最近は好きな音楽を手軽にダウンロード(ストリーミング)できますが、手に入りにくくなったのが「歌詞カード」。ネットを検索すれば歌詞を入手することはできるものの、毎回検索するのは少々面倒です。

そんな問題を解決してくれるかもしれないのが、COTODAMA社のスマートフォン用スピーカー「Lyric Speaker Canvas」です(11月16日発売)。Lyric Speaker Canvasはスタイリッシュでインテリアとしても魅力的なスピーカーですが、最大の特徴は曲に合わせてリアルタイムに歌詞を表示してくれる機能です。

  • 新製品を手にしたCOTODAMA代表取締役社長の斉藤迅氏(写真中央)と、イベントゲストとして登壇したスキマスイッチの大橋卓弥氏(写真左)、常田真太郎氏(写真右)

見た目はまるでアナログレコードのジャケット?

Lyric Speaker Canvasは、正方形の板×2枚を重ねたようなデザインのスピーカーです。この2枚のボードをバッフル板として利用します。リアリフレクション方式のスピーカーなので、壁を背に設置すると、背後の壁が反響板に。コンパクトな見た目ですが、迫力のある音が楽しめるとしています。

  • 発表会の会場に展示されていた、Lyric Speaker Canvas。黒い部分が液晶ディスプレイ、白い四角がスピーカーパーツ。シンプルでインテリアとしても映えるデザインです

  • 背面もシンプル。電源コードは左右と背面のどこからでも取り回せるようになっています

デザインも魅力的。設置すると、シルバーとブラックの板を壁に立てかけたビジュアルです。さらに、手前ブラック側の液晶に歌詞などが浮き上がるため、一見するとアナログレコードを飾っているようにも見えます。

  • 背面ユニットを傾斜させて正面から見ると、パネルを壁に立てかけたように見えるようデザインされています。側面には電源ボタンとボリュームボタン、リセットボタン、そしてステレオピンジャック出力端子があります

  • 歌詞を表示させた状態で壁際に設置すると、まるでアナログレコードのジャケットを壁に立てかけたように見えます。音を消して文字が浮かび上がる、インテリアとしても利用できそうです

【動画】音声が流れます。ご注意ください。
スキマスイッチの代表曲『全力少年』の再生シーン(一部)。この短い動画内だけでも、文字の現れ方や文字の大きさ、エフェクトなどのバリエーションが豊富なことがわかります

スマホとの接続も簡単

スマートフォンとLyric Speaker Canvasは、Wi-Fiで接続します。楽曲再生と同時にネット上の専用歌詞データベースサーバにアクセスして、再生している楽曲の歌詞を前面ボードに表示します。

個人的にとっても気に入ったのが、音楽再生用プレーヤーがLyric Speaker Canvas専用のアプリではないこと。iOSならAirPlayやGoogle Cast、Spotify Connectに対応した音楽プレイヤー。AndroidならGoogle Castm、あるいはSpotify Connectに対応したプレイヤーを使い、再生先にLyric Speaker Canvasを選べば、自動的に音楽再生時に歌詞が表示されるようになります。

  • 対応するプレーヤーを起動し、再生先にLyric Speaker Canvasを選択するだけで設定完了。会場のデモンストレーションではAndroid端末を使用。Google CastのGoogle Play Musicで楽曲を再生していました

特徴的な機能を搭載した機器の多くは専用アプリを使うことが多いのですが、音楽再生プレーヤーは使い勝手などの好みが大きく反映されるもの。このため、多くの選択肢から自分好みのプレーヤーを選べるというのは、うれしいポイントです。

アートのようなエフェクトでオブジェとしても秀逸

Lyric Speaker Canvasは「歌詞が表示される」だけではなく、歌詞を表示するときにさまざまなエフェクト表現をするのも特徴です。音楽のリズムに合わせて文字がズームしたり、左右に移動したり、リズムに合わせて一文字ずつ歌詞が印象的に表示されたりと、エフェクトも豊富。

  • COTODAMA代表取締役社長の斉藤迅氏

発表会で製品説明をしたCOTODAMA代表取締役社長の斉藤迅氏によると「音楽によって表示されるエフェクトなども変わってくる」そう。ゆったりとしたバラード曲は明朝体のフォントを使ったり、ロックなどのリズミカルで激しい曲では、インパクトあるゴシック体のフォントを使うといった工夫が。また、楽曲を再生するたびにエフェクトが微妙に変わるほか、今後もソフトウェアのアップデートなどで新しいエフェクトが追加されることがあるそうです。

製品発表会には、人気ユニットのスキマスイッチが登場して、彼らの自信作という『未来花 for Anniversary』と、スキマスイッチの代表曲ともいえる『全力少年』の2曲がLyric Speaker Canvasで再生されました。

  • 「音楽が流れていなくてもインテリアとしてもいい」と語る大橋氏。近所の人とお茶をしている間に無音で歌詞を表示したら「この曲はなに?」と楽曲に興味をもってもらえるかも、とLyric Speaker Canvasのさまざまな可能性を語ってくれました

スキマスイッチの常田真太郎氏は、「自分は歌詞カードの文字の段落を気にしているのだけれど、そこがかなり反映されている」と感想を述べました。

常田氏は歌詞カードの文字列をイラストのようにとらえており、文字の「塊」のバランスを大切にしているそうです。Lyric Speaker Canvasでは、スキマスイッチとして表現したい文字バランスが、かなりの部分で反映されており、視覚でもテンポ感がわかりやすいといいます。

  • 「洋曲の歌詞を表示させたら意外と簡単な英語だったりした」と語る常田氏。今後の要望としては「歌詞を自動的に翻訳して表示してほしい」とコメントしました

機能もデザインも魅力的!あとは価格か?

デザイン性の高さや、スマートフォンとの接続の簡単さ、音の良さなど非常に魅力的なLyric Speaker Canvas。実はこの製品、COTODAMAが発表する歌詞表示スピーカーとしては2代目の製品となります。2016年から「Lyric Speaker」という製品も発売しており、今後もLyric SpeakerとLyric Speaker Canvasを現行モデルとして販売するそうです。

  • 新製品のLyric Speaker Canvas(写真左)と、現行モデルのLyric Speaker(写真右)。Lyric Speakerは背面が透過しているほか、全体的に重厚感のあるデザインです

初代Lyric Speakerと今回発表したLyric Speaker Canvasの最大の違いはデザイン。Lyric Speakerは透過液晶ディスプレイを採用しており、スピーカー背面が見える重厚感のある未来的なデザインです。価格は30万円(税別)と、なかなか購入するには気合いが必要。

一方、今回のLyric Speaker Canvasは165,000円(税別)。スマートフォン用スピーカーとしては高額ですが、音楽好きにとって「毎日、毎曲、意識せずに歌詞を見ながら曲を楽しめる」というのは、とても価値ある体験ではないでしょうか。気軽に購入できる価格ではありませんが、20万を切ったということで、手が届くという人もいるのでは?