バブル時代に流行った、タイトスカートにピンヒール。懐かしいという人もいると思いますが、「タイト」という言葉がどんな意味か、ご存知でしょうか。
そこで今回は、ビジネスシーンでも頻繁に登場するタイトの意味や使い方について解説します。
タイトの意味
タイトの意味は、「きついこと。かたくしっかりしていること。ぴったりと密着していること」です。
このことから、ビジネスシーンでは主に、「予算やスケジュールが厳しい状態であること」や「商品の需要供給がひっ迫して余裕がないこと。品薄」という意味で用いられます。また、アパレル用語におけるタイトといえば、「体にぴったりと密着した洋服」のことを指します。
タイトの使い方と例文
タイトなスケジュール
「タイトなスケジュール」という表現は、ビジネスシーンでよく用いられる表現です。時間的・計画的に余裕がない・厳しい状態であることを意味します。
また、先方から無理のある納期を提示された場合などに、「このスケジュールですと、通常よりもかなりタイトになりそうですね」などと発言すれば、相手をけん制することもできます。
相手は「この日程では厳しいのか」ということを認識しますので、その上で納期の変更などを切り出した方が、スムーズに話を進めることができるでしょう。
(例文)
・これは、かなりタイトなスケジュールですね。
・タイトなスケジュールで申し訳ございませんが、何とかお願いできないでしょうか。
・今月はスケジュールがタイトなもので、ちょっと難しいかもしれませんね。
・すでにタイトな日程となっていますので、これ以上の短縮は無理です。
・来週までとなると非常にタイトですが、何とか頑張ってみましょう。
需給がタイト
需要に対して供給に余裕がなく行き詰まることを、「需給がタイト」と表現します。四字熟語の「需給逼迫(じゅきゅうひっぱく)」に相当し、商品が品薄である状態や、電力などの供給がままならない場合に用いられます。
(例文)
・売れ行きが好調で、需給がタイトになっている。
・電力の需給状況がタイトなため、計画停電を実施せざるを得ません。
・台風の影響で原料が入荷せず、しばらく需給がタイトになりそうです。
予算がタイト
金銭的に厳しい状況である場合にも、タイトが用いられます。ビジネスシーンでは、予算に関係するシーンで登場することが多いでしょう。
(例文)
・こんなタイトな予算では、何もできません。
・今回の予算はタイトなので、まず省けるものをリストアップしましょう。
・今月は金銭的にタイトだから、ゴルフには行けそうにない。
アパレル用語のタイト
洋服の話をしている中でタイトといえば、一般的には「タイトスカート」のことを指しますが、体にぴったりとフィットした洋服全般を、アパレル業界では「タイト」といいます。
また、洋服に限らず、モノ全般に関してピタっとして、きつい状態の場合にも用いられます。
(例文)
・あえてタイトなシャツにしてみたけど、動きにくくて困る。
・花嫁は、タイトなロングドレスを着ていた。
・結び目がタイトでほどけにくい。
「タイト」という言葉が登場した時点で、すでに余裕がない状態にあるといえます。はじめからタイトな日程や予算を組んでしまうと、何かアクシデントが発生した場合に対応できなくなってしまいます。
仕事でもプライベートでも、多少の余裕は持っておきたいものですね。