アイリスオーヤマといえば収納グッズや清掃用品などの日用品メーカーでしたが、2009年からLED照明で家電事業に参入。最近は「モップ付属のコードレス掃除機」や「低価格で無線LAN内蔵のエアコン」など、アイリスオーヤマらしいひとひねりある家電を多く発売しています。

そんなアイリスオーヤマが11月8日に発表したのが「スマートスピーカー対応 LED照明」です。スマートスピーカーと連動するLED照明はすでに複数ありますが、今回の「スマートスピーカー対応 LED照明」は、無線LANを内蔵しながら、6畳用LEDシーリングライトは13,800円(税別)から、LED電球はなんと3,980円(税別)からと、コストパフォーマンスが高いのが特徴です。

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    音声で点灯・消灯のほか、明るさや色温度の調整もできるアイリスオーヤマの「スマートスピーカー対応 LED照明」。写真はスマートスピーカー対応 LEDシーリングライトのデザインフレームタイプ(写真下部3製品)と、スマートスピーカー対応 LED電球をセットしたペンダント型照明(写真上部)

バリエーションの豊富さはさすが

「スマートスピーカー対応LED照明」のもうひとつの特徴がバリエーションの豊富さ。製品は大きくわけて2種類で、シーリングライトの「スマートスピーカー対応 LEDシーリングライト」と、E26サイズの電球「スマートスピーカー対応 LED電球」の2製品から選べます。

スマートスピーカー対応 LEDシーリングライトは、ライト周辺に透明度の高い樹脂をデザインした「デザインフレームタイプ(8畳用・12畳用の2モデル)」と、シンプルに丸みを帯びたデザインの「薄型タイプ(6畳用・8畳用の2モデル)」の2種類が用意されています。

さらに、デザインフレームタイプと薄型タイプともに、明るさを調整できる「調光モデル」と、調光のほかに寒色系の色から暖色系の色まで調整できる調色機能を搭載した「調光・調色モデル」が選択可能。つまり、シーリングライトだけで8機種があるのです。

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    シーリングライトの周囲を透明度の高い樹脂でデコレーションしたデザインフレームタイプ。残念ながら薄型タイプは展示されていませんでした

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    シーリングライトは全機種で調光可能。上位機種は光の色を変更する調色機能も搭載しています

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    スマートスピーカー対応 LEDシーリングライトにはリモコンも付属。「るすばん」ボタンは4時間ごとに点灯・消灯をくりかえし、留守時の防犯対策として使える面白い機能です

一方、スマートスピーカー対応 LED電球は「調光モデル」「調光・調色モデル」のほかに「調光・RGBW調色モデル」もラインナップ。一般的なライトの調色機能で設定できるのは、「昼光色(青みがかった白色)」や「電球色(赤味がかったオレンジ)」の範囲内ですが、「RGBW調色」は緑や紫、ピンクなどに電球色を設定可能です。

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    スマートスピーカー対応 LED電球のプロトタイプ。見た目は一般的なLED電球にしかみえません

LEDシーリングライトとLED電球をあわせると、今回発表されたスマートスピーカー対応製品は全11機種。初のスマートスピーカー対応LED製品にもかかわらず、これだけのバリエーションを用意できるのは、約12,000種類のLEDアイテムを手掛けてきたアイリスオーヤマならではといえそうです。

Google AssistantとAmazon Alexaに対応

今回の製品の心臓部ともいえるスマートスピーカー対応についてですが、Google AssistantとAmazon Alexaをサポート。声で照明を点灯・消灯できるのはもちろん、明るさや色の調整も音声でコントロール可能です。両手で荷物を持って帰宅したとき手軽に照明を点灯できるほか、自宅でくつろいでいるときにわざわざ立ち上がってスイッチを入れたり、リモコンを探したりといった手間がなくなるメリットがあります。

「アレクサ、寝室の明かりをつけて」の声かけでシーリングライトが点灯するデモンストレーション

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    対応する音声アシスタントは、Google AssistantとAmazon Alexa。写真は会場で使われていたAmazon Echo Dot(写真左)とGoogle Home Mini(写真右)

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    発表会の会場にはGoogle HomeとAmazon Echoシリーズを使って、実際に照明の音声操作ができる体験部屋も用意されていました。写真はスマートスピーカーを使った部屋の一例。一番右のボックス上に置いてあるのがAmazon Echoです

また、専用アプリ「IRIS SmartLF」を利用すれば、外出先からも照明を遠隔操作できます。ひとつのアプリで複数の照明を登録でき、音声でも「リビングの照明をつけて」「子供部屋を明るくして」など、複数の照明をそれぞれコントロール可能です。

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    アイリスオーヤマ専用アプリ「IRIS SmartLF」。複数の照明をひとつのアプリで管理できます

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    アプリから、光の明るさや色を細かく設定可能。気に入った設定は保存もできます。写真は電球「調光・RGBW調色モデル」の設定画面。赤や青といった光の色を選ぶことも可能です

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    特定の曜日や時間に照明を点灯、消灯するといったスケジュール機能も搭載。目覚まし代わりに使えそうです

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    RGBW調色に対応したモデルなら、赤や紫、緑などのムードのある色で部屋の雰囲気を演出することも。クリスマスイルミネーションのように次々と色が切り替わる設定にもできます

色が変わるでモンストレーション

ちなみに2018年現在で人気のスマートLEDといえば、フィリップスの「Hue」などがあげらます。ただし、Hueシリーズをはじめとする高機能スマートLEDは、すべての機能を活用するには専用ハブユニットを必要とするものがほとんど。

アイリスオーヤマの「スマートスピーカー対応 LED照明」は、対応するスマートスピーカーと専用アプリ、そして無線LAN環境さえあればすべての機能を使えます。セットアップ方法も簡単で、スマートスピーカー対応 LEDシーリングライトはリモコンの「明るい・暗い」ボタンを交互に3連打、スマートスピーカー対応 LED電球はスイッチの入切を3回連続で行うことで、無線LANルーターに接続するモードに切り替えられます。導入におけるセットアップの簡単さも魅力でしょう。

「メタルサーキット」ってなんだ?

スマートスピーカー対応 LEDシーリングライトは、アイリスオーヤマの独自技術「メタルサーキット」を採用しています。一般的なLED照明は基板が樹脂でできているのですが、メタルサーキット採用製品は基板が金属製。従来の樹脂製基板よりも放熱効率がよく、省エネ性能も高いといいます。

放熱効率がよいために専用ヒートシンクが必要ないのもメタルサーキットの特徴。このため、樹脂基板の製品と比較すると、低コストでLEDチップを配置するエリアを広く確保できるのです。アイリスオーヤマによると、基板エリアの広範囲にチップを配置することで光が拡散しやすく、まぶしすぎない「優しい光」を実現できるそうです。

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    白い土台部分が金属製の基板。広い基板全体にLEDチップが散らばっているのがわかります。広いスペースにチップを配置することで、優しい光を実現しているそう

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    会場に展示されていたアイリスオーヤマのLED照明。写真上の3製品はメタルサーキット非搭載。下の2製品はメタルサーキット技術を搭載した製品。メタルサーキット搭載製品は光の明るさにムラが少ないのがわかります