スマートヘルスはこのほど、「健康維持・増進のための運動に関する調査」の結果を明らかにした。同調査は9月14日~16日、全国の50歳~79歳の男女600人を対象にインターネットで実施したもの。
健康維持・増進を目的に行っている(いた)運動によって、身体に痛みが出た経験はあるか尋ねたところ、52.7%が「ない」、47.3%が「ある」と回答した。痛みが出たと回答した人にどのような痛みが出たか聞くと、「膝(ひざ)痛」(42.0%)、「腰痛」(41.0%)が多かった。
身体の痛みを経験したことで、運動習慣に変化があったかを尋ねると、45.4%が「それまでと変わらず運動を続けた」と回答した。「運動の頻度を減らした」は29.8%、「運動の種類を変えた」は13.2%で、これらを合わせると、約9割が身体に痛みを経験しながらも、健康維持・増進のために運動を行っていることがわかった。
自身の健康や身体の状態を把握したうえで、それに合わせた運動を行っているか尋ねたところ、82.4%が「はい」と答えた。
どんな方法で自分の身体の状態を把握しているか(していたか)尋ねると、「自宅での計測(血圧計、体組成計、など)」(68.7%)がいちばん多く、次いで「会社や地域の健康診断」(36.2%)、「トレーニングジムなどの計測機器」(17.1%)となった。
京都大学大学院・建内宏重特定准教授は、自分の健康や身体の状態を把握し運動を行っているのに身体に痛みが出てしまう理由として、「"自分の健康や身体の状態を把握する方法"が適切ではない」点を指摘している。
具体的には、理学療法士などの専門的な見地から、関節や筋肉の柔軟性、筋力、バランス能力、姿勢、身体の動かし方などを多面的に評価してもらうことが重要だという。このように身体の弱点を明確にしないまま運動すると、効果がないばかりでなく、弱り始めている関節や筋肉に負担をかけ、悪化させてしまう可能性もあるとのこと。
また、行っている運動の方法が適切でないことも身体に痛みが出てしまう理由になりうる。適切な方法で運動できているかどうかは自分ではわかりにくいため、理学療法士などの専門家にチェックしてもらうことが重要だとしている。