みなさんは、「ブルーオーシャン」という言葉をご存知でしょうか? どこかのブランド名でもなければ、海の名前でもありません。そこで今回は、「ブルーオーシャン」について解説します。どんな意味の言葉なのか、さっそく見ていきましょう。
■ブルーオーシャンとは
「ブルーオーシャン」とは、競争相手のいない未開拓市場のことです。文字通り「のどかで穏やかな青い海」のような市場です。これに対し、競争の激しい市場のことを「レッドオーシャン(血の海)」と呼びます。
■ブルーオーシャン戦略とは
ブルーオーシャンは、フランスの教授、W・チャン・キム氏とレネ・モボルニュ氏が2005年に執筆した著書『ブルーオーシャン戦略』の中で提唱されている経営戦略論の一つです。ビジネスでは、「ブルーオーシャン戦略」という言葉も多く登場します。
では、ブルーオーシャンはどこにあるのでしょうか。競争相手がいないということは、今まで誰も考えつかなかったビジネスであり、当然のことながらお手本はありません。自由な発想、ユニークなアイデアから生まれ得るブルーオーシャンは、みなさんの頭の中にあると言えるのではないでしょうか。
そんな新ビジネスを思いついた場合には、「ブルーオーシャンを発見する」「ブルーオーシャンを開拓する」などと表現するのが一般的です。
ブルーオーシャン戦略は、新しいビジネスや製品を発想するだけではありません。どのように販売し利益を得るのか、自らが具体的な戦術を練った上で、新たな市場を築き上げなければならないわけです。単なる思いつきだけで新しいビジネスを始めても、すぐに上手くいかなくなってしまいます。なぜなら、儲かる市場には必ず他社が参入してくるからです。
せっかく開拓したブルーオーシャンですが、ヒットすればするほど、早々にレッドオーシャンと化してしまう可能性が高く、そうなると、大抵は価格で勝負することになるでしょう。しかしながら、安くするにも限界があるため、サービスの質の向上や新たな機能を付加することなどで、他社との差別化を図ることになるのです。
ビジネスで利益を上げ続けるには、環境の変化や時代の流れ、まだ満たされていない顧客のニーズなどを的確に掴み、それに応えるサービスや機能を生み出すことも「ブルーオーシャン戦略」には重要と言えるでしょう。
■ブルーオーシャン開拓の実例
ここで、ブルーオーシャン開拓の成功例を挙げてみましょう。
ヒートテックなどの高機能かつ低価格の衣料品市場を創った「ユニクロ」。子どもからお年寄りまで、みんなで楽しめるゲームWiiを開発した「任天堂」。動物ありきのサーカスから脱却し、人間のパフォーマンス力を活かしたエンターテイメント性の高いショーを創り上げた「シルク・ドゥ・ソレイユ」。高級食材を用いた一流シェフによる料理を、立ち飲みスタイルで低価格で提供する「俺の」などが挙げられます。
最近では、個人でも、YouTubeやSNSを上手く利用して新たなビジネスを始めている人もいます。ブルーオーシャンは、企業の規模や個人などに関わらず、誰でもチャレンジすることができるビジネスと言えるでしょう。
ブルーオーシャンは、どんな人にも可能性のあるビジネスチャンスの場です。いずれは独立したい、起業したい、自分のお店を開きたい! という人は、是非ブルーオーシャンを開拓してみてはいかがでしょうか。