大人気シリーズの最新作『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』(12月20日公開)の公開に先立って、三部作で主人公のレイを演じた女優のデイジー・リドリーが来日。マイナビニュースのインタビューに応じた。ジェダイの代名詞であるフォースが覚醒し、ファースト・オーダーの猛攻強まるなか、自身のルーツを探し続ける主人公・レイを、彼女はどう受け止め、スクリーンで表現したのか。惜しまれつつも亡くなったレイア役のキャリー・フィッシャーの“教え”も含め、いろいろ語ってくれた。
――今回はスカイウォーカー家の物語の完結編ということで、どういう意気込みで臨まれましたか?
特に気負いはしていなくて、その前の年が忙しかったので、撮影前に半年間オフを取ったの。家でゆっくり休憩したので、それが最高の準備だったわ。リラックスして地に足をつけることができて、特別なことはしなかったけれど、メンタル的にも肉体的にもヘルシーな状態で入れたのよ。
――友情や絆みたいなセリフが予告編で強調されていましたが、そういう作品でしょうか?
その通りよ。レイは本当に素晴らしい資質を持っていて、ヒーローでもあるの。でも、フィンもそうだし、ポーもそう。レイはフィンなくしてそうあることはできないし、フィンもポーがいないとダメよね。つまり、ライトサイド側にいる我々はそういう関係性を持っていて、カイロ・レンは逆にひとりよ。孤独や悲しみからくる怒りをたくさん抱えていて、レジスタンスのわたしたちはお互いに頼れるし、大義のために団結して戦うことができているから。
――監督とは再タッグになりました。前回との差や違いは感じましたか?
不思議なことに彼は誰よりもプレッシャーを感じていたはずなのに、撮影現場では前回に比べてリラックスしていたように思う。誰よりもね。もしかしたら、上手に隠していたのかも(笑)。前回彼がよく口にしていたことは、キャスティングが大変だったということ。でも、それが上手く作用していることがわかった今は、とてもスムーズに居心地よく仕事ができたと思う。遊び心あふれるユーモアいっぱいの撮影現場だったし、監督として素晴らしいことはもちろんのこと、『スター・ウォーズ』はほかの作品に比べて特有なところがあるけれども、それでもすごくオープンなの。フィードバックを聞いてくれたり、すごくコラボレーションしてくれる。今回改めて、それは思ったわ。
――レイという大役をまっとうした今、何を感じていますか?
ラッキーだったと思うわ。起用されたこと、撮影現場で素晴らしい時間を過ごせたことも。一緒に仕事をした方々が本当に素敵な方々ばっかりだったからで、もしもレイという人物を私が信じることができなければ、“こんな気持ち”にはならなかったと思うの。出演を機にほかの事柄へつながったり、いろいろな場所へ出かけたり、旅が終わることは少し不思議な感じがしているわ。6年間というものをひとつにキュッとまとめると、『スター・ウォーズ』のことと、そうじゃない自分の人生を切り離して考えることは難しいくらい。公私にわたって美しい人生だと思うわ。
――いまベビーヨーダ(Disney+オリジナルドラマ「ザ・マンダロリアン」に登場する話題のキャラクター)も話題ですが、キャラクターについてはいかがですか?
ポーグはそれほど好きじゃないかしらね(笑)。ベビーヨーダは私も大好きよ。ポーグは評価が高すぎるわ。半年間あれだけ撮影を頑張ったのに、取材に時にポーグのかわいさばかり聞くから!(笑)。それはともかく、いまの私たちの世界は対立が多く見られる世界でもあるから、そういう風にみんなをひとつにしてくれる存在として、ベビーヨーダに代わる今回のキャラクターは、D-Oなの。物語にとってもすごく重要な役割を果たしているけれど、本当にかわいいのよ!
――キャリー・フィッシャーとの話はよく出ると思いますが、彼女から何か学びましたか? レイという役柄に応用したことはありましたか?
何か具体的な言葉というよりも、そこに一緒にいることでの学びのほうが大きいと思うの。聞きたいことがあるから聞くみたいなことはしたくなかったので、クールな感じを装っていたけれど、いま振り返ってみると、キャリー、ハリソン、マークを含め、もっといろいろ聞けばよかったと思う時もあるわ。
――どんなことを?
『スター・ウォーズ』に関わることとかね。生活がどういう風に影響があったとか、撮影が終わったあとお互いにどうやって連絡を取り合っていたのか、撮影現場での経験も聞いてみたかった。彼女のインタビューで覚えていることは、「みんなが着なくてもいいように、私が金色のビキニを着たのよ」ということ。いろいろな意味で、彼女は先駆者だったの。『スター・ウォーズ』の世界におけるかっこいい女性キャラクターとして、その後の者たちのために道を切り開いてくれた。遊び心を持って楽しみながら聡明で、すごく謙虚でもあった。私は、そういう資質をまだ持ち合わせていないかもしれないけれども、彼女がいたおかげで、自分の行動や言葉には理由があると、そう思うことができたのよ。
――今後、新たな『スター・ウォーズ』があるとして、あなたは後進の人に、自身の『スター・ウォーズ』での経験についてどのように伝えますか?
みんな言っているけれど、最高の時を過ごすことができたということは、真実なのよ。『スター・ウォーズ』後の人生はまだ経験していないから、それがどういうものかはまだ言葉には落とせないけれど、少なくとも30年後に同じような友情が続いていてほしいと思うわ。
デイジー・リドリー
1992年4月10日生まれ。イギリス・ロンドン出身。2015年に『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』で主人公レイ役に大抜擢され、一躍スターダムへ。世界的な女優になる。続編の『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』(17)でも同役を続投したほか、スタジオ・ジブリ製作の『おもひでぽろぽろ』(16)で主人公の英語版の声を担当。そのほか『オリエント急行殺人事件』(17)、『ピーターラビット』(18)でも声の出演を果たしている。
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デイジー写真:堤博之