部屋を広く使いたい、寝相が悪くてベッドから落ちるのが不安、家具購入の費用を抑えて新生活をスタートしたいなどの理由から、ベッドではなく布団で寝ようと思う方も少なくないのではないでしょうか。しかし最近はフローリングの部屋が増えており、その床の上で布団を使うとなると少し注意が必要です。そこで今回は、フローリングで布団を使うときに注意するべき3つのポイントをご紹介します。
いちばんの敵はカビ!
フローリングの床にベッド感覚で布団を敷きっぱなしにしようと考えている方は、考え直すことをおすすめします。敷きっぱなしにしていると、気付かぬうちに布団やフローリングがカラフルなコウジカビや黒カビだらけになって、健康を害する恐れがあります。
布団にカビが生える理由人間は常に少しずつ汗をかきます。その量はひと晩におよそコップ1杯分。畳は調湿効果が高く、布団に溜まった湿気が届いても逃しやすいのですが、フローリングでは同じようにはいきません。湿気をきちんと逃してあげないと結露のような状態が続き、カビが生える原因となってしまうのです。
布団だけでなくフローリングの木材にもカビが繁殖すると、退去時にフローリングの張り替えをしなければならなくなる可能性もあります。
フローリングの部屋で布団を使う場合のカビ対策フローリングで布団を使用する場合、布団に湿気を溜めない工夫が必要です。抗カビ加工の布団を選んだり、布団とフローリングの間に湿気を放出する空間を作ったりしましょう。たとえば、すのこ、い草ラグ、専用の除湿マットなどを間に敷くことで、結露を防ぐ効果が期待できます。なるべく費用をかけたくないという場合は、大判のバスタオルや新聞紙を敷き、毎日取り替えるという方法もあります。そして毎日布団をあげて、定期的に天日干しするなど、布団自体の湿気を飛ばすことも大切です。
カビが生えてしまった場合の対処法うっかり敷きっぱなしにして布団にカビが生えてしまったときは、消毒用エタノールを利用しましょう。ゴム手袋をしてから、消毒用エタノールを布にしみこませ、布団の表面をふき取ります。ふき取った後はよく乾燥させ、使った布は捨ててしまいましょう。しかし消毒用エタノールでカビがなくなったとしても、カビでできてしまったシミは残ります。また、布団内部のどこまでカビが浸透しているか確かめるのは困難なため、完璧な対処は難しいといえるでしょう。また、より確実なカビの除去を考えるなら、布団クリーニングのプロへ依頼する方法もあります。
フローリングの上で寝ると体が痛くなる?
個人差はありますが、フローリングに直接布団を敷くことで、体に痛みがでるというケースがあります。
体に痛みがでる理由とは?「フローリングの上に布団を敷いて寝るようになって、腰が痛い」という場合は、床が原因かもしれません。フローリングには弾力性があまりありませんので、体の張り出している部分に負荷が集中し、痛みにつながるのです。寝起きに痛みを感じやすい部分が、肩や腰、背中などというのも納得できますね。
またフローリングの場合、特に冬の寒い時期には床の冷えが布団を伝わって体を冷やします。この冷えが、腰などの痛みにつながることもあるようです。
体の痛みを引き起こさないための対策とは?布団をフローリングの上に敷くときは、自分の体に合ったほどよい柔らかさになる布団を選ぶことが大切です。好みもあるでしょうが、布団選びの際は次の5点を目安にするとよいでしょう。
・寝返りしやすい
・寝たときに腰が5cm以上沈み込まない
・仰向けになったとき違和感がない
・仰向けの寝姿勢で、腰と布団との間に隙間ができない
・心理的に安心できる
万年床は、カビ・ダニ・ホコリ対策や掃除のしやすさのためにも避けたい状態です。そのため布団は、収納方法にも注意や工夫が必要です。
部屋に収納スペースがない場合布団を畳んだりくるくる巻いたりして部屋の隅に置き、カバーなどの大きな布をかけるだけでもすっきりまとまります。おしゃれな専用カバーを使えば、ちょっとしたソファーにも変身します。また、スノコボードなどを折り曲げて立て、そこに布団をかける方法もあります。この方法であれば、布団に風を通して湿気を飛ばしながら片付けられるので、一石二鳥です。このように、たとえ収納スペースがなくとも、布団の湿気を飛ばしながらコンパクトに置いておくことができればOKです。
クローゼットや押し入れに収納する場合クローゼットや押し入れに収納するときは、収納内部に空気の通り道を作っておくことが大切です。ラックや布団用のワゴンを使えば、棚やキャスター部分などで隙間を確保でき、空気の通り道を作ることができます。すのこを使うときには、正面に向かって空気の通り道をふさがないよう、置く向きにも注意しましょう。
収納時のポイントは、湿気対策です。収納空間の奥と両サイドに5cmくらいの余裕を持たせ、ぎゅうぎゅうに詰め込まないようにしてください。
そしてたまには扉やふすまを開けて、換気もするようにしてくださいね。
長期間しまう場合は、必ずしっかり天日干しをしてから収納しましょう。ただ、干す時間帯によっては、かえって湿気を吸ってしまうことがあります。お天気が良く、湿度の低い日や時間帯に、1~2時間程度を目安に干すのがよいでしょう。早朝や夕方は比較的湿気が多い時間帯なので、布団を干すのはおすすめしません。どうしても天日干しが難しいときは、布団乾燥機を使うのもおすすめです。
布団がしっかり乾燥したら、いよいよ収納です。このとき、収納用の布団袋やケースを使うと管理も簡単で便利です。ダニ・カビ防止加工をしているものや圧縮できるものなど、さまざまな収納グッズがありますので、収納スペースに合ったものを活用してください。
おわりに睡眠の質は、健康に大きな影響を及ぼす可能性があります。特にフローリングで布団派の方は、布団選びや使用法、収納にひと手間かけることが大切です。清潔・快適なお布団でぐっすり休んで、毎日のお仕事や勉強に力を発揮してくださいね!
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