数学の授業で、誰もが「イコール」という言葉を習ったと思いますが、「ニアリーイコール」についてはどうでしょうか。実は、いずれも社会人になってからも使用する言葉なのです。
そこで本稿では、「ニアリーイコール」の意味や使い方について解説します。
ニアリーイコールの意味と記号
ニアリーイコールとは、「おおよそ等しい」「ほとんど等しい」という意味の言葉で、英語では【nearly equal】と書きます。「≒」という記号で表記されるのが一般的で、「A≒B」の場合、「AとBはほとんど等しい」という意味になります。
この「≒」という記号ですが、実は、国際的には「≈」【approximately equal】という記号を用いるのだとか。
発音を、あえてカタカナで表記するならば「ァプロクシメトリィ イコール」となり、「A ≈ B」という場合には、【A is approximately equal to B】と読みます。
外資系企業の資料に「≈」が使われていても戸惑うことのないよう、国際的には「≈」、日本では「≒」であることを覚えておくと良いでしょう。
ニアリーイコールの使い方
ビジネスシーンでは、主に会話の中で使用します。「AとBはニアリーイコールですね」と言えば、「AとBはほとんど同じですね」「AとBは非常に類似していますね」といった意味になります。
文章で使用するのは、何らかの数値を表すときでしょう。「真の値」に近い値を数学では「近似値」といいますが、これを「≒」で表記します。
例えば、10円を3人で分ける場合、一人3.333333…円となり割り切れません。このような場合、ニアリーイコールを使うことで「一人あたりの金額 ≒ 3.3円」とすっきりと表記することができます。
また、ある商品の重さの平均値を算出したところ、真の値が「1,327.4623g」となったとします。真の値を書こうと思えば書けますが、見るにも読むにも面倒な上に、そこまで精密な数値を必要としない場合もあるでしょう。
そのような場合には、「1個あたり平均 ≒ 1,327g」あるいは「≒ 1,300g」などと表した方がスマートではないでしょうか。
もちろん、「約」に置き換えることも可能です。文章では「約」を、グラフやデータなどでは「≒」を使うなど、必要に応じて使い分けると良いかもしれませんね。
ニアリーイコールの例文
・従来のものと、機能的にはニアリーイコールですね。
・A社の製品とイコールとは言わないまでも、ニアリーイコールだと思います。
・どちらの車も金額的にはニアリーイコールですから、あとは好みですね。
・アジアの人口 ≒ 40億人
「≒」の入力方法
読んだり書いたりするのは問題ないけれど、「≒」をパソコンやスマホで入力する方法が分からない人も多いようです。それぞれ、以下の方法で出すことが可能です。
パソコンの場合
・日本語入力モードで「いこーる」と入力し、スペースキーで変換する。
・日本語入力モードで、『Shift』キーを押しながら『=』キーを押し、スペースキーで変換する。
スマホ等のフリック入力の場合
・数字入力モードで『6』を上方向にフリックし、出てきた候補から選んでタップする。
・日本語入力モードで「にありーいこーる」と入力して変換する。
ちなみに、「≈」の入力方法について調べてみたところ、上記のような方法で変換候補に出ない場合には、Unicodeが「U+2248」ですので、パソコン内(WindowsならIMEパッドから)にあるUnicode表から検索してみてください。
ニアリーイコールは和製英語であり、「≒」という記号も、日本以外ではあまり通用しません。外資系企業とのビジネスでは利用を避けたいですが、その一方で、日本では一般的な言葉として認識されています。
日本の企業で働く以上、どんな意味なのか、しっかりと頭に入れておきましょう。