東芝クライアントソリューションは3日、「dynabook」をはじめとする同社PC事業の方針説明会を、シャープ本社で開催。ここで同社の社名を、東芝クライアントソリューションから「Dynabook株式会社」へ変更することが発表された。変更予定日は2019年1月1日。1989年から続いた”東芝のdynabook”に終止符が打たれる。
説明会では、シャープ副社長兼、東芝クライアントソリューション代表取締役会長の石田佳久氏と、東芝クライアントソリューションで代表取締役社長兼CEOを務める覚道清文氏が登壇。PC事業の方向性や強化ポイントを説明した。
東芝の今後のPC事業については”ハードウェアとサービスの融合”を目指し、商品ラインナップや海外展開の強化を進める。シャープの製品やサービスとの連携も進め、ユーザーの業態や場所、利用シーンに応じた商品を展開していくという。海外展開については、現在「日本市場への依存度が高い」(覚道氏)として、北米、欧米、アジアで販売を強化。海外におけるPC事業の売上比率を今後2年間で42%まで高めることを目標とした。
あわせて石田氏は、東芝クライアントソリューションの社名をDynabook株式会社に変更することを発表した。変更予定日は2019年1月1日で、所在地や代表取締役などに変更はない。
石田氏は社名変更について「ダイナブックの名称を前面に出し、ブランド価値を極大する」とコメント。「議論はあったが、東芝の歴史をたどるとダイナブックという言葉を前面に出したいと考えた。これはハードウェアに期待を込めた言葉だったが、時代が変遷するにつれ、『dynabook as a Service』や『dynabook as a Computing』というように、ダイナブックという言葉も進化させていきたい」と語った。
なお、dynabookのブランド名は、最初が小文字の「dynabook」のままとなるが、会社名は大文字の「Dynabook」となる。これについて覚道氏は「大文字にするか、小文字にするかの議論はあった。しかし登記や海外での展開を見据えると、小文字で始まると違和感があった」と説明した。
東芝は2016年4月1日に、PC事業を完全子会社の東芝クライアントソリューションに移管し、他社との事業再編を含めた構造改革を検討開始。2018年6月5日には、シャープが東芝グループでPC事業を手掛ける東芝クライアントソリューション(以下TCS)の株式80.1%を40億500万円で取得し、子会社化することを発表した。株式の譲渡は2018年10月1日付で完了。2016年に鴻海精密工業に買収されたシャープは、鴻海の下で培った経営能力や管理能力で、東芝PCを企業価値の向上に結びつけるとしていた(シャープからの発表PDF)。
今年度は売上高1,600億を見込み、黒字転換についても「めどが付きつつある」とした。2019年度の年間売上予想は2,400億円、2020年度では3,400億円を目指す。