TPC マーケティングリサーチはこのほど、「介護における食事の実態と今後のニーズ」の調査結果を明らかにした。同調査は9月6日~9日、同居家族に在宅の要介護者を抱える家族615名対象にインターネットで実施したもの。
介護の食事における負担度について尋ねたところ、「食事の準備・調理」(52.4%)が最も多く、次いで「食材の買い出し」(40.2%) 、「食事の後片付け」(34.1%)、「食事介助」(26.8%)と並んだ。
属性別にみると、介護者が「60歳未満の子供」の場合は、「食事の準備・調理」「食事の後片付け」「食材の買い出し」に負担を感じる人が他の属性よりも高い。働きながら介護している人や、被介護者の食事にやわらかさなどのひと手間加えているケースが多いことが背景にあると考えられるという。
市販の介護食の利用経験について調べたところ、利用経験者は43.6%、利用したことがない人は56.4%だった。利用経験者の内訳を見ると、「現在日常的に利用している」は23.4%、「過去に日常的に利用していた」は9.8%、「一度だけ利用した」は10.4%だった。
現在日常的に利用している人や、過去に日常的に利用していた人に利用頻度が高い介護食について尋ねると、「濃厚流動食」「とろみ剤・とろみ調整食品」「おやつ・デザート」「主食」が多かった。特に「濃厚流動食」「とろみ剤・とろみ調整食品」は、「ほぼ毎日」と回答した人が約5割となっている。
市販の介護食の利用意向について聞くと、「利用したい」「やや利用したい」が37.7%、「あまり利用したくない」「利用したくない」が30.9%だった。
要介護度別でみたところ、被介護者が「要介護1・2」「要介護3以上」の場合や、被介護者の BMI値が「低体重」「普通(痩せ寄り)」の人、被介護者の噛(か)む力・飲み込む力が低下している場合の利用意向が高い。特に「飲み込む力が低下」している場合は、「利用したい」が5割にのぼった。
属性別でみると、介護者が「60歳未満の子供」は、「利用したい」が42.9%と、他の属性に比べて高かった。