今回のテーマは、「ナレッジ」です。聞いたことがないという人もいると思いますが、実は、ナレッジは誰もが持っているものなのです。
そこで今回は、ビジネスシーンにおけるナレッジの意味とともに、「ナレッジマネジメント」についても解説します。
ナレッジの意味
ナレッジは、英語の「knowledge」をそのままカタカナ表記したもので、「知識」や「情報」という意味です。ビジネスシーンでは、「企業などの組織にとって有益な知識・経験・事例・ノウハウなど付加価値のある情報」のことを指します。
ナレッジマネジメントとは?
ナレッジを用いたビジネス用語に、「ナレッジマネジメント」という言葉があります。これは、従業員がそれぞれに蓄積してきた経験や知識など、企業にとって有益な情報を社内全体で共有し、経営に活用できるように管理する手法のことです。
例えば、旅館などのサービス業では、顧客の趣味や嗜好・アレルギーなどを把握しておくことは、質の高いサービスを提供する上で重要です。
しかし、顧客の情報を記憶するにも限界がありますし、顧客名簿をその都度引っ張り出していては即座に対応することも難しいでしょう。この場合、従業員の誰もがいつでも見られるようデータ化しておくことが、ナレッジマネジメントになります。
ミスや見落としが許されない医療の現場でも、ナレッジマネジメントは欠かせません。看護師間の引き継ぎ、ベテラン看護師から若手看護師への知識の提供、看護師と医師との情報共有などが円滑に行われるようにすることが、医療現場における重要なナレッジマネジメントと言えるでしょう。
また、どんな職場でも、誰かがクレームを受けたり、ミスを犯したりすることがあると思います。個人を責めるのは簡単なことですが、責めることから得られるものはありません。
それよりも、どんなクレームだったのか、なぜ失敗したのかをチームで考え、教訓として情報を共有すれば、同じミスを防ぐだけでなく、業務の改善・進化に繋げることもできるでしょう。適切なナレッジマネジメントを行えば、クレームやミスも「企業にとって有益な情報」となるのです。
ナレッジの使い方と例文
・ナレッジを蓄積することで、あらゆる問題に対応できるようにした。
・営業部が持つナレッジを、開発部門に反映させましょう。
・部門間のナレッジ共有のため、定期的に合同ミーティングを開きます。
・ナレッジは活用しなくては意味がありません。
・クレーム処理から抽出したナレッジを基に、マニュアルを作成した。
多くの情報が飛び交い、時代のニーズが目まぐるしく変化する現代。その変化にスピーディーに対応するには、情報を組織全体で共有することが重要ではないでしょうか。
いくら個人で多くの知識や情報を蓄えても、一人で保有していては意味がありません。個人のナレッジをどのように共有し、どう活かすのか。適切なナレッジマネジメントの構築が、企業の強みにもなるかもしれませんね。