今回のテーマは、カタカナ用語「クリティカル」です。さまざまなビジネスシーンでも耳にするようになりましたが、皆さんの職場では使われているでしょうか。
本稿では、クリティカルの意味や例文のほか、クリティカルのつく関連用語についても紹介します。
クリティカルの意味
クリティカルの意味は、「きわめて危ない状態であるさま。危機に瀕しているさま。重大な。危機的」「検討を加え、評価するさま。批判的」です。
ビジネスシーンでは、主に「重大な」「危機的な」「致命的な」「批判的な」といった意味で用いられます。どの意味で使われているのかは、前後の文脈から判断するようにしましょう。
クリティカルの使い方と例文
・早急に対処しないと、クリティカルな問題に発展しかねない。
(~、重大な問題に発展しかねない)
・患者が昨夜、クリティカルな状態に陥った。
(患者が昨夜、危機的な状態に陥った)
・A社の経営状態は、極めてクリティカルな状況だ。
(A社の経営状態は、極めて危機的な状況だ)
・このバグは、クリティカルなの?
(このバグは、致命的なの?)
・彼はなぜ、あんなにクリティカルな態度をとるのか。
(彼はなぜ、あんなに批判的な態度をとるのか)
クリティカルのつく用語
クリティカルエラー
ハードウェアの故障やソフトウェアの誤作動など、コンピューターのシステムに致命的なダメージを与えるエラーのこと。
クリティカルパス
クリティカルパスとは、プロジェクトにかかる「最長経路」のこと。プロジェクトが完了するまでの全工程を、「前の工程が終わらないと次の工程に進めない」というルールの基に構成したときに、所要時間が最も長くなる経路(パス)のことです。プロジェクトの進行状況をクリティカルパスと照合することで、作業の遅延を見極めることができます。
また、医療の現場では、診療計画表のことを「クリティカルパス」と呼びます。質の高い医療を効率的かつ安全に提供するために、最適と考えられる診療内容をスケジュール化したもの。
クリティカルケア
医療の現場において、生命の危機的状態にある重症患者に対して行われる看護のこと。
クリティカルシンキング
直訳すると「批判的思考」ですが、単に「批判」したり、「反対」したりすることではありません。議論の際に、「その判断は本当に正しいのか」という疑問を持った上で、客観的・論理的に思考しながら真に正しい結論を導き出そうとする考え方。
クリティカルヒット
ゲームの世界で、通常よりも大きな威力で命中する攻撃、あるいは即死するほどのダメージを与える致命的な一撃のことで、略して「クリティカル」と呼ぶこともあります。
「重大な」「危機的な」「致命的な」「批判的な」など、多くのネガティブな意味を持つ用語ですが、実際に自社が危機的な状況に陥っている中で「うちはクリティカルだ」などとカタカナ用語を使用すると、事態を軽んじているように捉えられてしまうかもしれませんね。
カタカナ用語は便利でデキる人が使うイメージもありますが、TPOに応じて適切に使用するよう心がけましょう。