実質2000円で各地の特産品などの返礼品がもらえる「ふるさと納税」。今年の年収がほぼわかる12月に、駆け込み寄付をする人も多いのではないでしょうか?
「今年中にふるさと納税をしなくては!」と焦って駆け込み寄付をすると、思わぬ落とし穴にはまってしまうことも。賢くふるさと納税するために、注意すべき点をいくつか紹介します。
ふるさと納税って何がお得なの?
まず、そもそもふるさと納税とはどのような制度なのかおさらいしておきましょう。
ふるさと納税とは、自治体への寄付制度のこと。1月1日から12月31日の間に好きな自治体を選んで寄付し、所定の手続きをすることで、支払った住民税や所得税が戻ってくるうえ、地域の特産品である返礼品がもらえるしくみです。
年収などに応じた上限額の範囲内で寄付をすれば、戻ってくる金額は寄付総額から2000円を引いた額になります。つまり、実質2000円の自己負担で寄付した自治体から肉や米などの特産品がもらえる、誰にとってもおトクな制度なのです。
寄付上限額は、年収や扶養家族人数などを入力して計算するシミュレータが、ふるさと納税ポータルサイトをはじめ、インターネット上で公開されているので、それを利用して調べるとよいでしょう。
この上限額を守って、うまく活用すれば、2000円で普段食べられないような食べ物や、ほしかった雑貨をもらうことができるというわけです。もちろん、自分が応援したい自治体に少ない自己負担額で寄付ができる点も魅力です。返礼品にほしいものがあったり、応援したい自治体があったりするなら、活用しない手はないでしょう。
年末の駆け込み寄付は、ここに注意!
1)年末ギリギリの寄付なら「クレジットカード決済」に!
12月に年収が確定すると、自己負担が2000円になる寄付の上限額が計算できます。そこで上限額ギリギリにしようと駆け込み寄付をする際、注意すべき点がいくつかあります。
まず、寄付の締切です。「年内の寄付」として認められる期間は自治体により異なります。特に入金方法の選択によっては、年内に申し込んでも翌年分になってしまう可能性があることを覚えておきましょう。
例えば郵便振替や銀行振込の場合、自治体によっては12月の早めの段階で年内分の申し込みを締め切っており、仮に12月中に申し込んだとしても翌年分として扱われてしまうことがあります。年収がまだ確定していなくても、早いうちに自分が申し込みたい自治体の締切がいつなのか、確認しておくとよいでしょう。
一方、クレジットカード決済ならば12月31日まで受け付けている自治体が大半。年末ギリギリになる場合はクレジットカード決済を選択するのが正解です。
2)「ワンストップ特例」利用するならここに注意!
次に、確定申告をする必要がない「ワンストップ特例」を利用したい場合に注意すべき点があります。
まず、ワンストップ特例を利用するには、給与所得者などのように元々確定申告をする必要がないことが条件のひとつです。自営業の人などは自分で確定申告をする必要があるため、残念ながらワンストップ特例を利用できません。
加えて、ふるさと納税を申し込んだ自治体が5カ所以下である必要があります。年末に上限額まで余裕があるからと複数の自治体に申し込み、うっかり年内に寄付した自治体が5カ所以上にならないようにしましょう。同じ自治体であれば複数回申し込んでも1回とカウントされるため、5回以上申し込んでも大丈夫です。
また、確定申告が不要な代わりに「寄付金税額控除に係る申告申請書」を翌年1月10日必着で寄付をした各自治体に送らなくてはなりません。寄付した自治体から書類が届くタイミングはそれぞれ自治体により異なります。年末ギリギリに寄付をした場合、この書類を準備する期間が短いうえ、お正月などのイベントをはさむので提出をわすれがちになります。この点は要注意です。
もちろん、提出が間に合わなかったとしても翌年2月半ば〜3月半ばに確定申告をすれば税金は戻ってきます。万一間に合わなくても、諦めずに必ず確定申告をしましょう。
せっかくのおトクな制度。落とし穴に注意して目一杯おトクに使おう
ふるさと納税は、せっかくのおトクな制度なのだから、目一杯に利用したいもの。12月に勤務先から源泉徴収票を受け取ったら、確定した年収から寄付の上限額を計算し、上限額いっぱいまで寄付をしてみてはいかがでしょうか。
12月は多くの人が駆け込みの寄付をして、品切れ続出の時期でもあります。もし、すぐにほしいものが見つからなかったり、どうしても返礼品を選ぶ時間がなかったりする場合は、翌年に持ち越せる「ポイント」制度を導入する自治体に寄付をしておくのも賢い利用法です。年内に寄付をして「ポイント」をもらっておき、翌年にじっくり選ぶという方法なら返礼品選びに焦ることもありません。
年末の駆け込み寄付をする際は、ご紹介したポイントに注意して、賢くおトクに制度を活用するようにしましょう。