仕事や私生活において人と会話をするのが苦手な人は多いのではないでしょうか。JTBコミュニケーションデザインの「コミュニケーション総合調査」では、過半数の人がコミュニケーションを苦手に感じているという結果が出ています。
では、コミュニケーションが苦手な人とはどういった人なのでしょうか。コミュニケーションが苦手な人の特徴とその対策について紹介します。
コミュニケーションが苦手な人とはどんな人
まずは、コミュニケーションが苦手な人の特徴として、6つのパターンを紹介します。
●目を合わせて会話ができない
会話中に相手がこちらを見ていても、緊張や恥ずかしさから相手の目を見ることができないというパターンです。相手のことを見ていないため、相手も話をちゃんと聞いているのかわかりません。
●相手の顔色や反応が気になる
自分の言っていることが変じゃないか、笑われないか、怒られないか、など、常に相手の顔色をうかがっている人です。自身の発言に対して不安や恥ずかしさを感じてしまい、うまくコミュニケーションをとることができません。
●自分の意見が伝えられない
相手の反応や顔色をうかがうあまり、相手の求めていることに合わせた返事しかしない人がいます。そういった場合、自分の意見が伝えられず、コミュニケーションがうまくできないと感じてしまいます。
●人に話しかけるのが苦手
話しかける時に、迷惑じゃないか、話しかけて怒られないかなど不安に感じてしまう人もいます。そういった人は、できれば向こうから話しかけて欲しいと思っているかもしれませんが、いつも相手からきてくれるわけではありません。そのため、どうしてもコミュニケーションがうまくとれない場面がでてきてしまいます。
●決まり切った会話しかできない
例えば仕事の際、取引先との会話で定型の返答ばかりするような人は、あまり仕事での成績を残せていないのではないでしょうか?型にはまった会話しかできないと予想外の質問に対してはうまく対応できないため、取引先からの信頼獲得も難しくなります。
●話の内容がまとまっていない
例えば「好きな食べ物は?」と聞いているのに「最近ダイエットしているんですよ。油物を食べないようにしています」など、相手の質問に対してチグハグな返答をしてしまうような人です。相手が何を求めているのかを理解できていないため、返答も内容がまとまっていないおかしなものになっています。
コミュニケーションが苦手になる原因とは
では、コミュニケーションを苦手に感じる原因は何なのでしょうか?
●相手のことを考えていない
これは非常に大きな原因だと考えられます。先ほどのコミュニケーションが苦手な人の特徴を例にすると、以下のとおりです。
・目を見られない→自分が恥ずかしいから
・顔色をうかがう→自分の保身(笑われたくない、怒られたくない)のため
・定型の返答→相手のニーズを理解しようとしない
このように相手のことを考えず、自分中心で考えているため、コミュニケーションが苦手になってしまうと考えられます。
●自信がない、不安
自分の話す内容に自信がなかったり、不安だったりするために、苦手に感じている可能性があります。目上の相手、年上、仕事のできる同僚などに対して自分意見を言っても意味がないと思い込んでいませんか?
また、自分の意見や考えに自信を持てるだけの根拠を持てていない、下調べが足りていないというケースも考えられます。
●聞き下手
相手の話をちゃんと聞いていない、相手の意図を考えずに話を聞いているなど、話を聞くのが下手であることが原因の1つと考えられます。単純に話を聞いていないから、相手の求めている返答ができないのです。
コミュニケーションをとる際にやってはいけないこと
コミュニケーションが上手にとれない場合、やってはいけないことを実行してしまっている可能性もゼロではありません。
●無理して話す
何も考えず無理して話題を作って話そうとすると、コミュニケーションに失敗する恐れがあります。やみくもに話しても、自分でも何を話しているかわからなくなるなど泥沼にはまるだけなので注意が必要です。
●あらかじめ考えた返答しかしない
事前に用意した定型の返答はできるだけ避けましょう。自分で考えた返答があるとしても、相手の話した内容を少しでも交えながら話ができると定型文を話している感じは解消されます。
●無反応
話をしても何も反応がないと、相手は話を聞いているのか不安になってしまいます。自分では話を聞いているつもりでも、相手はそう思ってはくれません。
●相手に合わせる
相手の言うことに対して、全て「いいですね」と賛同する、「~どう思う?」と聞かれて「◯◯さんと同じです」など相手や他の人に合わせ過ぎると、あの人は意見を持っていないのでは? と思われてしまいます。
苦手なコミュニケーションを克服するためのコツ
最後に、コミュニケーションへの苦手意識を克服するためのコツを4つ紹介します。
●質問上手
自分で話すのが苦手なら、質問をして相手が話すようにすることをおすすめします。質問をすれば相手が中心に話すことになります。
例
相手「趣味はサッカーです」
私「そうなんですね。学生時代にサッカーをしていたんですか?」
相手「いえ、学生時代は別の競技をしていました」
私「なんの競技ですか?」
このように、質問は会話が苦手な人にとっては強力な武器になります。ただし、質問攻めにならないように注意してください。
●非言語コミュニケーションを活用
コミュニケーションは声に出すことだけではありません。例えば、相手の目を見ることや相手の発言に対して首を振ることなども、立派なコミュニケーションの1つです。こういった非言語コミュニケーションを入れることで、話をちゃんと聞いているよ、という印象を相手に与えることができます。
●挨拶を自分からしてみる
挨拶は簡単にできるコミュニケーションの1つです。会話が苦手な人でも、挨拶を自分からすることは自然なことです。自分から意識的に挨拶を行うことは話しかけるトレーニングにもなります。このとき、相手の目を見て挨拶するようにしましょう。
●相手のためだと思う
これは心構えですが、コミュニケーションをとるのは相手のためだ、と考えるようにしましょう。
例えば、あなたが合コンに行った場合、コミュニケーションが苦手だと「話しかけて盛り上がらなかったら恥ずかしい」と考えてしまいますが、これを「話しかけて相手を楽しませてあげたい」と考えると、相手のために話しかけようと思えませんか?
このように自分のためではなく、相手のためにコミュニケーションを活用する、と考えると意外とすんなりと話しかけることができます。
コミュニケーションの苦手意識は克服できる
コミュニケーションは、自分本位で捉えるとうまく行うことができません。しかし、「自分が話すのは相手のため」と考えることで、話すことへの不安や緊張はかなり軽減されます。まずは、コミュニケーションの中心を「自分」ではなく「相手」にシフトするようにしましょう。