Apple Payのサービスがスタートして丸2年。周囲にApple Payユーザーが増える一方、対応のiPhoneを持ちながら、Apple Payを使っていない人もまだまだたくさんいます。
2016年10月25日のサービス開始日から使っている筆者としては、「なぜ使わないの?」という疑問でいっぱいですが、そこにはきっと理由があるはず。その謎をiPhoneユーザーへのアンケートでひもときながら、Apple Payのメリットや使い方、設定などをお伝えする連載、スタートです。
そもそもApple Payってどんなもの?
本題に入る前に、まずApple Payについて簡単に説明しておきますね。
Apple Payとは、iPhoneの対応端末で、リアル店舗などで利用できるスマホ決済サービス。日本ではおサイフケータイが普及していますが、同じように決済端末にiPhoneをかざすだけでスピーディーに支払いができます。クレジットカードやプリペイドカードだけでなく、飛行機の搭乗券や映画のチケットなども登録可能。
2018年11月7日からは全国のローソン店舗でApple Payを利用すると、共通ポイントのPontaが自動的に貯まるサービスも始まりました。ポイントカードを出さなくてもPontaポイントが貯まるなんて便利でお得。これはぜひ使わなきゃ!
こんな筆者の盛り上がりに比べて、Apple Payの利用率はなかなかシビア。まず、マイナビニュース会員のiPhoneユーザーに、Apple Payを使っているかどうか聞いてみました。
調査時期: 2018年10月12日~2018年10月18日 調査対象: マイナビニュース会員 調査数: iPhoneを日常的に使っていると回答した805名(Apple Payの使用に関する質問は、このうちApple Payを使っていると回答した221名が対象) 調査方法: インターネットログイン式アンケート |
iPhoneユーザー805名の中でApple Payを使っているのは27.5%。とはいえ、「使っていないが、機会があれば使ってみたい」という人が50.6%も! なぜ興味を持ちながら使わないのか気になるところですが、それは2回目以降に解説するとして、今回はApple Payを使っている27.5%の人をひもといていきましょう。
Apple Payを使う理由は?
次に、Apple Payを利用する理由について聞いてみました。
Apple Payを使う一番の理由は「スピーディーに使えて便利だから」。その次に「現金を持ち歩かなくてもいいから」。3番目には「ポイントが貯まってお得だから」と続きます。この結果を簡単に言うと、「便利・手軽・お得」。Apple PayはiPhoneを店頭の専用リーダーにかざすだけで決済できます。キャッシュレスでスピーディーに支払える。これが最大の魅力と言えますね。
そしてApple Payで支払うお金は、登録しているクレジットカードから引き落とした場合、利用した料金分、クレジットカードのポイントが貯まります。このポイント額は利用するカードによって異なりますが、0.5~1%のポイント付与がベース。現金なら何も得られない支払いに、ポイントが付くなんてお得です。
使う頻度は? よく使う場所は?
そんな「便利・手軽・お得」を追求するApple Payユーザーたちは、いったいどこで、どれくらいの頻度でApple Payを利用しているのでしょう?
利用場所の大半がコンビニ。その割合は69.2%(複数回答)にもなります。コンビニは、朝やお昼どきともなればかなりの混雑。そこでスピーディーに支払えるApple Payが活躍しているんですね。そのほか、飲食店やドラッグストア、スーパーなども、同様の理由かと思います。
ただ交通機関が37.6%だったのは、ちょっと少ないかなーと思いました。SuicaはApple Payで利用せず、JR東日本が発行するプラスチックカードで利用している人が多いのかもしれません。もしくはPASMOなど、そのほかのICカードを利用しているのかも。そしてネットショッピングも35.3%の人が利用していました。そうです! Apple Payはリアル店舗だけでなく、Yahoo!ショッピングやじゃらんなどのアプリやネットサービスでも利用できるのです。
利用頻度は約3割の人が毎日のように使っていることがわかりました。一度、使い始めると、その便利さについつい使ってしまうといった感じでしょうか。
カードは何枚くらい登録してる?
とはいえ、Apple Payに登録しているカードは1枚か2枚がほとんど。Suicaとクレジットカード1枚、もしくはクレジットカード2枚というパターンではないかと想像します。
Apple Payは日本の多くのクレジットカード会社と銀行が発行したクレジットカード、プリペイドカードに対応しています。ただ、対応のクレジットカードであっても、国際ブランドによっては使えないケースも。特にVisaブランドは街ナカのお店では使えるものの、ネットショップやアプリの支払いはできません……。といった大人の事情がいろいろあったりするのですが、基本、たくさんのカードが登録できます!
Apple Payに複数のカードを登録して、その中から利用するカードをササっと選ぶ様子を見ると、筆者はかっこいいなーと思ってしまいます。約80%の人がカードの登録枚数1~3枚でしたが、中には8枚以上という強者が3.7%も。そういった方は利用する時に、ササっとカードを使い分けているんでしょうね。
ちなみに筆者の登録枚数はSuicaを含めて5枚。Visa、JCB、Mastercardと、国際ブランドをバランス良く登録しています。「そんなにいっぱいのカードを登録して危なくないの?」って? 実はそんな心配は不要なのです。2回目ではApple Payのセキュリティについてお話ししますね。
著者プロフィール
綿谷禎子(わたたにさちこ)
情報誌の編集部から編集プロダクションを経てフリーランスのライターに。現在は小学館発行のビジネス情報誌「DIME」を中心に、企業のオウンドメディアや情報サイトなどで幅広く執筆。生活情報サイト「All About」のガイドも務める。自称、キャッシュレスクイーン。スマホ決済や電子マネー、クレジットカード、ポイント、通信費節約などのジャンルのほか、趣味の文具や手帳の記事も手掛ける。