会社内でのコミュニケーションに悩んでいる方におすすめなのが、コミュニケーションツールの活用です。複数のプロジェクトのタスク管理や情報の共有化が簡単になります。
本稿では、コミュニケーションツールの導入によって社内環境がどのように便利になるかを説明します。
社内コミュニケーションの不満
まずは、従来の社内コミュニケーションで起こりがちな不満をみてみましょう。
●重要なメールの返信が来ない
これまでは、メールが情報伝達の主な手段でした。スピーディーに用件を送れて、受け取った側も電話のように作業を中断されることなく自分の都合でメールを読むことができます。
ただし重要な案件ですぐに返信がほしい時には、メールは少々不便です。相手がメールを見落としていたり、メールの着信に気づかなかったりすることがあるからです。こうなると電話で催促せざるを得なくなります。
メールは情報伝達にすぐれた方法ですが、緊急時の場合には不安と不満が残るのも確かですね。
●会議に時間をとられる
外回りをしていても、会議時間になれば会議室のある本社や支社へ戻ることになります。重要な会議なら欠席するわけにはいきません。
このような場合の不満は、出先から本社へ戻るまでの時間ロスと経費コスト。最も大きな不満を感じるのは、仕事を中断せざるを得ない営業職でしょう。
従来の1箇所へ集合する形態の会議には多くの不満があるはず。結論や成果が出ない会議も多いでしょうから、そのような時のロスは大きいですね。
●スタッフの情報を共有できない
企業では複数のプロジェクトが進行すことがあり、作業内容が連携しているプロジェクトもあるでしょう。そのようなケースで重要なのは、スタッフ間の情報の共有です。
例えば、あるプロジェクトで欠陥が見つかった時、連携する他のプロジェクトにいち早く情報を伝える必要があります。メールや電話では確実性に不安があり、現場が離れていれば直接出向いて伝えるのも時間がかかります。
またプロジェクトメンバーの出勤・休日などの勤務情報も、スケジュール進行には必要な情報です。さまざまな事情で急にメンバーが作業に参加できなくなる事態も起こります。
こうした社内コミュニケーションの不満や問題を解消するのがコミュニケーションツールです。
コミュニケーションツールで不満を解消
コミュニケーションツールには、様々な機能が搭載されています。その中から、便利な機能をいくつか紹介します。
●チャットでダイレクトにコンタクトがとれる
チャット機能を使うと、メンバー同士がリアルタイムで会話ができるので、重要な情報をダイレクトに伝え、コンタクトできます。
また、プロジェクトや作業単位ごとにチームが作れるので、決められたメンバー間でのやりとりができます。チャットで交わされた内容は履歴として保存されるので、あとで問題が起こった時にもさかのぼって見直せます。
「チャット機能」にはスマホやタブレット、PCなどにダイレクトに呼びかけるプッシュ機能があり、スピーディーな対応が可能です。
●スマホやタブレットやPCで会議に参加できる
コミュニケーションツールを導入すると、会議に参加する時間ロスやコストを抑えることができます。チャット機能と並んで重要な特徴が、スマホやタブレットやPCなど、端末間でのコミュニケーションです。
スマホやタブレットがあれば外出先でもWeb会議に参加できるので、会議室のある本社や支社へ戻る必要がありません。また「リモートワーク」が可能になるので、在宅勤務もできるようになります。
例えば子育て中の社員などは、コミュニケーションツールによって自宅で会議に参加したり、作業を行ったりできます。
●グループウェアで情報を共有できる
グループウェアとは、社内での情報を共有化するコミュニケーションツールのこと。煩雑な業務を効率化できるのが特徴です。
社内には色々なプロジェクトやセクションが混在していますが、グループウェアにはスケジュール・ToDo・掲示版・ワークフローといった機能が備わっているので、チームのメンバー間で情報を共有できます。
例えば、緊急に会議を招集する時、各メンバーのスケジュールをチェックする必要があります。グループウェアならその場でチェックでき、スピーディーに会議が開けるのです。
機能以外のメリット
また、コミュニケーションツールには機能面だけではなく、以下のようなメリットもあります。
●顧客とのコミュニケーション
今はほとんどの人がスマートフォンを持っているので、コミュニケーションツールを導入すると顧客との関係がより緊密になりやすいでしょう。
さらに、顧客がほしい情報を素早くスマートフォンに送ることができますし、顧客へのレスポンスが速くなるので業績アップの可能性も高まります。
●外部アプリとの連携
ビジネス用に特化した便利なツールがたくさんありますが、コミュニケーションツールを導入するとそれらの外部アプリと連携できて利便性が格段にアップします。
例えばSFA(営業支援ツール)やCRM(顧客関係管理)などと連携することで、更新内容のチェックが簡単になり、リマインド通知を受け取れます。自分からツールにアクセスする必要がないのです。
カレンダーアプリのスケジュールなども自動で通知がくるので、いちいち確かめる手間が省けますね。
●コストの削減
コミュニケーションツールを導入すればさまざまなメリットがありますが、意外と見落とされているのがコスト削減効果でしょう。
会議のための時間ロスや、移動に伴う交通費などを削減できるだけでなく、クライアントや外注先などのやりとりでも、コミュニケーションコストを減らすことができます。
注目のコミュニケーションツール
●ChatWork(チャットワーク)
国内で使われている代表的なコミュニケーションツールが「ChatWork」。導入している企業の数が多く、誰でも使えるシンプルな機能が特徴です。
主な機能としては、チャット機能、タスク管理、ビデオ通話(音声通話)機能など。特にタスク管理機能の評価が高く、複数のグループがあってもタスクのみ表示できるので、見落としを防げます。
最大のメリットは、国産のツールなので日本語対応という点でしょう。また国内で導入している企業が多いので、取引先とのコミュニケーションもスムーズに行えそうです。
●Slack(スラック)
ChatWorkと並んで利用されているコミュニケーションツールが「Slack」。アメリカ生まれのビジネスツールなので英語対応でしたが、日本語対応も可能になりました。
最大の特徴が外部サービスとの連携で、280を越えるサービスやアプリを使えます。例えば世界中で使われているGoogleカレンダーやSkypeなどお馴染みのアプリとの連携が可能。通知を受け取ったり、アクセスして通話できたりと幅広く活用できます。
●Teams(チーム)
最近注目されているコミュニケーションツールが「Teams」。なぜ注目されているかというと、Microsoftが提供する「Office365」に含まれるアプリだということ。Office365には世界標準のアプリがたくさん入っています。ビジネスには必須なWord、Excel、PowerPointのアプリが含まれており、Teamsを導入するとそれらのアプリが使いやすくなるのです。
代表的な3つのコミュニケーションツールをご紹介しました、導入時の参考としてください。