京王電鉄の車両9000系を使用し、サンリオキャラクターたちをデザインしたフルラッピングトレインが1日から運行開始した。京王多摩センター駅で記念セレモニーが行われ、同駅の名誉駅長を務めるハローキティが駅長とともに出発合図を行った。

  • サンリオキャラクターをデザインした京王電鉄9000系のフルラッピングトレイン。京王多摩センター駅から橋本行の各駅停車で運行開始した

今回の取組みは京王電鉄、サンリオピューロランド、多摩市が協力し、地域活性化およびサンリオピューロランドのある多摩センター地区への来訪促進などを目的に実施される。京王線をはじめ都営新宿線にも乗り入れる9000系1編成(9781~9731)を使用し、やさしい色合いのピンク色の車体に、多摩センター親善大使のハローキティなどサンリオキャラクターたちで装飾した。車内のドア注意喚起ステッカーにもサンリオキャラクターたちを配し、乗車時間を楽しく過ごせるかわいらしいデザインとしている。

ハローキティの誕生日であり、多摩市市制記念日でもある11月1日からフルラッピングトレインの営業運転を開始することになり、同日にサンリオピューロランドの最寄り駅である京王多摩センター駅で記念セレモニーが行われた。サンリオキャラクターたちの装飾が施された改札前のスペースにハローキティ、マイメロディ、シナモロール、ポムポムプリンが登場し、誕生日を迎えたハローキティを祝福。続いて京王電鉄常務取締役 鉄道事業本部長の仲岡一紀氏、多摩市シティセールス政策監の若林和彦氏、サンリオエンターテイメント取締役館長の小巻亜矢氏が挨拶した。

  • サンリオキャラクターで装飾された改札前のスペースにハローキティ、マイメロディ、シナモロール、ポムポムプリンが登場。フォトセッションが行われた

「京王多摩センター駅は1974(昭和49)年に開業し、キティちゃんが誕生した年も1974年。サンリオピューロランドの開業が1990(平成2)年、当グループの京王プラザホテル多摩も同じ1990年に開業しており、深い縁を感じております」と仲岡氏。サンリオピューロランドの館長を務める小巻氏は、フルラッピングトレインの運行でさらなる利用者増加が見込まれることから、「私たちも心を新たにして、お客様に喜んでいただけるようなピューロランドになるようがんばりたい」と挨拶した。

サンリオピューロランドも近年は海外からの利用者が増えているという。「最近の傾向として、観光バスで乗りつけるというより、お客様がそれぞれチケットを購入し、電車で多摩センターまでお越しになるという流れになっています。そうした中で、このフルラッピングの車両は海外のお客様にとっても目印になると思います。夢と笑顔を運ぶ電車で来ていただき、ピューロランドでさらに笑顔になる。そんな素敵な流れができたら……と、私たちも期待に胸膨らませています」(小巻氏)とのことだった。

若林氏は多摩センター地区で取り組む「ハローキティにあえる街」事業を紹介した上で、今回のフルラッピングトレインの取組みについて「京王電鉄・サンリオピューロランドにより企画され、多摩市も協力させていただくことで実現したところです。本市に立地する企業・団体と連携し、地域活性化を進める取組みが広がっていくことは、多摩市にとっても非常にうれしいこと。全国の方々に『ハローキティにあえる街』多摩センターを知っていただき、この地域がさらににぎやかになることを祈念しています」と述べた。

  • 京王多摩センター駅の駅長と、名誉駅長を務めるハローキティの出発合図でフルラッピングトレインが発車し、橋本方面へ

京王電鉄9000系のフルラッピングトレインは9時30分すぎ、京王多摩センター駅の1番線ホームに入線。駅長と名誉駅長のハローキティが出迎え、この2名による出発合図で9時40分すぎ、橋本行の各駅停車として発車した。サンリオキャラクターをデザインしたフルラッピングトレインは今後、京王線・都営新宿線などで当面運行される予定となっている。