世の中には、お金をスイスイ貯めている「貯め上手さん」と、なかなかお金が貯まらない「貯め下手さん」がいることが、20年近く家計のやりくりの取材をしてきてわかりました。さらに、お金が貯まる人、貯まらない人には、それぞれ共通点があることも、長年の経験から実感したことです。
今回は、貯まらない人の共通点にフォーカスして、貯まらない理由を考えてみたいと思います。
収入が低いからお金が貯まらないワケじゃない!
この記事を読んでいる方が、貯まらない人で、貯まらない理由を
(1)月収が低いから
(2)家賃が高いから
(3)ボーナスがないから
(4)家族が節約に非協力的だから
(5)自分のまわりの人たちも貯めてない人が多いから
と考えていたら、まさにそれが貯まらない理由かもしれません。貯まらない理由として、自分自身のことではなく、自分以外の"外部要因"をあげる人は、貯め下手さんが多いようです。
そして、そのほかにも、こんな共通点があります。
「だって」「でも」「どうせ」……言い訳が多い
「だって、家賃が高いから貯金にまでお金がまわらないんです」「でも、セールで買ったからお買い得なんです」「どうせ、私にはボーナスがないから貯金できないんです」……など、自分が貯蓄できないことに対して言い訳が多い人は貯め下手さん。
"言い訳=貯蓄「できない」理由"なので、できない理由はあげたらキリがありません。どうしたら貯蓄「できる」ようになるかを考えないと、いつまで経っても貯まらない人のまま。
たとえば、家賃が高いなら、もっと家賃の安い家に引っ越したり、家賃負担が大きい分他の出費を抑えたりするなど、「できる」ことを実行することが大事です。
なんとかなると思っている
貯まらない人はネガティブな言い訳が多いのですが、その反面で楽観的なところがあるのも共通点。貯蓄はないのに、「ま、なんとかなる」と漠然と思っている人が多いようです。
若いうちはアルバイトや契約社員で仕事ができても、年齢を重ねると継続するのが難しいかもしれないとか、老後は年金だけで生活するのは厳しそう……など、将来に対する漠然とした不安がよぎっても、「ま、なんとかなる」で片づけてしまいます。
「ま、なんとかなる」から踏み出して、今、できることから具体的に実行するのが貯まらない人から抜け出す一歩です。
物事を数字で考えない
「現実を客観的にみない」というのも、貯め下手さんの共通点かもしれません。その例として、「数字」のように客観性のある物差しで物事を考えるのが苦手です。
たとえば、コーヒー1杯=350円でも、1カ月毎日飲めば1万500円になり、1年で12万6000円、3年で37万8000円にもなる……というようには考えずに、「1杯たった350円のコーヒー」とみなします。貯められない人に、ちょこちょこお金を使う"ラテマネー"が多いのは、そのせいかもしれません。
外食が好き
貯め下手さんは、家にいるよりも出かけることが好きな傾向がありますが、食事もその例にもれず、"おうちごはん"よりも外食が好きです。
おうちごはんにかかるコストは、多少の贅沢食材を買ったとしても、外食するよりはぐっと安く上がります(もっとも最近は1コインで食べられるファスト定食店もありますが……)。
「外食エンゲル係数の高さは貯まらない元凶」と、私は思っています。実際、これまで私が取材させていただいた貯め上手さんのなかで、外食好きという人はまずいません。
私の知り合いの貯め下手さんが、ムダ使いを見直して貯蓄することを決意しました。しかし、それでも「外食だけはやめられない」と言っていました。他はともかく、まずは外食の回数を減らすことが、節約効果があるのに……と思ってしまいます。
的外れな努力をする
貯め下手さんは、「1円でも安いモノを買うためにスーパーのはしごをする」とよく言います。さすがに最近は、スーパーのはしごをする人は少なくなってきたと思いますが、時間と労力のかけ方が「ちょっと的外れかも!?」と思うことがあります。
「残高不足で代金の引き落としができない」という連絡が頻繁にクレジットカード会社からくる知人がいますが、彼女が解決策として実行したのが、利用限度額をもっと高めに設定できるクレジットカード会社にのり替えることでした。
利用限度額を上げることのできるカード会社を探して、前の会社を解約して、新しい会社と契約するという手間は厭わないというわけです。「利用限度額内に出費を抑える」努力ではなく、こちらを選択した彼女に「努力の方向性が違うな」と思いました。
「頑張りどころのズレ」は、貯まらない理由のひとつと言えるでしょう。
さて、今回は「お金が貯まらない人には、実が100の理由がある!?」なかの5つをあげてみました。「あるある」と思った方は、貯まらない理由の見直しに、少しでも役立てていただけることを願っています。