新居の引っ越しと同時に必要となる手続きはたくさんあります。たとえば、新居の市町村に住民票を移す、保険の住所変更の手続きをおこなう、生活に必要な水道や電気、ガスなどを新たに契約し直したり……。

さまざまな手続きが必要になりますが、特に運転免許証の住所変更は、一日でも早く済ませてしまうことをお勧めします。住所変更の重要性から手続きに必要な項目までご紹介しますので、しっかり覚えておきましょう。必ず、あなたの新生活の役に立ってくれるはずです。

代表的な身分証となる運転免許証

身分証の提示を求められた場合、持っている方は運転免許証を提示する人が多いのではないでしょうか。運転免許証に記載されているのは、氏名・住所・生年月日などの個人情報に加え、顔写真も付いています。引っ越しで住所が変更になっている場合は、住民票や新居の住所を確認できる書類、運転免許証記載事項変更届などが必要になります。

公的な身分証明書

運転免許証は、本人であることが確認できる公的な身分証明書になります。住民異動届や戸籍届出などの証明書を取得する際には、顔写真付きの「本人確認書類」の提示が必要になります。運転免許証を提示すれば、それで済む場合があります。しかし、運転免許証などの顔写真付き身分証がない場合は、保険証や年金手帳、印鑑登録証明書と印鑑などを組み合わせたものを提出する必要があります。ちなみに、運転免許証同様、信用度が高い身分証には、下記のようなものがあります。

・パスポート
・写真付き住民基本台帳カード
・マイナンバーカード(通知カードは不可)
・宅地建物取引士証
・在留カード、特別永住者証明書(外国籍の方)
・写真付き身体障害者手帳(写真貼替防止がなされているもの) など

提示を求められる場合

本人確認を要求される、いくつかの場面をお伝えします。以下のような場面に遭遇した場合には、速やかに免許証を提示しましょう。

・公的書類(戸籍抄本、住民票の写し)の交付を受ける場合
・婚姻届など戸籍に関する届出や、転入・転出など住民基本台帳に関する届出をする場合
・固定電話や携帯電話に関するすべての手続き
・銀行預金口座や金融商品取引口座、商品取引口座の開設
・金融機関において、現金で10万円以上を振り込む場合
・各種カードやクレジットカードを申し込む場合
・警察官による職務質問時に提示を要請された場合
・タバコやアルコール飲料の購入時

紛失した場合

運転免許証は個人情報が記載されているとても大事なものです。万が一、紛失してしまった場合には、近くの警察署、交番などに紛失したことを伝え、「遺失届」の手続きをし、第三者からの悪用を防ぎましょう。

また、日頃から運転をしている場合、速やかに運転免許証を再発行してもらう必要があります。再発行をすることで、紛失した免許証は「過去の免許証」になります。ちなみに、運転免許証を紛失し、第三者に悪用されてしまったケースには下記のようなものがあります。

・闇金から借り入れ
・消費者金融から借り入れ・クレジットカードの偽造
・携帯電話の契約
・銀行口座の開設
・ストーカー行為など

日頃から運転免許証のような個人情報が記載されているカードを紛失しないよう、また、怪しそうな人にはくれぐれも見せないようにしましょう。自分の身を守るのは自分自身です。

様々な場面で重宝する

都心にお住まいの方でしたら、電車やバスが充実しています。なので、車を所有するメリットは少なくなるかもしれません。しかし、以下のような場面では重宝するのではないでしょうか。

・写真付きの身分証明書のため、会員登録が必要なときに気軽にできる
・車の運転ができるため、大量の買い物をしても車に積んで持って帰れる
・運転免許証を持っていると働ける職業や場所が広がる

変更手続きに必要なものは?

引っ越し後、住民票などを14日以内に手続きする必要があるものに対し、運転免許証は14日以内に必ず変更をおこなわなければいけない、という規定はありません。しかし、自身の身分証明書として使うことも多いので、なるべく早く変更の手続きをしましょう。新居の近くに運転免許センターがない場合は、警察署でも手続きができますので、できるだけ早く免許証の変更手続きをおこないましょう。

どこでおこなうの?

新居がある住所を管轄している運転免許センター、運転免許試験場、警察署になります。受付時間はそれぞれ違いますので、事前に住所変更の手続きができる時間を確認しましょう。

必要なもの

・現在の運転免許証
新しい住所へ変更手続きをする場合は、運転免許証の裏面に新しい住所を記載することになりますので、必ず持っていきましょう。

・住民票や新しい住所を確認できる書類
新しい住所が記載されている住民票なら問題はありませんが、住民票の変更手続きをおこなう前に免許証の更新に行く場合には、住民票以外に住所確認をできる書類が必要になります。水道、ガス、電気といった公共料金などの支払用紙を持っていきましょう。

・運転免許証記載事項変更届
運転免許センター、運転免許試験場、警察署に置いてありますので、事前に用意して持っていく必要はありません。新しい住所を記載するときは、部屋番号まで正確に書きましょう。

・申請用写真
縦3センチ、横2.4センチ、申請前の6か月以内に正面から(背景なし)で撮影した写真を用意しましょう。
※紛失し、再交付の際に必要

・印鑑
インキ浸透印(ネーム印)では手続きできない可能性もありますので、朱肉を使う印鑑を用意していきましょう。
※都道府県によっては不要な場合も

・費用
免許証の住所変更に費用はかからず、無料で手続きができます。

本人以外が変更する場合

本人以外でも変更できる場合がありますが、必要書類があります。運転免許証記載事項変更届、委任された代理人の身分証明書(代理人の運転免許証や保険証)、印鑑、委任状になります。手続きをする場所によって必要書類も変わりますので、事前に確認をしましょう。

自動車やバイクを所有している場合

免許証の住所変更だけでなく、所有している自動車やバイクに関する手続きも必要になります。自動車の場合、車庫証明が必要になりますし、重要な書類が届かない場合がありますので、免許証の更新と同時におこないましょう。自動車、軽自動車、バイクによって必要書類や手続きをおこなう管轄に違いがあるので、どこで手続きをおこなえるのか確認が必要になります。

罰金を払う可能性もある

引っ越しがすべて終わってから、時間が空いたときに免許証の住所変更に行けばよいと思っている方は、注意が必要です。運転免許証の住所変更をしないと、2万円以下の罰金または科料に処するということになっています。道路交通法では、引っ越しや転勤で住所変更をした場合、免許証に記載されている事項に変更が生じた場合は、速やかに手続きをおこなうことが決められています。

変更をしなかった場合

・免許証が証明書として力を発揮できない
住所が違う場合、運転免許証の他に現住所が確認できる保険証や公共料金などのハガキが必要になります。身分証明書として万能なので、使えないと面倒な場合がおきる可能性があります。

・交通違反をおこしたとき
旧住所の管轄の警察署からの連絡や呼び出しを受ける場合があります。

・大事なハガキが届かない
免許更新の連絡が送られてきますが、変更をしないと旧住所に届いてしまいます。ハガキがこないまま更新時期を過ぎてしまわないようにしましょう。

引っ越し後の運転免許証の更新はお早めに!

運転免許証は、身分証明書としても使用できる重要なものです。引っ越しをする前の住所のままでも使用可能ですが、住所変更手続きをおこなわないと、「身分証明証として使用できない」「大事な書類が届かない」など、引っ越し後に困る事態がおきてしまいます。引っ越し後は新居の掃除や片付けなど、更新に行く余裕がないかもれませんが、先々のことを考えて、免許証の住所変更は早めにおこないましょう。



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