JR北海道はこのほど、新幹線におけるセキュリティ向上の取組みを発表した。車内警備の強化に加え、犯罪防止とさらなる安全確保のための新たな取組みとして「防犯・護身用具の配備」「医療器具の配備拡充」「緊急時における情報共有手段の整備」「座面脱着容易化」を進めるという。
「防犯・護身用具の配備」では、不審者対応を想定して防犯・護身用具を全編成(4編成)に配備する。防護盾(中型・小型)、防刃(ぼうじん)ベスト、防刃手袋、警戒杖(けいかいじょう)を車両へ搭載(1編成あたり3カ所)し、フラッシュライト、催涙スプレーを乗務員が携行する。これらの用具は準備ができ次第、順次配備とし、11・12月には乗務員に対して防犯・護身用具の使用方法に関する教育・訓練を行う予定としている。
「医療器具の配備拡充」では、全編成について、医師支援器具を1編成あたり1カ所から3カ所に増備するとともに、新たに応急救護品を1編成あたり3カ所に配備する。増備する医師支援器具は、聴診器、血圧計、ペンライト、パルスオキシメーター、アルコールシート、舌圧子(ぜつあつし)、ゴム手袋。新規配備する応急救護品は、大判ガーゼ、油紙、包帯、三角巾、医療用テープ、救急絆、救急用ハサミ、人工呼吸用マウスシートとなっている。これらの医療器具・応急救護品は準備ができ次第、順次配備する。
「緊急時における情報共有手段の整備」では、乗務員、アテンダント、指令員の情報連携を強化し、新幹線車内の安全確保を図るため、スマートフォンなどを用いたグループ通話システムを新たに導入する。乗務員からスマートフォンなどを用いて指令員へ画像転送をするとともに、さらなる情報連携強化を目的に、車内防犯カメラ画像の地上送信機能(車両から指令へ)も検討される。
「座面脱着容易化」では、JR北海道の新幹線車両(普通車)の座面がスライド機構などにより取り外しにくい構造であるため、容易に脱着できる構造に変更を進めていく。普通車車端部の座席1列(1編成中8両)が対象となる。