤をしたことによって得られたメリットはありますか?
・「満員電車に乗るストレスから解放された。気分転換になり朝イチから仕事が捗る」(42歳男性/レジャーサービス・アミューズメント・アート・芸能関連/事務・企画・経営関連)
・「自転車通勤していた際は体重の増加を抑えることができ、健康な毎日を過ごせていたと思う」(41歳男性/システムインテグレータ/IT関連技術職)
・「出社時間の5分前までに到着というタイミングにピッタリ合わせられて、無駄な時間やストレスがなくて気分的にも楽だった」(60歳女性/医療用機器・医療関連/専門サービス関連)
・「通勤時間を短縮することができた。体重が増えなくなった。足の筋力がついた。交通費を節約することができた。終電を気にすることがなくなった」(47歳男性/流通・チェーンストア/IT関連技術職)
・「満員電車がほんとに苦手なので自転車通勤に変えた結果、ストレスがなくなり、体調も改善されて良いことばかり。すごくメリットがありました」(36歳男性/専門店/販売・サービス関連)
・「ふらっと寄り道できるので、いいお店をみつけることができた」(24歳女性/コンピューター機器/IT関連技術職)
Q4. 自転車通勤に対して、勤務先でどのような支援がありますか? (複数回答可)
1位「特にない」(56.2%)
2位「駐輪場がある」(36.6%)
3位「エコ通勤手当等の経済的な支援がある」(11.5%)
4位「その他」(0.6%)
Q5. 自転車通勤をするうえでの不満はありますか?
・「夏は朝から汗でびちょびちょになってしまうが、会社にシャワー室がないので困る」(47歳男性/海運・鉄道・空輸・陸運/技能工・運輸・設備関連)
・「ズボンが破れてくるので、スーツではやめたほうがいい」(51歳男性/ソフトウェア・情報処理/事務・企画・経営関連)
・「雨のときは運転が大変。たまにチェーンやタイヤのトラブルがある」(34歳男性/ビル管理・メンテナンス/その他・専業主婦等)
・「狭い道なのに車の交通量が多く、スピードを出している車両も多い」(31歳男性/その他/技能工・運輸・設備関連)
・「勤務先では自転車通勤が認められていないため、事故を起こしても労災認定されない」(41歳男性/システムインテグレータ/IT関連技術職)
・「勤務先の駐輪場に屋根がないので、雨が降ったときに部品が濡れてしまう」(32歳男性/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)
・「朝のラッシュ時間は走行するのがちょっと怖いのと、残業で疲れているときや会社の飲み会の後に自転車で帰るのが億劫」(29歳男性/通信関連/事務・企画・経営関連)
Q6. Q1で「いいえ」と答えた方にお伺いします。通勤に自転車を利用したことがない理由を教えてください (複数回答可)
1位「勤務先が自転車で通える距離ではない」(61.2%)
2位「自転車を持っていない」(26.4%)
3位「勤務先で許可されていない」(16.3%)
4位「安全面が不安」(11.2%)
5位「自転車に乗れない」(2.8%)
6位「その他」(2.8%)
Q7. Q1で「いいえ」と答えた方にお伺いします。自転車通勤に対してどのようなイメージをお持ちですか?
・「エコで健康的。都会的でカッコいい。でも雨が怖い」(57歳男性/インテリア・住宅関連/事務・企画・経営関連)
・「運動不足解消にいいと思うが、日本の道路事情を考慮するとリスクが大きい」(56歳男性/その他メーカー/技能工・運輸・設備関連)
・「マナーが悪い、交通ルールがわかっていない人も多い気がする」(37歳男性/システムインテグレータ/IT関連技術職)
・「距離的に見て通勤できる範囲内に勤務先があれば、交通費もかからないし健康にもよいので、ぜひ自転車通勤してみたいものです」(69歳男性/サービス/公共サービス関連)
・「交通ルールが昔と変わり、車とかなり近い距離で走るため危険だと思う」(39歳男性/海運・鉄道・空輸・陸運/その他・専業主婦等)
・「健康にも良さそうなのでやってみたいが、勤務先が許しません。気象変化に弱そうな不安もあります」(51歳男性/半導体・電子・電気機器/メカトロ関連技術職)
■総評
調査の結果、通勤に自転車を利用したことがある人は64.4%、利用したことがない人は35.6%で、全体の3分の2ほどが通勤手段に自転車を使った経験があることがわかった。
「1回の通勤(片道)で自転車に乗る時間」は、1位「15分以上、30分未満」(37.9%)、2位「15分未満」(33.2%)となり、7割以上の人が30分未満の乗車時間となっている。人力で漕ぐという前提がある以上、極端に長い距離には不向きなのかもしれない。しかし中には、「1時間以上」(6.8%)と回答した猛者も。
通勤時間が1時間以上であっても自転車通勤を選ぶ理由は何なのだろうか。次は、「自転車通勤をしたことによって得られたメリット」に対する回答を見ていこう。特に多く寄せられた声は「通勤時間が短縮できる」「健康に良い」といったもの。体重が減少した、筋肉がついた、健康になったなど、変化が実感できることも重要だと考えられる。
また、印象的だったのが「電車通勤のストレスから解放された」というコメント。たしかに、風を切り、季節の移り変わりを肌で感じながら通勤できる喜びは、自転車ならではのものだろう。「満員電車が苦痛だ、乗りたくない」と思っている会社員は、想像以上に多いのかもしれない。
「自転車通勤に対して勤務先が行っている支援(複数回答可)」は、「特にない」が半分以上の56.2%を占めた。自転車通勤が注目を集めつつある現状に比べ、具体的にサポートをしている企業はまだ少数派のようだ。ただ、部分的にでもサポートを行っている企業も見られ、この動きは今後エコ意識の高まりとともに加速していく可能性もあるだろう。
続いて、「通勤に自転車を利用したことがない理由(複数回答可)」は、6割以上の票を集めて「勤務先が自転車で通える距離ではない」(61.2%)がトップに。しかし、中には1時間以上を自転車通勤に費やしている人も少なからずいることから、現状は通える距離ではないと考えている人でも、もしかしたら自転車通勤が可能ということもあり得るのではないだろうか。
エコかつ健康的、経済的なイメージがある一方で、「危険」「交通ルールやマナーを守らない人が多いように感じる」といった意見も届き、まだまだ課題は残されている自転車での通勤。各々がより安全な走行ルートを吟味するといった工夫をすることも必要であろうし、行政による自転車専用道路の整備などが待たれる部分もあるだろう。
自転車の性能も日々向上している昨今、利用する側もしっかりと見識を深めさえすれば、通勤に自転車という選択肢を加えてみるのもいいかもしれない。
調査時期: 2018年11月20~23日
調査対象: マイナビニュース会員で、東京都・神奈川・千葉・埼玉県在住のビジネスマン
調査数:500名
調査方法: インターネットログイン式アンケート
※写真と本文は関係ありません