俳優のディーン・フジオカと井浦新が、フジテレビ開局60周年特別企画のスペシャルドラマ『レ・ミゼラブル 終わりなき旅路』(来年1月6日21:00~23:54)でダブル主演を務めることが19日、分かった。
同作は、ヴィクトル・ユゴーが1862年に発表した不朽の名作『レ・ミゼラブル』を、平成30年間の日本を舞台に置き換えた大河エンタテイメントとして制作。ディーン、井浦に加え、山本美月、吉沢亮、村上虹郎、清原果耶、松下洸平、清水尋也、福田麻由子ら若手俳優陣、長谷川京子、金子ノブアキ、富田靖子、寺脇康文、伊武雅刀、かたせ梨乃、香里奈、奥田瑛二という豪華俳優陣が脇を固める。
18~19世紀のフランス革命の時代を舞台にした原作では、一斤のパンを盗んだだけで19年も投獄された男が脱獄後、1人の神父と出会い改心し、別人に名前を変え、成功を収めるも、自分を怪しむ警官の追及により正体が暴かれ、再び逃亡する前半、身分を隠して血のつながらない娘を育てあげ、やがて時代の波にのまれていく後半と、合わせて約30年にわたる展開が描かれる。
これを平成の日本に置き換えた今作の第1幕の舞台は、平成3(1991)年から平成7(95)年の神戸。17歳の少年・馬場純が正当防衛の末、母・結子を騙(だま)して全財産を巻き上げた男・斎藤太を殺める。少年刑務所に入れられてしまうが、ある日、弟が危篤であることを聞かされて思わず脱走。しかし、弟はすでに死亡しており、身分を隠して暮らし始める。 もう1人の主人公は、斎藤の1人息子・斎藤涼介。父親が殺された理由が投資詐欺を働いたせいだと世間に知られ、被害者遺族のはずがまるで加害者家族のような報道被害にあってしまう。そんな中、平成7年に起きた阪神・淡路大震災が、2人の少年の運命を大きく変えることになる。
そして、第2幕は平成16(04)年の東京、第3幕は平成30(18年)の福島が舞台。世間から身を隠しながら生きる純と、純を追いかけ続ける涼介、そしてついに2人が対峙(たいじ)することに…。
ディーンが演じるのは、別人に成り代わって波乱の人生を生き抜く馬場純。『モンテ・クリスト伯 ―華麗なる復讐―』(4月期放送)に続き、19世紀の世界的名作を原作にした作品で主演を務めるが、「華麗なる復讐が終わった後、私は再び世界的名作のリバイバル作品に携わらせていただくこととなりました」といい、「激動の平成を通して対峙する2人の男の間に存在する情念や、同時代に生きる人々と関わり合いから生まれる様々な感情のやりとりを表現することに徹したいと考えています」と話す。
一方の井浦が演じるのは、その逃亡者を憎しみで執拗に追い詰める刑事・斎藤涼介。『カンテレ開局60周年特別ドラマ BRIDGE はじまりは1995.1.17神戸』と併せ、フジ系キー局・準キー局の周年ドラマで主演を務めることになる。「30年分の時間をかけてそれぞれの人生が交差していく物語です。その壮大な物語を演じていける、ということに大きなやりがいを感じています」と心境を語った。
山本は、病に倒れ、幼い娘を純に託すシングルマザー・不破唯。吉沢は、ある日突然運命の渦に巻き込まれる若き日の主人公・馬場純。村上は、純の親友で物語のキーとなる渡辺拓海。清原は、純が大切に育て上げた娘・梢。松下は、梢と恋に落ちる若手政治家・碓氷慎。福田は、慎に好意を寄せる田辺瑛里華を演じる。
さらに、長谷川は、少女・梢につらく当たる田辺真澄。金子は、その夫で他人の蜜を吸って生きる田辺元。富田は、純の母・馬場結子。寺脇は、純に殺められる極悪人・斎藤太。伊武は、元・大物代議士で、慎の祖父・碓氷太一郎。かたせは、息子・涼介を悩ます母・斎藤歌織。香里奈は、馬場純を影ながら支えつつも、大きな秘密を抱える切ない女性・佐山梨沙子。奥田は、若き純を救う自立支援施設の園長・徳田浩章役で登場する。
『モンテ・クリスト伯』に続き、ディーンを起用したフジテレビの太田大プロデューサーは「ヴァンパイア並みに仮面を被った美しき復讐鬼を演じ切っていただいたあとに再びご一緒するならば、正反対の人間臭い“素のまま”の人物を演じていただきたいと思っていました。今回の主人公・馬場純の数奇な運命に翻弄され、葛藤を続ける役柄は、まさにそれに当たると考え、お願いさせていただきました」と説明。
また、井浦については「斎藤涼介には、執念深い因縁の相手としての渋みと迫力の中にも、言葉数が少なくとも信頼関係を築きあうにふさわしい包容力と温かみが必要でした。知的で、冷静さの中に強い情熱を感じさせる井浦さんならば、この役柄をリアルに具現化していただけると考え、お願いさせていただきました」と起用理由を話している。
(C)フジテレビ