テスラモーターズは新型電気自動車(EV)「モデル3」を日本で初公開した。日本仕様のスペックは現時点で不明だが、米国での価格は4万6,000ドル(約523万円)と同社で“最も手頃”なクルマだ。
日本での納車開始は2019年後半以降
スーパースポーツカー「ロードスター」で自動車業界に参入したテスラは、フラッグシップセダンの「モデルS」、最大7人まで乗れるSUVの「モデルX」とEVのラインアップを増やしてきた。既存のクルマよりも小さくて価格の低いモデル3は、同社のエントリーモデルといったような立ち位置となる。
米国仕様のラインアップを見てみると、モデル3には「ミッドレンジ」「ロングレンジ」「パフォーマンス」という3つのグレードがある。サイズは全長4,694mm、全幅1,849mm、全高1,443mm。最も価格の低いミッドレンジの航続距離は、フル充電で約418kmだ。
テスラは2017年7月に米国でモデル3の納車を開始した。日本でも予約を受け付けているが、納車開始は2019年後半以降となるそうだ。日本での予約件数は非公表としている。
車内は驚きのシンプルさ
実際にモデル3を見て驚いたのは、車内のシンプルさだ。インパネには、ボタンやダイヤルといった物理的な装置が全く付いていない。あるのはタブレットのような液晶パネルだけだ。このパネルでエアコンを操作したり、ナビを見たりする。
液晶パネルだけの車内は近未来的で、ミニマリズムという言葉が思い浮かぶような独特の魅力を備えるが、いろいろな機能が集約しているタブレットのような装置が走行中にフリーズした場合のことを考えると、少し心配になった。その点についてテスラに聞いてみると、フリーズする可能性がないとはいえないが、そういった場合にはハンドルに付いているボタンで簡単に再起動をかけられるとのことだった。
テスラは現在、1週間あたり8,000台のEVを生産している。これまでに納車した累計台数は35万台超だ。EVを見かける機会が増えてきた日本でも、例えばトヨタ自動車の「クラウン」やメルセデス・ベンツの「Cクラス」などと同じような価格帯でテスラ車を買えるようになれば、EVの普及が加速するかもしれない。ただし、日本仕様には輸送費などが上乗せになるので、米国仕様よりも価格が高くなることは覚悟する必要がある。
(藤田真吾)