2017年度のノーベル文学賞を受賞したカズオ・イシグロの同名小説を原作とする渡辺謙主演ドラマ『浮世の画家』(2019年3月にNHK BS8KおよびNHK総合で放送)の出演者が12日、発表された。広末涼子、前田亜季、寺田心、中村蒼、大東駿介、和田正人、渡辺大知、長谷川初範、萩原聖人、秋山菜津子、前野朋哉、佐藤隆太、佐野史郎、余貴美子、小日向文世、奥田瑛二が出演する。
カズオ・イシグロの出世作『浮世の画家』をスーパーハイビジョン(8K)で映像化する同作の舞台は、終戦から数年過ぎた日本。主人公は高名な初老の画家。焼け跡から徐々に復興の姿を見せていく街で、隠居老人の一見平和な日常生活を描く。
愛すべき孫の訪問、なじみの飲み屋のママとの世間話、戦前からの旧友との邂逅…。あるとき娘の縁談が持ち上がり、そこから周囲の視線の変化に気づき始める。確固たる決意で国のために尽くしてきた自分が、何故非難されなければならないのか。その一方で、過去の影に滑稽なほどおびえる自分の弱さも認識していく。
3月放送に向けて、11月中旬より収録が始まる。主演の渡辺は「『浮世の画家』なんとも又、難しい課題を今回はいただいた気がしています」と告白。「主人公・小野が抱えている慚愧の想いは深く苦しいものですが、世の中はそんな事には何も頓着がない。そんなペーソスあふれる話しを、さてどう演じたら良いものやら。とにかく丁寧に穏やかに苦しみたいと思っております。8Kの技術的な事はスタッフに任せ、私は戦後に生きる男と向き合います」と語っている。